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SWOT分析のやり方を具体例とともに解説!企業・個人が使える便利なフレームワーク

1.SWOT分析の効果

あなたの環境を分析し、チャンスを生かし、ピンチを克服

あなたのまわりには、必ずピンチとチャンスが転がっています。チャンスを見逃さずに行動できる人や、ピンチを克服する力がある人は、人生が良い方向に向いていくはずです。

それは企業についても同じであり、自らをとりまく「環境」について分析することは非常に大切です。

●チャンスを活かすために役立つ『強み』はある?
●ピンチを乗り越えたいけど…『弱み』となることはある?

SWOT分析では、このような考え方で戦略を打ち出すことができるようになります。企業の現状とビジネス機会を明らかにすることで、計画や意志決定に必要なヒントが得られるのです。

SWOT分析は、マーケティングや経営に携わる人はもちろんのこと、個人の診断にも使えちゃう便利なフレームワークです。今回は基本から実践までお伝えするので、ぜひスキルとして習得してみてください!

2.SWOT分析とは

SWOT分析とは、自社(自分)をとりまく環境を分析するためのフレームワークであり、次の4つの言葉の頭文字をとっています。

S:強み(Strength)
W:弱み(Weakness)
O:機会(Opportunity)
T:脅威(Threat)

「SWOT」の読み方は、「スウォット」または「スワット」です。4つの要素について、「内部環境」と「外部環境」に分けて分析を行っていくことが基本になります。

内部環境・外部環境という言葉はちょっと難しそうな印象を受けますが、次のように置き換えるとわかりやすいですよ。

内部環境=自分でなんとかできる要因(サービス、品質、価格など)
外部環境=自分ではどうにもできない要因(法律、トレンド、経済状況など)

内部環境には自社(自分)の「強み」と「弱み」があり、外部環境には「機会」と「脅威」があります。どちらもプラスとマイナスの要素があるので、下の図のように2×2のマトリクスで整理されています。

強みと弱みはその名の通りですが、機会は「チャンス」、脅威は「ピンチ」という言葉に置き換えるとイメージがわきやすくなるでしょう。SWOT分析では、この4つの要素に自社(自分)の環境を当てはめて考えていくことが基本となります。

SWOT分析_基本の図解

●クロスSWOT分析とは?

SWOT分析では4つの要素に分けて環境を整理しますが、ここまでやっただけでは戦略を立てることができません。

常に強みと機会(チャンス)しかない状態なら最高ですが、実際にはそうもいかないですよね。強みもあるけど脅威もある、機会はあるけど自社に弱みがある…。さまざまな状況が考えられるので、それに合わせて戦略を立てていかなくてはなりません。

そこで、「クロスSWOT分析」というものが登場します。クロスSWOT分析では「強み」「弱み」×「機会」「脅威」の組み合わせで戦略を考えていきます。2×2のマトリクスでクロスさせた組み合わせで考えるので、クロスSWOT分析と呼ばれているのですね。

クロスSWOT分析では、これらの組み合わせによって、とるべき戦略がある程度決められています。

1.強み×機会→『積極化戦略』

強みも機会もあるときは、積極的な攻勢をかけるのに最適。自社・自分の強みを投入する戦略に。

2.強み×脅威→『差別化戦略』

強みと脅威があるときは、自社・自分の強みを活かして差別化を図り、脅威を切り抜ける戦略に。

SWOT分析_強み×脅威

3.弱み×機会→『段階的施策』

弱みと機会があるときは、まずは自社・自分の弱みを克服して、段階的に施策を進める。

SWOT分析_弱み×機会

4.弱み×脅威→『専守防衛・撤退』

弱みも脅威もあるときは、最悪の事態を避けるためにできることをする。弱みを克服して現状維持を図るか、撤退する方向に

SWOT分析_弱み×脅威

このパターンに当てはめて考えることで、あなたが今どんな戦略を立てれば良いのか道筋がみえてきます。

外部環境については自分の力ではどう頑張っても変えることができないので、強みを活かすor弱みを克服することによって、内部環境からアプローチするのが一般的です。

●SWOT分析の創始者は「アルバート・ハンフリー氏」

強みや弱み、機会や脅威という分類で考えていく方法は昔からありましたが、スタンフォーと大学のアルバート・ハンフリー氏がより洗練されたものにしたとされています。1965年に出版されたビジネス本にSWOT分析が紹介されていて、「これはわかりやすい!」と多くの人が飛びつきました。

3.事例:自分をSWOT分析してみた

先述の通り、SWOT分析では<内部環境と外部環境>における<プラス要因とマイナス要因>に分けて環境を分析していきます。実際にやってみなければわからない部分もあると思いますが、まずはなんとなくイメージを持っていただければ、それで一歩前進ですよ!

