サラリーマンの年収はいくらくらい?
サラリーマンの年収は、給与と賞与、各種手当で成り立っています。昇給や昇進を経て、上がっていくこともありますが、上がらない人もいます。人よりも少ない場合には、上げる対策もしたいところです。まずは、平均年収を調べて自分の年収と比較してみましょう。
自分の年収…低くない?
サラリーマンは毎月決まった金額のお給料をもらって働くのが一般的であり、そのお給料の1年分と賞与などを足した合計金額が年収です。給料は生活に必要なだけでなく、会社からの評価を反映し、サラリーマンとしての自分の価値を象徴するものでもあるように思えます。
そのため、自分の年収が安いのではないか不安になったり、周りがいくらもらっているか気になったりするもの。人の価値が年収だけで決まるとはいえませんが、できれば高い方がうれしいのが本音です。
年収は企業規模や業種によって違う
サラリーマンの年収は、入る会社によって差が生まれます。企業の規模や業種などが異なると、昇給制度や基本給の高さなども異なり、時にはそれが大きな差につながることがあります。
そのため、平均年収を知りたいときは、自分の勤める会社と同じくらいの規模や同じ業種に絞って調べることが大切です。正しい情報と比較しないと、自分が正しい金額をもらえているかわかりません。
年収は性別や勤続年数によって違う
サラリーマンの年収は、同じ社内でも差が生まれます。性別や職種、勤続年数などで異なることも多く、隣で働く同僚だって自分より年収が高いことも低いこともあります。そのため、安易な気持ちで同僚と給料明細を見せ合うのはトラブルの元になるためご法度です。
性別による差は、その人が受け持つ仕事内容や職種、キャリアの積み方などが影響している場合もあります。
サラリーマンの平均年収を調査!
サラリーマンの年収の基本がわかったところで、実際の平均年収のデータをチェックしてみましょう。厚生労働省や国税庁の調査結果から考察してみました。
平成30年度の平均年収(男女)
国税庁資料「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」より
平成30年の民間企業の給与の実態調査の結果では、平均年収が約441万円、男性が545万円、女性が293万円でした。
平均年齢 | 勤続年数 | 給料・手当 | 賞与 | 総額 | |
総計 | 46.4 | 12.2 | 3,710 | 697 | 4,407 |
男 | 46.3 | 13.7 | 4,551 | 899 | 5,450 |
女 | 46.5 | 10.1 | 2,519 | 411 | 2,931 |
国税庁資料「平成30年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より
別の資料では、平均年齢と勤続年数も出ています。男女とも平均年齢にほとんど変わりはありませんが、勤続年数では若干女性の方が短くなっています。収入の内訳では、基本給や手当なども差はありますが、賞与額が倍以上違っているのがわかります。
平成30年度の平均年収(事業規模)
事業所規模 | 平均年齢 | 勤続年数 | 給料・手当 | 賞与 | 総額 |
10人未満 | 52.9 | 15.8 | 3,352 | 225 | 3,577 |
10人以上 | 47.9 | 11.8 | 3,765 | 442 | 4,207 |
30人以上 | 45.9 | 10.8 | 3,717 | 627 | 4,344 |
100人以上 | 45 | 11 | 3,596 | 737 | 4,333 |
500人以上 | 44.2 | 11.7 | 3,807 | 925 | 4,733 |
1000人以上 | 43.7 | 12 | 3,930 | 1,042 | 4,972 |
5000人以上 | 43.5 | 13 | 4,016 | 1,098 | 5,114 |
国税庁資料「平成30年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」より
企業の規模ごとの平均年齢もデータが出ています。基本的には、事業規模が大きくなるにつれて年収が高くなる傾向です。ただし、景気や企業独自の成長性などによっても異なるため、一概にすべての企業に当てはまるわけではありません。
年収の高い業種・低い業種
平均年収の差は業種によって出ることもあります。全体の傾向としては、電気・ガス・熱供給・水道業は年収が高い業種といえます。反対に、飲食、サービス業、農林水産・鉱業は低い傾向です。
年収の低い業種に飛び込んでしまうと、長く働いていても思うように年収が伸びないこともあります。
年収の高い都道府県・低い都道府県
年収は、エリアによっても異なります。都道府県でもっとも高いのは東京、次いで愛知県、神奈川県、大阪府となっています。年収の低いエリアは宮崎県、沖縄県、秋田県などです。
トップの東京は622万円なのに対して、下位のエリアは200万円以上の差があります。
学歴別の平均初任給
平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況「1 学歴別にみた初任給」より
