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日商簿記は誰でも受けられる検定の定番ですが、1級となると簡単には合格できません。2級に合格しても、1級へのチャレンジは躊躇する人が多いのではないでしょうか。
今回は、簿記1級を取ることのメリット、難易度の理由や勉強方法について検証します。1級へのチャレンジを迷っている方は、ぜひ参考にしてください!
日商簿記1級はどんな資格?取得するメリットは?
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日商簿記1級の合格率は、実施回によって多少前後するものの、毎回10%前後で推移しています。これだけでも、他の難関資格にひけをとらない難しさと言えるでしょう。合格するには、相当の準備が必要です。
そもそもどんな試験なの?難しい理由は?苦労して合格を目指すメリットはあるの?ここでは、日商簿記1級についての素朴な疑問にお答えします。
日商簿記1級の試験は年2回
日商簿記1級は6月と11月。2級までは年3回であるのに対し、1級は年2回で、もともと受験のチャンス自体が1回少ないのです。
配点は4科目×25点=100点満点で、合格ラインは70点。ただし1科目でも10点未満の場合は、合計で70点を超えていても不合格です。
試験時間は180分。出題範囲の広さに反して短時間なのも特徴的です。網羅的な学習が必要な割には、出題されるのはごくわずかと言えるでしょう。
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日商簿記1級の出題範囲は広くて深い
日商簿記2級の出題範囲は、商業簿記と工業簿記。1級はこれに原価計算と会計学が加わります。2級が仕訳や財務諸表の作成など、実務に即した内容を学ぶ一方、1級では体系的・理論的な理解が必要です。経理の実務家でも、なかなか満点は取れないと言われることからも、その難しさが想像できるでしょう。
また1級の試験は、相互に関連した問題が増えるのも要注意ポイント。1問目で間違えると、続く問題でも正しく解答できないという構成になっています。要は部分点が稼げないということ。短時間でいかに正確な回答を出すかが問われます。
希少性&専門性が高いから、キャリアチェンジに有利
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簿記1級の合格には、大企業の経理レベルの知識が必要です。合格することで、一定の学歴や職歴要件が必要な税理士の受験資格が得られます。つまり、それだけ専門性の高さが認められる資格なのです。
簿記を学べば、社会やビジネスの仕組み、お金の流れを正しく把握するスキルが身に付きます。会計分野のプロを目指す方はもちろん、将来企業や独立を考えている人にもおすすめです。
大人になってから簿記にはまった。気がつけば黙々とやってしまう。
ルール通りに何かをするフレンズには、ちょーおすすめ。
簿記1級まで取ると学歴なくても税理士の試験が受けられるよ!
— 岩国怜@心理士 (@iwakunily) March 23, 2019
簿記1級合格に必要な学習時間は?
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どれくらい勉強すれば合格できるのか?は、検定を受けるなら誰でも気になるところ。もちろん個人差はありますが、仕事の合間に時間を捻出しなければならない社会人なら、相応の準備が必要です。
準備期間は通常1年以上
簿記1級の合格に必要な学習時間は、800時間から2000時間とも言われます。仮に毎日、2時間ずつ勉強できたとしても、1年以上はかかる計算です。忙しい人にとっては、これだけで相当な負荷と言えますね。
「簿記1級に合格するために、どれくらいの勉強時間が必要ですか?」と質問されることがありますが、分かりません!…と言うのも、私は勉強の量よりも、勉強の質の問題だと思っているからです。実際、勉強のしかたがまずければ、1000時間勉強しても2000時間勉強しても、合格は難しいです。
— 簿記一級、一発合格の秘訣! ★才★ (@saihayato) October 8, 2019
独学チャレンジは高難度!スクール利用がおすすめ
1年以上、場合によっては年単位での学習継続が必要な簿記1級。これだけの期間、コツコツと勉強を続けるのは、容易ではありません。モチベーションの維持や学習効率の面でも、独学は正直おすすめできません。
1級にチャレンジするなら、通信・通学講座を利用した方が効率的です。スクールなら、カリキュラムに沿って学習を進めれば、着実に合格に近づけます。独学で陥りがちな誤った知識の定着や、疑問点の解決に時間を取られるリスクを大幅に減らすことができます。
もちろんコストはかかりますが、将来のキャリアアップへの投資と考えてみては?決して高くはないはずです。
この先1級を受けるつもりがある場合は、2級レベルの根本的理解がないとかなり厳しいと想像する。1級のテキストの量からすると、さすがに独学では能力と時間がなければ無理そうだし、自分には挑戦する選択肢はないな‥。
— 麦野 (@kozakurang) October 3, 2019
簿記1級受験におすすめの通信・通学講座は?
