ディベートとは議論のこと!
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ディベートは議論のことですが、会議室に集まり輪になって話をするスタイルとはちょっと異なります。ディベートの本来の形がわかると「社会人になってすることじゃないでしょ」と思う人がいるかもしれません。
しかし、ディベートをすることで社会人としての知識や技術が磨かれるといわれています。それではどのように役に立つのか、ディベートについてしっかりと学んでいきましょう。
ディベートの意味をチェック
ディベートは英語では『debate』と書き、次のような意味があります。
■公開討論する
■議論/議論する
■論争
■思案する
■討論会 など
それでは、日本においてはどのような意味で使われ、どのような定義をもって実施されているのでしょうか。
ディベートの定義
ディベートは、ある一つのテーマに関して『賛成派』『反対派』など、相対する意見をもった2チームが、見ている観客を説得するように議論をすることをいいます。
ディベートの目的・効果
ディベートはただの口論ではありません。2チームが一つのテーマで討論した結果、どちらが観客に支持されるかを競うことを目的としており、ディベートを行うことでこんな効果があるとされています。
■分析力が身につく
■状況に応じた判断力が身につく
■チーム一丸となって準備することで協調性が身につく
■聞いている人が理解しやすい説明ができるようになる など
ディベートの種類
ディベートには大きくわけて『推定議題』『価値議題』『政策議題』の3つがあります。これら3つにはどんな特徴があるのでしょうか。
ディベートとディスカッションの違い
ディスカッションもひとことでいうと『議論』ということになりますが、言葉が違うように意味も少し異なります。
ディベートを行う前には、『どんな情報を入手しておかなければいけないか』『用意するべき資料は?』など、同じチームで議論を行います。この段階の議論のことを『ディスカッション』といいます。以下に簡単にまとめてみました。
ディスカッションについては以下の記事でもわかりやすく解説していますので、ぜひそちらも読んでくださいね。
ディスカッションって?テーマや進め方、英語表現やディベートとの違いまで徹底解説!
ディベートのやり方とコツを伝授
議論と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やり方さえわかれば学生でもできるものです。そこでここでは簡単にコツをまとめてみました。
ディベートの進め方
ディベートのテーマが決まったら、まずはテーマに沿った情報の収集が必要です。そしてさらに、反論されそうな内容の資料があった場合には、それに対してどのように答えればいいかを考える準備も必要です。
また、用意した議論の内容は誰にでもわかりやすいよう、ひとことでまとめておくことも大切です。
準備が整ったら実際にディベートの開始です。
STEP1.立論
まずは肯定側からのスピーチ、これが『立論』です。原稿を用意してそれに沿って読むのはこの立論だけで、STEP2からは立論に対して話を広げていくことになります。ここでは次のような内容で話を進めていくのが基本形となります。
■現状分析の結果・問題点などを述べる。
■問題点からどのようにしていくか、計画案の例を述べる。
■その計画を進めるあたってのメリット・デメリットを述べる。
STEP2.反対尋問
ここではSTEP1でスピーチした肯定側の立論の内容を踏まえて否定側がスピーチをすることになります。反対尋問で大切なのは、立論で発表した内容で不明な点があればそれをしっかりと伝えられるよう聞き漏らさないようにすることです。
たとえば、「肯定側が発表した計画案は本当に実行可能なのか?その根拠は?」「計画案を実行できたとして、それで問題は解決するのか?」といった内容ですね。
STEP3.反説
STEP2での主張に対して、肯定側が反対意見を述べるという段階です。ここでは、互いに「それは違う」と感じていることに対してしっかり議論する姿勢が大切になります。
STEP4.最終弁論
ここでは肯定側、否定側双方が最終弁論をしますが、STEP3では肯定側が発表しているため、ここでは『否定側』⇒『肯定側』の順番で弁論することになります。
これ以上議論が続くことはないので、双方「こちらの主張のほうが勝っている」という姿勢で臨まなければいけません。
ディベートのルールとポイント
ディベートのテーマがどんなものであっても、基本的にルールの違いはありません。それではどんなルールがあるのか確認してみましょう。
時間制限を設ける
ディベートはこれまでの項目で解説したように、STEP1~STEP4の流れで進行していきますが、どのSTEPも3~5分の時間制限があります。通常はSTEP1の『立論』が5分で、『反対尋問』『反対尋問』『最終弁論』は少し短い3~4分で設定されていることが多いです。
主張には必ず理由をプラス
ディベートではただ肯定・否定の主張をするだけではなく、それぞれに、なぜそのような主張をすることになっているかの理由を付け加えなければいけません。
主張の証拠とする資料は要件を満たしたものにする
肯定側も否定側も主張の中で資料をもとに発言することもあります。使用する資料については、文献名、発行年月日、著者の肩書、著者名を正しく伝え、原文をそのまま引用しなければなりません。
相手の発言はメモする
ディベートでは、ただ自身のチームの意見を主張するだけではいけません。相手チームの主張したことに的確に反対意見を述べるためにも、どのような発言をしたのかメモをとることが大切です。
反論の際には新しい議論を持ち出さない
議論のテーマとなる内容は、すべて立論で出されていなければならず、反論の際に新しい議論を持ち出すことはいけないとされています。
練習用!ディベートのテーマ例
ディベートは経済や政治といった固いテーマでなければいけないという決まりはありません。日常的な内容でもいいんです。ここでは実際に議論されたテーマの一例をまとめてみました。比較的議論しやすそうなテーマをピックアップしてみましたので、練習用に使ってみてはいかがでしょうか。
・日本はサマータイムを導入すべし。是か非か
・日本は国会を一院制にすべきである。是か非か
・日本は救急車の利用を有料化すべきである。是か非か
・日本は首都機能を移転すべし。是か非か など
(データ参照元:全国教室ディベート連盟)
・日本史上最大のヒーローは、信長・龍馬のどちらか?
・日本はタバコ一箱1,000円に値上げすべし。是か非か?
・日本の国民食はラーメンか、カレーライスか?
・仮面ライダーとウルトラマン、日本の特撮ヒーローはどっち? など
(データ参照元:NPO法人BURNING MIND)
[番外編]ディベート部・ディベート甲子園って?
一部の中学校、高校では授業の一貫としてディベートを取り入れるところがあり、部活動としてディベート部(弁論部)がある学校も存在します。そして、この部活動にも他の学校と競うディベート選手権があり、その大会のことをディベート甲子園といいます。
ディベートで論理的思考を鍛えよう!
会社で働いていると、ディベートよりもディスカッションを行う機会のほうが多いかもしれません。しかし、何かを提案した際には賛成する人も反対する人もでてくるはず。そんな状況になったらぜひディベートをしてみてください。
そうすることで、きっと今まで見えていなかったものが見えてくるはずです。時間をみつけてぜひ試してみてくださいね。