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アウトソーシングの本当の意味は?外注・BPOとの違いや活用目的まで徹底解説

アウトソーシングとは

アウトソーシングとは、「外部委託=業務の一部を、社外の人や組織に依頼すること」を意味しています。企業が本業に注力できる環境を整えるため、本来であれば社内で対応していた作業や新たに必要な専門性の高い仕事を、アウトソーシングによって補うことを目的としています。

一部の業務を外部の専門事業者に依頼することで、業務の効率化と会社全体のコスト削減が可能なります。また、アウトソーシングは必要な業務が発生したタイミングでフレキシブルに仕事を依頼することができる点も魅力の1つです。

アウトソーシングの本当の意味を解説

語源は「外部の資源を活用する」

アウトソーシングという言葉は、15年程前から日常的に使用されるようになりました。語源は「out(外)」と「sourcing(資源利用))」が組み合わされてできた外来語で、直訳すると「外部の資源を活用する」ことがアウトソーシングの本来の意味になります。

アウトソーサーとは?

アウトソーシングには、仕事を依頼する「委託企業」と仕事を受ける「受託企業」が存在し、基本的に「アウトソーサー」とは「受託企業」のことを指します。

本来であれば言葉の成り立ちから「委託企業=アウトソーサー」「受託企業=アウトソーシー」と呼ぶべきですが、慣習的に受託企業のことを「アウトソーサー」という言葉で使用されることが多いようです。

「アウトソーシング」と「外注」「請負」の違いは?

外部委託と言ってもビジネス上、「アウトソーシング」「外注」「請負」など、さまざまな言葉で表現されます。中でも「アウトソーシング」は、【期待=依頼側の要望以上のパフォーマンス】を相手に対して求める場合に使用されるケースが多いようです。

つまり、依頼した仕事だけではなく、業務の分析や提案、意見交換など、仕事上のパートナーとしてビジネスを依頼する気持ちが込められているのです。

アウトソーシングの対義語はインハウス

アウトソーシングの対義語はインハウス。「インハウス」とは直訳すると「家の中」という意味ですが、ビジネス業界では「社内の人員によって業務を運営・完結させること」を意味します。

特に、アウトソーシングを活用することの多い業務を社内で対応している担当者は「編集者=インハウスエディター 」「デザイナー=インハウスデザイナー」「弁護士= インハウスローヤー」「宣伝広告担当=インハウスエージェンシー」とも呼ばれています。

★セットで覚えたい!「インハウス」と「インソーシング」の違いは?

アウトソース(外部委託)することを「アウトソーシング」と呼ぶのに対し、インハウスは「インソースング」じゃないの!?と疑問に感じた方もいるかもしれません。

前述でお話した通り、社内で業務を運営することを意味する「インハウス」に対し、「インソーシング」はアウトソーシングしていた企業が再び自社で業務を運用することを指します。少しややこしいですが、この違いを覚えておくと会話の理解度も深まるのでおさえておきましょう!

例文:今期はコールセンターのアウトソーシングにかかるコストが大きかったので、来期はインソーシングに切り替えよう!

アウトソーシング3つの種類:「オンショア」「ニアショア」「オフショア」

アウトソーシングは、依頼先(アウトソーサー)の拠点・地域の違いによって、「オンショア」「ニアショア」「オフショア」の3種類に分類さられます。それぞれの違いを理解して、メリット・デメリットをしっかり把握していきましょう!

①オンショア(オンショアリング)

アウトソーサー先の拠点が、自国内である場合に使用されます。オンショアのメリットは、母国語を話す人々とコミュニケーションを取ることができるため、緊密に協力し合いながらスピード感を持って業務を進めることができます。

デメリットとしては、拠点先によって違いがあるものの、コスト削減が難しいことが挙げられます。

メリット
・コミュニケーションが取りやすい
デメリット
・コスト削減が難しい

②ニアショア(ニアショアリング)

アウトソーサー先の拠点が、自国から比較的近い国(日本であれば中国など)の場合に使用されます。ニアショアのメリットは、文化や歴史的背景が共通している点や、時差が少ないため出張も手軽であること。

デメリットとしては、劇的なコスト削減ができず、地域によっては人口も少ないため、大規模な案件は不向きです。

メリット
・コミュニケーションのギャップが少ない
・時差が少ない
・出張が手軽
デメリット
・劇的なコスト削減が難しい
・地域によっては人手が必要な案件に不向き

③オフショア(オフショアリング)