より具体的なイメージをお伝えするべく、ライターをしている筆者が「自分をとりまく環境」についてSWOT分析してみることにしました。

■筆者のプロフィール

年齢:20代
性別:女性
職業:ライター
前職は医療関係。現在は個人事業主として在宅ワークでWEB記事の執筆等を行っている。クラウドソーシングはあまり使っていないが、WEB記事の需要が増して取引が活発になっているらしい。この仕事を始めてから、かれこれ2年ほどが経つが、特に宣伝などはしていない。趣味はペットの飼育・旅行・語学。

このようなプロフィールの筆者ですが、「個人についてSWOT分析してみたらどうなるのか!?」というテーマで、実際に分析を行ってみました。自社について分析するときと手順は同じなので、これでイメージをつかんでみてください。

SWOT_分析 筆者プロフィール分析

自分の仕事環境について改めて分析してみるとこんな感じになりました。実際にはもっとたくさんの要因について記入すべきなのですが、今回は例としてシンプルに要因を埋めてみました。

ここに挙げた要因をふまえて、クロスSWOT分析をしてみた結果、私は「次のような戦略を立てれば良いのでは?」と考えました。

強み×機会 積極化戦略 クラウドソーシングを使って、医療の資格があるという強みを活かし、需要が高まっている今のうちに新規クライアントを得る。
強み×脅威 差別化戦略 AIの脅威に備え、自身のリアルな経験を活かせるテーマを受注する。ユニークな記事を書いて差別化を図る。
弱み×機会 段階的施策 WEB記事の需要が高まっていることはチャンスなので、ポートフォリオを作成し、営業の場がないという弱みを克服する。
弱み×脅威 専守防衛・撤退 ワンマン営業なので、AIの脅威に備えておく必要がある。ライバルに勝つ力をつけるため、単純作業のような仕事からは撤退する。

正直、これまで私は何も深く考えずに(?)、日々の仕事をこなしているだけでした。こうやって整理してみると、今の自分にはどんなチャンスとピンチがあり、それに対してどんな強みと弱みがあるのか、状況を整理できました。

このように環境について整理しながら戦略を立てられることが、SWOT分析の魅力ですね。企業だけでなく、個人の分析にも使えるという話は本当でした。

4.SWOT分析のやり方

SWOT分析のやり方は意外とシンプルで、工程が多い作業にはなりません。次の2つのSTEPに沿って実践すれば、初めてトライする人でもそれらしい形にはなるはずです!

●STEP1:まずは自社(自分)の環境を書き出して分類

まずはあなたの環境について箇条書きで書き出してみましょう。それを「強み」「弱み」「機会」「脅威」にカテゴリ分けしていきます。このとき、外部環境の分析から始めることが一般的です。外部環境が内部環境に影響を与えることがあるためです。

具体例:
・円高で材料のコストが下がっている→機会
・若者の消費が低迷している→脅威
・発想やアイディアに長けた人材が多い→強み
・競合企業よりも技術面で劣る→弱み

●STEP2:各組み合わせを考えてクロスSWOT分析をする

STEP1で洗い出した要因を、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」という4パターンで組み合わせていきます。このパターン別に状況を文章化しながら戦略を考えていきます。

具体例:
下の表のような組み合わせで、自社(自分)が立てるべき戦略について文章化していけばOKです。文章化の例も参考にしてみてください。

強み×機会 積極化戦略 マーケティングに強い人材が多く、原材料コストが下がってチャンスが到来しているので、製造量を増やす。
強み×脅威 差別化戦略 競合企業よりも技術面で劣るが、発想やアイディアに長けた人材が多いので、キャッチーな広告を出す。
弱み×機会 段階的施策 原材料コストは下がっているが、技術力で劣るため、社員の教育や新技術の開発に力を入れる。
弱み×脅威 専守防衛・撤退 若者の消費が低迷しているが、すぐに新製品を打ち出す技術はないので、マーケティングで打開する。

このようにクロスSWOT分析まで行うと、「使えるフレームワーク」になりますよ!最終的にはなんらかの戦略を発見することを目標としてみてくださいね。

5.実戦形式:SWOT分析をしてみよう

ここまでの情報から、SWOT分析を行う手順についてある程度イメージが持てたことでしょう。しかし、今回学んだことを実践で試していくプロセスはとても大切です。

いきなり自社(自分)の分析から始めてもOKですが、ここでは一つ練習問題を用意してみました!

お題:「介護施設」を自社と想定したSWOT分析

【SWOT分析のヒント】

・高齢者の数が増えてきており、需要は増している。
・質の高いサービスを求める利用者が増加している。
・介護業界では利用者の争奪戦が起きている。
・介護スタッフの人材確保が難しくなっている。
・介護スタッフの入れ替わりが多い。
・ケアマネージャーに施設の良さを認知してもらえていない。
・施設の立地が悪く自家用車でアクセスしにくい。
・送迎バスを1日に5便出している。
・足湯の設備が好評である。
・希望者には個室を提供することができる。
・ホームページやチラシなどを使った集客はしていない。

これらの情報をもとに、SWOT分析をしてみると、どんな戦略を立てるべきなのか方向性が明確になります。一般企業で働いている方にとっても、SWOT分析の「考え方」を学ぶうえでは使える練習問題なので、下記のテンプレートを使ってぜひトライしてみてくださいね!

テンプレートはこちら>>

6.チャンスを生かし、ピンチを乗り越えるヒントを探ろう

SWOT分析を使って強みと弱み、機会と脅威に分類していくと、企業や自分の環境にどんなチャンスとピンチがあるのかを整理することができます。社会人ならば知っておきたいフレームワークの一つなので、ぜひこの機会に習得しておきましょう!

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