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生命保険協会が主催する業界共通試験のうち、営業職や代理店の社員にとって最終ゴールとなるのが生命保険大学課程です。今回はその概要や難易度、受験する意義や合格対策について解説します。
生命保険大学課程とは?
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ここでは生命保険大学課程試験の趣旨や特徴、難易度を解説します。
営業職・代理店向け最難関の業界共通試験
生命保険大学課程は、応用課程の合格者を対象とする試験です。営業職や代理店社員向けの業界共通試験のうち、最難関のレベルに当たります。
質の高いファイナンシャル・プランニング・サービスを提供するために必要な生命保険と関連知識を習得することが目的で、合格すると「トータル・ライフ・コンサルタント(生命保険協会認定FP)=TLC」の称号が得られます。
難易度は応用課程までとは段違い
生命保険大学課程試験の難易度は、それまでの試験と比較すると段違いに上がります。一般、専門、応用課程については、直前の対策でも充分ですが、大学課程については、同じような勉強量では到底合格できません。
試験は6科目に分かれており、資格を得るためには全科目に合格する必要があります。求められる知識の専門性が高まるため、受験にあたっては入念な準備が必要です。
生命保険大学課程を受験するメリットは?
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ここでは生命保険大学課程を受験する意義や合格のメリットを検証します。
難易度の割にメリットが乏しい試験
生命保険大学課程は、合格までにかかる労力に比して、残念ながらメリットの少ない資格試験です。
合格で得られる「TLC」の称号は一般的な認知度は低く、顧客向けのアピールに乏しいのが実情。さらに退職すると一定期間で失効してしまうため、転職時の付加価値も、ほぼありません。所属によっては昇進や昇給の条件とされるケースもありますが、どちらかといえば、自己研鑽のための資格です。
このため応用課程までを必須とし、生命保険大学課程は希望ベースの受験としている会社・部門も少なくありません。
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FP資格を優先する方がおすすめ
所属先から受験を義務付けられていないのなら、生命保険大学課程よりFP資格を優先するのがおすすめです。
例えばFP技能士検定は、一般的な知名度も高く、合格すれば生涯有効です。大学課程もFP資格も、出題内容の相当量が重複している上に、同程度の学習時間が必要。同じ労力をかけるなら、後者の方がメリットが大きいといえます。
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生命保険大学課程の試験概要は?
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ここでは生命保険大学課程試験のスケジュールや実施概要をご紹介します。
受験のチャンスは各科目年2回
生命保険大学課程試験は前述した通り、全6科目で構成されています。試験日は従来、2科目ずつ年3回の設定でしたが、2020年4月に予定されているコンピューター式試験(Computer Based Testing=CBT)導入に伴い、若干変更になります。
大学課程試験は、2020年5月実施分より、マークシート式からコンピューター式に移行します。これによって試験日時を複数の候補日から選べるようになります。受験の機会が各科目年2回までです。なお、試験時間は従来の90分から、80分に短縮されます。
参考
CBT試験概要一般社団法人 生命保険協会
合格点は100点満点中60点以上
生命保険大学課程の試験科目は下表の通り。合格ラインは各科目とも100点満点中60点以上です。
・ファイナンシャルプランニングとコンプライアンス
・生命保険と税・相続
・資産運用知識
・企業向け保険商品とコンサルティング
・社会保障制度
生命保険大学課程試験の受験対策は?
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ここでは生命保険大学課程試験の受験対策を解説します。
入念な準備が必要な試験
生命保険大学課程は、科目数が多い上に試験日が限られているため、最短でも合格に1年近くを要する試験です。できれば各科目、1度の試験で合格しておきたいところ。
応用課程までとは違い、短期の準備では合格が難しいので、計画的な学習が必要です。特に、普段の業務と関連が少なく、知識に自信がない科目については、3か月程度の準備期間を設けることをおすすめします。
受験対策はテキスト・問題集の反復学習のみ
受験対策については、従前の試験と何ら変わりはありません。市販の参考書等はないので、会社から支給されるテキスト・問題集を使って勉強します。
学習は問題集を中心に進め、理解が不足している部分をテキストで補うのが効率的です。合格ラインに達するまで、問題集を繰り返しましょう。反復することで出題傾向がつかめます。
地道にコツコツ勉強するのが近道!
生命保険大学課程は、それ以前の試験とは違って短期集中型の準備では合格しにくい試験です。成果を出すには、コツコツ地道に勉強するしかありません。忙しい仕事の合間を縫って勉強するのは楽ではありませんが、上手に時間を確保して、合格につなげましょう!