アウトソーサー先の拠点が、ニアショアよりも距離が離れた国(日本であればインドネシアなど)の場合に使用されます。オフショアのメリットはコストが劇的に安い点や多言語に対応しやすいことが挙げられます。

デメリットとしては、コミュニケーションギャップや時差 の違いなどが挙げられます。

メリット
・コストが安い
・多言語の対応に向いている

デメリット
・コミュニケーションギャップのリスク
・時差や休日など、生活リズムの違い

アウトソーシングのメリットとデメリット

アウトソーシング5つのメリット

メリット①:人件費のコスト削減

人材の採用、教育コスト、退職金や福利厚生などの費用を削減することが可能に。

メリット②:固定費の変動費化

社員を増やさず、契約期間内の一時的な費用のみが発生するため、売上や景気に対してフレキシブルに対応することができます。

メリット③:メイン業務への取り組み強化

単純作業などの一部の業務をアウトソーシングすることで、新規事業や新しい企画など、社内全体が企業成長へと繋がる取り組みに集中できるよう環境を一気に整備することができます。

メリット④:高い専門性とコアコンピタンスの強化

専門知識や経験を持つアウトソーサーとの提携により最新の知識とスキルを保ち、「コアコンピタンス=他社の追従を許さない優れた能力」の強化に繋がります。

メリット⑤:属人化の防止

業務が特定の誰かにしか分からない状態を回避し、業務量や責任の分散&素早くPDCAを回すことができます。

アウトソーシング5つのデメリット

デメリット①:ノウハウの蓄積が難しい

業務を社外に委託することで、社内での実務経験のある人材の確保やノウハウの蓄積が難しいことが挙げられます。

デメリット②:情報漏洩のリスクがある

アウトソーシングは、必然的に個人情報などの重要なデータを共有するため、外部に情報が流出してしまう可能性があります。事前にセキュリティチェックや契約内容確認することが大切です。

デメリット③:業務を標準化する作業の手間

メリット⑤でご説明した業務の属人化を防ぐために、誰が見ても分かるように業務内容を整理して「標準化」する必要があります。アウトソーシングに取り組む前の準備で社内負担が大きくなる可能性があるのです。

デメリット④:ガバナンスの弱化

業務の進捗をリアルタイムで把握することが難しく、業務の効率化のアップや底上げをするためにどのようにコントロールしていくべきかの判断がしづらいという問題があります。

デメリット⑤:費用がかかりすぎる場合がある

アウトソーシングは必ずコストの削減ができるわけではありません。あらかじめ組織の全体像をは明確にし、どの部分をアウトソーシングするかを見極めてから取り組むことが重要です。

アウトソーシングの正しい使い方・例文

例文①:システム開発はアウトソーシングを活用しよう!

専門家にアウトソーシングを依頼するケースです。今から社内で開発チームを立ち上げるには時間もお金もかかる…そんな場面の一コマ。

例文②:Aさんの他に把握できている人はいないの?アウトソーシングで体制を整えましょう。

業務の属人化を防ぐケースです。優秀な技術や知識を持っている人物が社内にいても、他の人が把握できていなかったら意味がありません。そんな場合にもアウトソーシングは活用されています。

例文③:単純作業が多いので、アウトソーシングを導入する必要があると思います。

メイン業務の取り組み強化のためにアウトソーシングを活用するケースです。単純作業を排除して、企業成長に向けて本来やるべき業務に時間を割くことを目的としています。

アウトソーシングする際の注意点

依頼する業務は丸投げにしない

依頼する相手は会社の事業を深く理解していない外部業者 なので、「丸投げ」にはぜず依頼する業務内容をお互い明確にするようにしましょう。

社内でのチェック体制は整えておく

専門性の高い業務を依頼していたとしても、整合性のチェックや前回との比較など、最低限の確認ができる体制は整えておきましょう。様々なリスクを防ぐだけではなく、自社に主導権・決定権があることを意識づけることにも繋がります。

また、確認作業を通してある程度のノウハウを社内に蓄積することも可能です。

複数の企業に見積もりだけはとっておく

依頼側の専門領域ではない業務をアウトソーシングする場合、相場の把握が難しく、金額の目安が分からずに契約してしまう場合があります。まずは複数社に見積もりを要求し、費用の比較をするように心がけましょう。