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大半の資格スクールが、資料請求や説明会、公開講座などを無料で行っています。気になる講座があれば、入念にチェックし、比較した上で選びましょう。ここではおすすめの講座をいくつかご紹介します。(※受講料は税込)
簿記講座はどう選ぶ?大手&注目10校の特徴・口コミをタイプ別に比較!
実は結構違う⁈簿記スクール大手5校の通学講座を徹底比較!
万全のサポートと豊富なコース設定「資格の学校TAC」
通学 | Web通信 | DVD通信 | |
合格本科生(1年/1.5年/9カ月) | 204,300円 | 192,300円 | 249,500円 |
全国に拠点を持つ資格スクール大手のTAC。簿記1級講座は、通信・通学どちらも選択可能です。自習室の開放や、通信講座受講生のスクーリング利用など、拠点の多さを生かしたサポートサービスも豊富です。
メインの「合格本科生」の他、再受験者向けの講座や、弱点強化のためのオプション講座など、豊富なコース設定が魅力。独学や他スクールとの併用がしやすいのもポイントです。
TACの簿記講座の特徴やメリットは?口コミ、受講体験もチェック!
常勤講師による丁寧な指導「資格の大原」
通学 | Web通信 | DVD通信 | |
1級合格6カ月 | 152,200円 | 124,700円 | 163,900円 |
同 9カ月 | 178,700円 | 146,500円 | 185,700円 |
同 12カ月 | 199,100円 | 165,000円 | 204,200円 |
TACと並ぶ人気校、大原もおすすめ。開講数やサポートの手厚さは、TACに引けをとりません。どちらか迷ったら、実際に現地を見学したり、教材サンプルを比較して、相性の良い方を選ぶと良いでしょう。
大原の講師は基本的に常勤なので、講義時間外でも直接質問しやすい環境が整っています。親身な指導は、受講生に好評です。
通信でも挫折しにくい仕組みが充実「クレアール」
Web通信 | オプションDVD | |
1級目標パック(約135時間) | 105,000円 | 25,000円 |
Web通信講座のクレアールは、スマホやタブレット、PCなどマルチデバイスで視聴できる講義映像・音声がメイン教材。合格に特化した効率のよいカリキュラム・学習法を提唱しています。
専任の担当者によるアドバイスや、メール・電話での質問受付、最大1年のサポート期間延長など、手厚い支援体制も魅力です。
ライブ講義とオンデマンド講義で効果的に学ぶ「ネットスクール」
Web通信 | |
1級標準コース(1年) | 129,300円 |
1級速習コース(6カ月) | 107,900円 |
Web通信のネットスクールは、オンデマンドとライブ配信を組み合わせた講義動画がメイン教材です。ライブ講義では、チャットで講師に直接質問もOK。通信講座ながら、通学に近いクオリティの講義を受講することができます。
講義で使用される教材も、人気が高く、独学から移行する人も少なくありません。
それでも独学にチャレンジしたい!勉強方法やおすすめ教材は?
