パートとアルバイトは違う?
パートとアルバイトは、法律上は区別されておらず、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」でどちらも「パートタイム労働者」として定義やルールが定められています。ただし、一般的なイメージとしては違うものとして扱われることも多く、ニュアンスで二つの働き方を使い分けていることもあるようです。
パートとは
パートの呼び方は、もともと「パートタイマー」という英語からできたものです。時間の一部分という意味なので、時短勤務として主婦(主夫)などが働いているイメージがあります。一般的には、社員よりも短い時間だけ勤務する働き方の求人募集で使われているようです。時間は短いものの、長期間コンスタントに働くときによく使われます。
アルバイトとは
アルバイトは、ドイツ語の「arbeit(仕事)」が語源となっています。戦前に学生が学業の傍らに行っていた副業のようなものを指す言葉として使われ、今でも学生がする副業のようなイメージで使われています。パートが短時間業務で長期間働くのに対し、期間限定で働く仕事をアルバイトと呼ぶことが多いようです。
慣習的におかしいと感じることもあるんだね!
パート・アルバイトとは
パート・アルバイトは、どちらも法的には同じ働き方であり、ニュアンスの差はありますが、福利厚生や給料、待遇は基本的に同じです。パート・アルバイトとはどんな働き方で、正社員と比較してどう違うかチェックしてみましょう。
パート・アルバイトの働き方
パート・アルバイトの給料形態は、時給が多くなっています。一日の就労時間が決まっている場合には、日給のこともあります。パート・アルバイトは時間や働く日数が社員とは異なるため、月給で働くことは基本的にありません。
働く時間や曜日などは契約時に定めるか、毎月のシフトで決まります。勤務日は、自分の希望する日を申請したり、会社(お店)から勤務してほしい日を指定されたりして働く日を決めていきます。社員よりも融通が利きますが、人によっては同僚に気を使って休みを入れにくかったり、会社からの勤務の依頼を断れなかったりと自分のペースを乱されることもあります。
パート・アルバイトの福利厚生
パート・アルバイトでも、週20時間以上の勤務、賃金月額が8.8万円以上など、一定の条件が整えば、社員と同じように社会保険にも加入できますし、有給休暇も利用できます。
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正社員との違い
正社員もパート・アルバイトも、雇用形態は直接雇用で同じです。ところが、正規雇用の正社員は、パート・アルバイトと比べると待遇面やキャリアアップのチャンスなど、優遇されています。
その一方で、パート・アルバイトは、責任の重さや就業規則による縛りの厳しさがありません。正社員は副業も禁止されることが多いのですが、パート・アルバイトは副業もダブルワークも、自由に働けます。
パート・アルバイトのメリット・デメリット
パート・アルバイトは自由度の高さがある反面、待遇面では正社員より低い印象です。パートやアルバイトを始めるなら、こうしたメリット・デメリットを具体的に比較検討しておきましょう。
メリット
■ 気軽に応募・働ける
パートやアルバイトは、採用までのハードルが低く、正社員よりも気軽に応募でき、採用もされやすくなっています。仕事も簡単なものが多いので、誰でもすぐにお金を稼げます。急にお金が必要になった、すぐに仕事を決めたいときには、手っ取り早くて便利な働き方です。
■ 仕事以外の時間を優先しやすい・副業も可
パートやアルバイトは、正社員よりも短時間勤務もできて、シフトの調整次第で自分の都合を優先できます。仕事以外の時間についても、会社からうるさくいわれることはありません。副業もできますし、家族との時間を優先させて働くこともできます。
■ 辞めやすい・短期の仕事もある
パートやアルバイトでも働く以上、責任はありますが、その範囲は正社員よりも少なく、いざというときは正社員より辞めやすい傾向です。また、基本的に簡単な仕事なので、引継ぎも楽、もしくは必要ありません。
ただし、無責任な辞め方は職場に迷惑がかかるため、働く以上は辞める際もできるだけ誠意をもって対応すべきです。もし先の予定が不明ならば、あらかじめ期間が決まっている短期バイトなどを選びましょう。
デメリット
■ 雇用・収入が不安定
パートやアルバイトは、自由な働き方で責任も少ない分、雇用や収入は不安定になります。リストラするにあたっても、正社員よりも先に対象になる恐れがあります。また、時給制なので働いた分しか収入がなく、月給制の社員に比べて毎月の収入にばらつきが出やすくなるでしょう
■ キャリアを築けず昇進しにくい
パートやアルバイトで働くなら、キャリアアップや昇進は難しくなります。基本的に、会社も責任の重い仕事には就かせにくく、単純作業や簡単な仕事が多くなるため、スキルも磨きにくそうです。
■ 福利厚生や手当が社員より劣る
福利厚生で社員とパート・アルバイトを不当に差別してはいけないことになっていますが、やはり短時間や短期のパートアルバイトよりも社員の方が手厚くなってしまいます。福利厚生サービスについては、社員に気遣って使いにくい、サービスの説明を十分に受けていないこともあります。また、手当についても住宅手当などは正社員しか使えないことも多いようです。
パート・アルバイトの働き方があっている人・あわない人
パート・アルバイトの働き方は、その人おかれている環境や立場次第で便利だったり不便だったりするものです。自分との相性をみて、パート・アルバイトの働き方を選ぶべきかどうか、考えてみましょう。
パート・アルバイトがあっている人
■ 仕事以外のことに力を入れている人
パート・アルバイトの働き方は、仕事以外のことに力を入れている人、仕事以外を優先させたい人に向いています。子育て中の主婦や、学業が本分である学生、また、趣味や夢を追いかけている人などは、時間や副業ルールに縛られる正社員よりパートアルバイトの方が合っていそうです。また、パート・アルバイトの仕事の方を副業扱いにしているフリーランスもいます。
■ 家族の扶養の範囲で働きたい人
配偶者や親、兄弟などの扶養の範囲で働きたい人も、自分で収入をコントロールできるパート・アルバイトが合っています。パートやアルバイトを多く受け入れている勤務先では、扶養の範囲で働きたい人への配慮もあり、安心して働けます。
パート・アルバイトがあわない人
■ 安定した収入が欲しい人
パートやアルバイトは、自由度が高い反面、安定性は低く、安定した収入が必要な人には合わない働き方といえます。社会的にも不安定とみられやすく、マイホームローンも組むのが難しくなっています。安定した収入を得て、社会的にも安定していると認められたいなら、正社員を目指した方がよいでしょう。
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■ 昇進・キャリアアップしたい人
働いていれば、仕事を認められたいし、だんだんと難しい仕事にもチャレンジしたくなります。ところが、パートやアルバイトでは、仕事を認められて昇進することも難しい仕事を任されることも少ないものです。昇進やキャリアアップを考えているなら、最初から正社員求人を探した方がよいでしょう。
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パート・アルバイトで働いて自分の時間も有効活用
パートやアルバイトは、勤務時間や曜日をコントロールしやすく、副業などの自由度も高い働き方です。正社員と比べると安定性や待遇のよさはありませんが、気軽に働ける便利さがあります。
安定や待遇よりも自由度や自分のやりたいことを優先させたい人には、パートやアルバイトの働き方がおすすめです。また、フリーランスなどで本業以外に収入が欲しい人、学生時代の収入源としてもよいでしょう。