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資格の定番ともいえる簿記。そもそもどんな資格かご存じですか?「簿記」という用語は知っていても、その内容を説明できないという人は意外に多いのです。
今回は「簿記とは何か?」について徹底解説します。これから簿記を勉強したい人、気になっているけれど迷っている方は、ぜひ参考にしてください!
そもそも簿記ってどんなもの?
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簿記は経理事務職にとって必須の資格ですが、実はそれだけにとどまりません。ここでは簿記とはどんな資格か、なぜ多くの人が受けるのか、その背景を解説します。
簿記はあらゆるビジネスの根幹となる技術
簿記とは、平たく言えば「個人や会社で行った商取引の結果を帳簿につける技術」のことです。
原材料を仕入れて製品に加工したり、商材として販売したり、社員を採用したり、社屋を建てるために土地を購入したり…世の中では、日々さまざまな取引が行われています。規模の大小や業種に関わらず、商取引を行うすべての個人や企業は、こうした行為に伴うお金や資産の動きをルールに則って正しく記録する必要があります。
そのために必要な基本知識が「簿記」。いわば簿記はあらゆるビジネスの根幹をなす技術なのです。
幅広いフィールドで活かせる簿記資格
簿記は「お金の流れを帳簿につける手法を学ぶ」という極めて実務的な資格ですが、一方でそれにとどまらない側面があります。
・コスト感覚
・企業の経営状態を把握できる
・経営管理、分析の基礎知識
これらは経理職に限らず、ビジネスパーソンが持っていたいスキル。多くの企業が社員教育の一環として簿記取得を推進したり、就職や転職に有利といわれるのも、こうした背景があってのことです。
販売や営業、コンサルティングなど、幅広い職種で活かせるほか、将来、独立や開業を目指す人にもメリットのある資格です。
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社会人が受けるなら日商簿記がおすすめ
簿記資格には複数の主催団体があり、それぞれが独自の検定を行っていますが、社会人が受けるなら「日商簿記」選ぶのがおすすめです。
簿記検定の種類とは?どれを受けるべき?日商と全経の違いを徹底比較
日商簿記は日本商工会議所の主催で、最も受験者数が多く、知名度の高い検定です。他の簿記検定と比較すると難易度は若干高いですが、その分、就職や転職の際に高く評価されています。社員教育の一環として、推奨している企業も多いです。
日商簿記は受験資格がないため、誰でもチャレンジできます。試験は、3級と2級が年3回、1級が年2回。全国各地で受験できます。
日商簿記の試験日程は?申込方法や注意点、学習計画の目安をチェック!
簿記に関する素朴な疑問にお答えします!
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簿記に興味はあっても、いざ勉強を始めようとすると、不安や疑問が募るもの。経理未経験だと難しいの?どれくらい勉強すれば合格できるの?特に初心者の場合、あれこれ気になって二の足を踏んでしまう人も多いでしょう。
ここでは、簿記に関する素朴な疑問にまとめてお答えします。
数字が苦手でも大丈夫?
簿記に関する疑問でよくあるのがコチラ。結論から言えば、数字に弱くても簿記には合格できます。
簿記で必要なのは四則演算のみ。複雑な計算は必要ありません。足し算・引き算・掛け算・割り算といった小学生の算数レベルで十分なのです。試験では多くの計算をこなす必要がありますが、電卓を使用できるので、解法に慣れてしまえば問題ありません。
簿記検定で問われるのはむしろ、記憶力や読解力。用語やルールをきちんと覚えること、問題文を正しく読み解き、覚えた内容に的確に当てはめられることが重要です。
簿記はどんな人が向いているの?
簿記検定に合格するには、地道な反復学習が必要です。限られた試験時間内に問題を解くためには、解法を身につける必要があるからです。暗記の要素も強く、コツコツと勉強を続けられる人の方が向いていると言えます。
また、実際の業務やビジネスに関連付けて勉強を進められる人は、モチベーションを保ちやすいです。理解が進むにつれて、勉強自体が楽しくなるというケースも。
独学でも合格できる?
日商簿記3級・2級は独学で合格を目指す人も多く、市販の教材も充実しています。まずは独学で始めてみるのがおすすめ。
とはいえ、誰もが独学でスムーズに合格できるとは限りません。特に出題範囲が広がる2級からは、高い自己管理能力や計画性、意志力が必要です。
着実に合格を目指すなら、早めにスクールや通信講座に移行するのもひとつの手段です。
簿記2級・3級は独学で合格できる?難易度や学習時間、勉強方法を徹底検証!
独学で一発合格を目指すならコレ!日商簿記3級の初心者向けおすすめ教材5選
日商簿記3級でも就職に有利?
日商簿記3級は小規模の株式会社を対象とした出題で、内容はあくまで入門編です。3級では就職や転職でもアピールしにくいのが実情。一定の専門性が認められるのは2級からです。
キャリアアップのために簿記を受けるなら、まずは2級合格を目指しましょう。
簿記は就職に有利?どんな職種で活かせる?気になるアレコレを解説
いきなり日商簿記2級を受けてもOK?
日商簿記は受験資格に制限はありません。3級→2級→1級とステップを踏まなくても、いきなり2級を受けることは可能です。3級と2級は午前と午後に試験時間が分かれているので、2等級を同日受験することもできます。
2級と3級は出題範囲が重複しているのだから、最初から2級を受けた方が効率が良いとの考え方もあるでしょう。
しかしながら、初心者がいきなり2級にチャレンジするのは容易ではありません。できれば3級でしっかり基礎固めをした上で、上位級へ進むことをおすすめします。
日商簿記の難易度はどのくらい?
資格を取るなら、難易度も気になりますよね。直近の日商簿記の合格率を見てみましょう。
2019年6月 | 2019年2月 | 2018年11月 | 2018年6月 | |
3級 | 56.1% | 55.1% | 43.8% | 44.3% |
2級 | 25.4% | 12.7% | 14.7% | 15.6% |
1級 | 8.5% | – | 9.0% | 13.4% |
基礎編とみなされている3級でも、合格率は50%前後。誰でも簡単に合格できる資格ではないことがわかります。等級が進むごとに合格率は下がり、1級となるとほぼ毎回10%を切っています。これは難関国家資格並みの合格率です。
簿記1級はなぜ難しい?2級との違いや勉強方法、おすすめの講座を大公開!どれくらい勉強すれば合格できる?
もちろん個人差はありますが、目安としては日商簿記3級で50~100時間、2級で150~200時間、1級は800~2000時間といわれています。
3級を受験する場合、1~3か月程度の余裕をもって準備したいところです。
スクールや通信講座はどこがおすすめ?
将来的に日商簿記1級や税理士などの上位資格まで目指したいという人は、実績のある大手校が安心です。教材や講師との相性もありますので、資料請求や公開講座などであらかじめ比較するとよいでしょう。
最近は、コンテンツを絞り込んだり、eラーニングやウェブ配信でコストを抑えた簿記講座も増えています。ご自身のニーズを整理し、優先順位をつけることで、最適な講座を選ぶことができるでしょう。
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簿記は勉強して損はない!迷っているなら始めてみよう
どんな業種・職種であっても、簿記と一切無関係ということはありえません。直接業務で使う機会は少なくても、勉強して無駄になることはないでしょう。
簿記を勉強すべきかどうか、迷っているなら始めてみませんか?1日でも早くスタートすれば、その分、アドバンテージになります。ぜひ、新たな一歩を踏み出してみて!