「わざわざ」は失礼な敬語?正しい意味・使い方・言い換え表現・英語表現を解説

「わざわざ」は「そのためだけに」ってこと!

上司

コピー機のところに原本忘れてたよ。はいどうぞ。
わー!わざわざありがとうございます!

新人

上司

どういたしまして。

「わざわざ」は、ビジネスシーンだけでなく日常生活でも非常によく使われるフレーズです。「わざわざすみません」や「わざわざ○○してくれてありがとうございます」などと使われているのをよく耳にしますね。

「わざわざ」は「そのためだけに」などの意味を持つ言葉で、使い方によって印象が大きく変わります。

相手に失礼にならないよう「わざわざ」の意味と使い方をしっかりマスターし、シチュエーションに応じたフレーズを選択できるよう類語も身につけておきましょう。

「わざわざ」の類語(言い換え表現)
・ご丁寧
・お忙しい中
・せっかく

「わざわざ」の意味

「わざわざ」という言葉には大きく2つの意味があります

1つ目は「そのためだけに」「とりたてて」、2つ目は「故意に」「しなくてもいいことをあえて意図的に行う」などです。前者はいい意味で使われることが多いですが、後者は苦言や嫌味としてとらえられます。

前後の文章やシチュエーションで意味合いが大きく変わってしまうため、使い方には十分注意が必要です。

「わざわざ」の使い方|ビジネスシーンでの例文

「わざわざ」という言葉自体は目上の人やお客様に対しても使える表現なので、ビジネスシーンで失敗しないよう正しい使い方を覚えておきましょう。ここからは実際にビジネスの場で使える例文をご紹介していきます。

例文1
「本日は足元の悪い中わざわざお越しいただきありがとうございました」
例文2
「本日はお越しいただきありがとうございます。本来ならば私からお伺いすべきでしたが、わざわざご来店いただいたおかげで素早く準備ができました」
例文3
相手「こちらお忘れだったのでお届けに参りました」
自分「あ!はい、私のものです。わざわざ届けていただきありがとうございます」

相手が特別に何かしてくれる事柄に対して「わざわざ」を使うと、感謝や労いの気持ちを表すことができます。

「わざわざ」を使う際の注意点

ビジネスシーンでは、「わざわざ」の2つ目の意味としてご紹介した「故意に」「しなくてもいいことをあえて意図的に行う」という意味合いの表現は控えたほうが無難です。具体的にNGとされる例文を確認していきましょう。

例文
わざわざお越しいただかなくても、こちらからお伺いしましたのに」
「メールで資料をお送りいただいているので、わざわざお電話でのご連絡は結構です」
わざわざご指摘いただきありがとうございます」

これらの例文は「迷惑」や「余計なお世話」「ありがた迷惑」というニュアンスが感じられるため、いわれた方は不快に感じます。相手がしてくれる行為を遠慮したり断ったりする場合は、「わざわざ」を使わないほうがよいでしょう

もし使えるかどうか判断に迷った場合は、「わざわざ」を省いた表現や類語を使った言い回しに変えてみましょう。

「わざわざ」の類語・言い換え表現

「わざわざ」以外にも、相手が特別にしてくれる行為を表す言葉はいくつかあるのでご紹介していきます

ご丁寧

「ご丁寧」は親切で礼儀正しいという意味を持つ「丁寧」の尊敬語です。相手の厚意に対して感謝を伝える際に使われる表現のひとつです。

例文
「ご丁寧にありがとうございます」
「ご丁寧なお返事をいただきまして、ありがとうございます」
「このたびは私たちの結婚にあたりまして、ご丁寧なるご祝詞に加えてお祝いの品まで頂戴し、厚く御礼申し上げます」

ただし「わざわざ」同様、使い方によっては嫌味や皮肉にとらえられる場合もあるので注意が必要です。迷った場合は省いてもOKです。

お忙しい中

「お忙しい中」というフレーズは実際に相手が忙しいかどうか関係なく、お礼や依頼をする状況で使われます。

例文
「お忙しい中お越しいただきありがとうございます」
「お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします」

ビジネスシーンで「お忙しい中」という表現は、定番の言い回しのひとつです。「わざわざ」や「ご丁寧」より使う場面が限定されないので、覚えておくと非常に便利です。

ただし、相手が明らかに時間に余裕がある状況で使ってしまうと、嫌味に聞こえるので注意が必要です。「お暇なんでしょうね」や「わざわざしてもらわなくてもいいのに」というニュアンスになるため大変失礼にあたります。

せっかく

「せっかく」というフレーズは、「お断りやお詫び」「相手への労い」を伝える際に使われる表現です。

例文
「せっかくお誘いいただきましたが、今回は予定があるためご遠慮させていただきます」
「せっかくお越しいただいたのですから、ぜひゆっくりしていってください」

たとえば「わざわざお誘いいただきましたが」と「せっかくお誘いいただきましたが」を比べてみると、「わざわざ」には「予定があるのに余計な誘いをしてくれた」と嫌味にとらえられる危険が含まれています。

一方「せっかく」を使うと、相手に対して断ることが残念・申し訳ないという気持ちを伝えることができます。相手の厚意を尊重する表現なので、ビジネスシーンでお断りをする際に使えるようにしておくと非常に便利です。

また「わざわざ」は「それだけのために」という意味合いに対し、「せっかく」は「ついで」というニュアンスがあります。シーンに応じて上手く使い分けてみましょう。

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「わざわざ」は正しく使って相手に好印象を与えよう!

「わざわざ」は「そのためだけに」と「しなくてもいいことを故意に行う」など反対の2つの意味を持つ言葉です。使い方ひとつで、いい意味にも悪い意味にもなるため使用の際は注意が必要になります。

しかし、きちんと意味を知った上で、正しい使い方をすれば問題ありません。「わざわざ」で敬意や感謝をうまく表現できれば、相手に好印象を与えられるでしょう。

この機会にぜひ「わざわざ」の正しい言い回しや類語やを理解し、とっさの会話の中で適切に使えるようにしておきましょう。