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上司
人気資格の日商簿記ですが、2級から1級へステップアップするのは、かなりのハードル。合格率は10%前後と高難度の国家資格並みです。独学で合格を目指すのは簡単ではありません。
今回は日商簿記1級にチャレンジする方のために、教材選びのコツとおすすめのテキストをご紹介します。
日商簿記1級 テキストの選び方
新人
日商簿記2級は商業簿記・工業簿記の2科目でしたが、1級はそこに会計学と原価計算が加わり4科目になります。テキストだけでも4~6冊ほどそろえる必要があります。まずは教材選びのコツを押さえておきましょう。
目的に応じてテキストを選ぼう
日商簿記1級は出題範囲が広いため、網羅的に勉強しようとすると、相当時間がかかります。業務のために簿記理論をしっかり学ぶ必要がある人と、できるだけ短期で合格を目指したい人では、選ぶべきテキストも異なります。
教材は簿記を勉強する目的に応じて選びましょう。
テキストは同一シリーズでそろえよう
日商簿記1級のテキストは、そのほとんどが6冊以上の分冊で販売されています。購入する場合は、同じシリーズで統一するのがおすすめです。
なんとなく読みにくいからと、あれこれ手を付けるのは混乱のもと。購入前に数冊を比較した上で、自分に合うと感じるものを選びましょう。
効率よく合格を目指したい人のための日商簿記1級テキスト2選
新人
まずは学習効率を優先したタイプのテキストをご紹介します。
日商簿記教材のベストセラー「スッキリわかる」シリーズ(TAC出版)
テキスト・問題集一体型:全8冊
数ある日商簿記の教材の中でも、幅広く支持されているベストセラーシリーズがコチラ。猫のキャラクター「ゴエモン」が登場するストーリー仕立ての解説と豊富な図解、専門用語に頼りすぎない平易な説明で、読みやすさにこだわっています。
日商簿記1級用のシリーズはテキスト・問題集が一体型で、知識を確認しながら読み進められます。商業簿記・会計学=4冊、工業簿記・原価計算=4冊、合計8冊のシリーズ。
わかりやすい反面、解説が物足りない、もっと深掘りしてほしいとの意見も。理論や背景をしっかり学びたい人は、より網羅的な教材を選んだ方がよいでしょう。
図解にて分かりやすく説明しているため、次から次へと学習できスムーズに進めることが出来ました。 Amazonカスタマーレビュー
内容が薄すぎて、このシリーズでは簿記1級の範囲をカバーしきれません。 Amazonカスタマーレビュー
図解やイラスト多用で抜群の読みやすさ「サクッとうかる」シリーズ(ネットスクール出版)
テキスト:全6冊/問題集:全6冊
「サクッとうかる」シリーズは、前述の「スッキリわかる」シリーズ同様、読みやすさにこだわった教材です。図解やイラストが豊富で、解説も簡潔。その分、やや情報量が足りないと感じる人もいるかもしれません。
テキストは、商業簿記・会計学で3冊、工業簿記・原価計算で3冊の合計6冊。それぞれのテキストと対になる問題集も販売されています。
分かり易い。このテキストを選んでよかったです。このサイズですと持ち運びも便利、一目で全体(2ページ分)が把握し易い。セクション毎の設問もちょうどよく、解答が直ぐに確認できるから、解答ページを探さなくていい。文字の大きさや行間なども具合よく、書き込みできるスペースもあるので使いやすい。 Amazonカスタマーレビュー
説明の仕方がとてもわかり易く、良かったです。教科書的なテキストも、噛み砕きすぎたテキストも合わない方におすすめしたい、スッキリしていて、わかりやすいテキストです。 Amazonカスタマーレビュー
しっかり学びたい人におすすめ!日商簿記1級テキスト2選
上司
経理など実務で簿記が必要な方や、税理士や会計士の資格を目指す方なら、より情報量の多い教材を選んだ方がよいでしょう。ここではそんな人におすすめのテキストをご紹介します。
資格スクールTACの公式テキスト「よくわかる簿記シリーズ」TAC出版
テキスト:全6冊/問題集:全6冊
資格スクール大手TACの簿記講座の公式テキストです。日商簿記1級の出題範囲を幅広くカバーし、詳細についての解説も充実しています。
ただしボリュームが多いため、時間のない人には不向き。講座で使用されるテキストのため、理論の理解に必要な前提や補足説明は省略されている部分が多く、不親切と感じるかもしれません。2級以前の知識が身についていないと、スムーズに学習が進まない可能性があります。
問題数はそれほどありませんが、解説が大変丁寧で分かりやすかったです。アウトプットはこれで十分だと思います。Amazonカスタマーレビュー
各社が出している簿記一級関連の書籍は、どれだけ薄くても2000円は下らない中、この厚さでこの値段は非常にコスパが良いと思います。ただし、厚みが凄い分、問題を解くときに少し不便です。解答・解説は分かりやすくて、問題に対しての総括・感想なんかも参考になりました。Amazonカスタマーレビュー
知識の整理に役立つ!「大原の簿記シリーズ」(大原簿記学校)
テキスト:全6冊/問題集:全6冊
TACと並ぶ人気資格スクール、大原簿記学校によるテキスト。広い範囲を網羅していますが、要点が簡潔にまとまっていて、情報量の割にはコンパクトな教材です。ある程度、簿記の知識が定着している人や、普段から経理などの実務に携わっている人にとっては、学習が進めやすい構成です。
一方で、詳細な解説が必要な人には不向きといえそうです。
詳しく記載していて、大変分かりやすいです! Amazonカスタマーレビュー
いろいろ見比べたら、これが分かりやすくて安くて、良かった。。 Amazonカスタマーレビュー
番外編:理解を助ける副読本
日商簿記1級の試験対策用テキストではありませんが、読んでおくと簿記理論の理解に役立つおすすめの1冊をご紹介します。
実務でも役立つ1冊「図解&設例 原価計算の本質と実務がわかる本」(中央経済社)
原価計算の解説書。実務家の視点から、理論を簡潔に整理して解説していますので「原価計算とはなにか」についての理解が進みます。実務でも役立つ内容なので、業務上の必要から簿記を学んでいる人には、とくにおすすめです。
原価計算については通りいっぺんの会計の知識を並べた類書が多いが本書は見積りを作成するにあたりどのように原価を出すのかを例を交えて解説しており、たいへんわかりやすいし、詳しい。工場勤務の調達、営業関係の製造業の人にとっては実務に役立つ1冊といえる。 Amazonカスタマーレビュー
実務の現場を例にとり、計算の意図などを漏れなく解説されています。最近では簿記1級でも実務的な側面の回答を要求することが出ていますので、こちらの書籍で対応できそうです。入門書を読み終えた先の優れた書籍です。 Amazonカスタマーレビュー
独学が難しい場合はスクールへ!
日商簿記1級の独学チャレンジは、2級とは比較にならないほど難易度が高いです。テキストを手に取ったものの、限界を感じた場合は、早めに通信講座やスクールの利用に移行することをおすすめします。
簿記講座はどう選ぶ?大手&注目10校の特徴・口コミをタイプ別に比較!