どんな難資格でも、独学で合格する人もいますので、簿記1級も不可能ではありません。大変なのは承知の上で、あえてチャレンジしたいという人もいるでしょう。
ここでは、独学の場合の勉強のコツや、おすすめ教材をご紹介します。
テキスト・問題集の反復学習が基本
簿記1級も他の資格学習同様、テキストと問題集をコツコツとこなすのが基本です。ただし、簿記2級と比較しても、格段に学習ボリュームが増えますので、進め方にはコツがあります。
自分に合った教材を選ぶ
人気の市販テキストは、内容に大きな違いはありません。自分にとって使いやすいかどうかを基準に選びましょう。レイアウトが見やすい、持ち運びしやすい、書き込みがしやすいなど、どんなポイントでも構いません。
長期戦になる分、使うこと自体がストレスになりにくい教材を選びましょう。書店で実物を手に取ったり、ウェブ上のサンプルを比較すると良いでしょう。
知識のアウトプットに比重を置く
効率的に学習を進めるには、知識のインプットより、アウトプットに比重を置くことを意識しましょう。
テキストをある程度読み進めたら、完璧に理解できなくても、早めに問題集に移行しましょう。数多くの問題にあたることが検定対策には有効です。
過去・予想問題、公開模試を活用しよう
簿記1級は試験当日の時間配分も重要です。短時間で効率よく回答するテクニックを身に着けるには、実践的な問題に慣れておくのが近道。過去問や予想問題集などを活用しましょう。
大手資格スクールの公開模試の利用もおすすめです。コストはかかりますが、本番さながらの環境で回答できるので、直前対策に効果的です。
簿記2級から1級に進む人が出てきてますなぁ?
独学でやるのであれば、市販のテキスト5回転くらいして問題集も一通り終わらせるまでが半年くらい
ここからさぁ過去問どのくらい取れるかと思い意気揚々とやって、10点というのが極めて普通?
ここまでが1級入門編だと思うので、ここで諦めないで?
— ん (@cvp1111) June 29, 2019
独学におすすめの教材2選
ここでは独学におすすめの教材をご紹介します。今回は、実際に学習者の支持が高いだけでなく、出版元の講座で使用されている教材をピックアップしました。
独学に行き詰まった時は教材費を除いた受講料で移行できるので、参考にしてください。
基礎→応用で理解が進む「とおる簿記シリーズ」(ネットスクール出版)
ネットスクールの日商簿記1級講座で使用されている教材シリーズです。商業簿記+会計学、工業簿記+原価計算、それぞれテキスト・問題集3冊ずつの合計12冊。
テキストは無理なく理解が進むよう難易度順の章立てで構成されています。そのわかりやすさから、多くの独学者に支持されています。
よりコンパクトにまとまった教材が好みなら「サクッツとうかるシリーズ」がおすすめ。こちらも独学者に人気です。
本シリーズは分厚く、デカい変わりに「なぜこのような処理をするのか?」というところに多くの分量が割かれており、大変分かりやすい。誰も教えてくれるような環境がない場合は、本書がかなり役立つことと思う。https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3F9O3E9F5ET78/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4781031498
的を絞って効率的に学ぶなら「TAC簿記の教室シリーズ」(滝澤ななみ・鈴木隆文著/TAC出版)
大手スクールTACの人気シリーズ。こちらは、独学者向け特別カリキュラム「独学道場」で使用されているテキストです。商業簿記+会計学、工業簿記+原価計算で、テキスト・問題集がそれぞれ3冊ずつの合計12冊。
図解やイラストで、視覚的にも分かりやすい工夫がなされています。検定合格に的を絞っているため、解説がやや簡潔すぎるとの声も。網羅的にしっかり勉強したい方は、同社の「よくわかる簿記シリーズ」もおすすめです。
とてもわかりやすいです。
ただ、やはりある程度の基礎が十分に理解できていないと大変厳しいと思います。また、テキストだけやってもあまり意味ないので本気で勉強する方は合わせて問題集をご購入されると、良いです。https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/RWWZ1DEFB3IQA/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4813250874
日商簿記1級はチャレンジする価値あり!
日商簿記1級の合格には、長期の取り組みが必要です。時間を捻出し、勉強へのモチベーションを維持し続けるのは、並大抵のことではありません。そうした苦労を乗り越えて身についた知識やスキルは、きっと将来の糧になるはずです。
決して簡単ではありませんが、チャレンジする価値のある資格です。迷っているなら、まずは勉強を始めてみませんか?