年収アップの礎ともいえる初任給も、人それぞれに異なります。特に差が出る理由は、最終学歴です。基本的には、高学歴になるにつれて年収も高くなる傾向です。
サラリーマンの一般的な年収を知るには
サラリーマンの平均年収が約441万円と聞いて、何となく高すぎるように感じた人はいませんか?世間でも、この数値については「自分は平均以下だ」「一部の高給取りのせいだ」などと話題になっています。あまり一般的でないと感じたら、別の見方でサラリーマンの平均年収を確認してみましょう。
平均値より中央値で見る
平均年収が約441万円を「一部の高給取りのせいだ」とする声には一理あります。平均値は全ての数値を足して割るため、一部にずば抜けた数値があると一気に高くなるもの。そのため、平均年収も一部の高年収の人によって実際の値とかけ離れてしまうことがあります。より実際に近い値を知りたいなら、データを小さい順に並べたとき、真ん中になる値を示す中央値をチェックましょう。
所 得 金 額 階 級 | 累積度数分布(%) | 相対度数分布(%) |
総数 | 100 | |
50 万 円 未 満 | 0.9 | 0.9 |
50~ 100 | 6.2 | 5 |
100~ 150 | 12.8 | 6.6 |
150~ 200 | 19.8 | 7 |
200~ 250 | 26.5 | 6.6 |
250~ 300 | 33.5 | 7 |
300~ 350 | 41 | 7.5 |
350~ 400 | 47 | 6.1 |
400~ 450 | 52.8 ←全世帯の約半数 | 5.8 |
450~ 500 | 57.2 | 4.4 |
500~ 600 | 65.6 | 8.5 |
600~ 700 | 73.2 | 7.6 |
700~ 800 | 79.2 | 5.9 |
800~ 900 | 83.7 | 4.5 |
900~1000 | 87.9 | 4.2 |
1000 万 円 以 上 | 100 | 12.1 |
平均所得金額(551万6千円) 以下の割合(%) |
62.4 | |
中央値(万円) | 423 |
国民生活基礎調査の概況には、世帯年収の「中央値」が載っています。データは「個人の年収」ではなく「世帯所得」です。世帯の年収でさえ中央値は423万円、かつ全世帯の半分が450万円以下という結果ですから、個人の平均年収441万円がいかに高いかわかります。
自分のスキル・実績で適正年収を調べる
年収は、その人のスキルや実績に応じて大きく変わります。そのため、平均値や中央値では、個人レベルの適正年収はわかりません。自分自身の適正年収を知りたいなら、転職サイトなどで、適正年収を診断するのがおすすめです。
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サラリーマンが年収アップするには
平均年収や自分の適正年収がわかってきて、「もっと年収を増やしたい」と思った人はいませんか?サラリーマンが今の勤務先で、もしくはそれ以外の方法で年収アップする方法を紹介します。
昇進を目指す
サラリーマンが、今の勤務先で年収アップを目指すなら、昇進を考えましょう。昇進するには運も必要ですが、まずは人間性やスキル、考え方、仕事の取り組み方など、磨くことが大切です。
リーダーシップ(人をまとめる力)や協調性、柔軟性を身に付けましょう。また、前向きに仕事する姿勢も、上に立つ人として認めてもらうために必要です。成果主義導入の企業も増えましたが、評価には技能だけでなく取り組み方も加味されています。
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転職する
社内で昇進が難しいなら、転職することも考えましょう。中には昇進しても「名ばかり管理職」だった、ということもあります。また、今の職種が昇進しにくい、昇給しにくい場合にも、今の会社に部署異動を願い出るか転職か、選択することになるでしょう。
適正年収診断のできるdodaやミイダスでも、求人検索やオファーを受けることなどができます。
資格を取得して手当を増やす
自分の携わっている業務に必要な資格を取得することで、手当を増やすことも年収アップに役立ちます。手当がない場合でも、資格は昇進や転職にも役立つので、長い目でみると取得しておいて損はありません。
副業には注意が必要
副業も収入を増やすアイデアとして悪くはありませんが、会社によっては禁止の場合もあるので注意が必要です。副業の扱いがどうなっているか就業規則等を確認してから検討しましょう。副業OKでも、本業に支障のある働き方をしてはいけません。
投資は副業には当たらず、やっても大丈夫なことが多いですが、元手を失うリスクがあります。
副業禁止は絶対?副業できる可能性とリスク
サラリーマンの平均年収と自分の年収を比較してみよう
サラリーマンとして働いていたら、気になるのが自分の年収の高さです。一般的な平均と自分の年収レベルを比べたいなら、正しい数値を知った上で比較しましょう。
自分の年収が低いと感じたら、年収アップの方法を探すことも必要です。今の会社で実現できるか、転職や副業で実現すべきか、慎重に検討してみましょう。