また、各企業の費用にバラつきがある場合、発注する側とアウトソーサー側の業務内容の捉え方にズレが生じている場合があるので、依頼内容を明確に伝えることも意識する必要があります。

アウトソーシングと似ているけど違う意味のビジネス用語

ビジネス用語ではアウトソーシングと似ている様々な委託形態が存在します。委託形態には主に以下のようなものが挙げられます。

派遣

アウトソーシングと派遣の違いは「求めるモノ」に違いがあります。アウトソーシングは業務そのものを切り出して「業務を依頼」するのに対し、派遣とは必要なスキルを持った人材を人材派遣会社から社内に派遣してもらうことを指します。

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

アウトソーシングとBPOは委託する「業務の範囲」に違いがあります。

アウトソーシングは「業務の一部」や「専門性の高い業務」を依頼するのに対し、BPOは人事や総務、経理業務などのバックオフィス業務や、単純作業や事務処理など業務全体をまとめて外部に依頼することを指します。

シェアードサービス

シェアサービスはBPOとよく似ています。BPOとの大きな違いは、「委託先」にあります。BPOは外部の委託業者、シェアサービスが委託先がグループ会社の場合に使用されます。

クラウドソーシング

アウトソーシングは個人企業に関わらず、依頼側が専門業者を選んで仕事を委託するのに対し、クラウドソーシングはインターネット上でクラウドソーシングサイトに登録し、1つのプロジェクトに関して作業をしてくれる人材を不特定多数の人に向けて募集するプロセスのことを指します。

クラウドソーシングの台頭

これまで、社員同士が会社に集まって仕事をする集約型就業形態や1つの会社で定年まで働く一社終身雇用の形が一般的でしたが、形態は変わりつつあります。その代表的なものがクラウドソーシングです。

クラウドソーシングの需要が急増している背景として、アマゾンを始めとするメガ・クラウドサービス(インターネットを通じてコンピューター資源を利用するサービス)の普及が考えられるといわれています。

ネットを通じて不特定多数の人に仕事を発注する手法は、受注側にとって働く場所や時間に高速されないため、若い世代や主婦、退職者などを中心に広がりを見せています。

賢いアウトソーシング活用領域

高度な専門業務(人事・法務・会計・情報システム関連)

専門的な知識を持った、つまりその分野に精通している人への業務依頼は、自社で業務を行なうよりも効率的でコストも削減できるため、人気の活用領域とされています。

社員教育・研修

企業を成長させるためには、社員教育は欠かせません。社員教育はを内製化するには、まず社内から講師となる人材を育成する必要があります。

効率的に効果のある社員教育を継続的に実施するためにも、研修を専門にしたアウトソーシング活用はとても有効です。

事務・受付業務(総務・経理)

ITの技術が進化したことで、事務作業も機械的に処理することが可能になってきている中で、人手を必要とする事務作業は絶えることはありません。

また近年では、ホスピタリティーの高さや多言語を話せるなど、業務スキルの高い受付スタッフの需要も高まっており、希望に応じた人材を派遣してもらうことも可能です。

コールセンター・ヘルプデスク

近年、コールセンター業務をアウトソーシングする企業が増えてきています。なぜなら、自社でコールセンターを立ち上げるとなると、場所、パソコン、事務机などの確保や人材の育生など手間やコストが必要になります。

これをアウトソーシングすることで、これらのイニシャルコストが不要になるのです。

これからのアウトソーシング

さまざまな企業がアウトソーシングを利用している中で今後重要視されるのが、アウトソーシング業者へ適切な依頼を出す「社内体制の構築」にあるにではないでしょうか。

委託業務を管理する担当者を社内に配置し、各部署と連携を取りながら、どのような業務をアウトソーシングするか、必要性はあるのかを検討し迅速に対応する人材を育てるこそが、より効率的な業務体制を整える近道となり、企業の急成長へと繋がることでしょう。

アウトソーシングを知り、上手に活用できるように!

アウトソーシングは、コストの削減や人手不足を補う効率的なプロセスとして、活用領域も幅広い業種へと拡大してきています。

きっとあなたが普段こなしている業務の中でも、アウトソーシングが活用できるシーンがあるのではないでしょうか?ビジネスを行なう上で身近になりつつあるアウトソーシング。有効的に利用するためにも、アウトソーシングのメリット・デメリットをしっかり心得ておきましょう!

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