「おしなべて」とは?意味や類語・英語表現・使い方を解説【例文あり】

「おしなべて」は古語!見聞きする機会の少ない言葉

「おしなべて」とは、「ひとつのものやさまを全体で表す」意味を持つ言葉です。源氏物語や伊勢物語などの古典文学にも登場する古語です。

物語や小説、記事の文中でときどき使われている「おしなべて」は、現在の日常会話では使われる機会があまりありません。しかし、ビジネスシーンでは「おしなべて」が用いられるケースが時々あるのです。

社会人のマナーとして「おしなべて」の意味や言い換え表現(類語)をしっかり押さえておきましょう。

「おしなべて」の言い換え表現・類語
・「一様に」
・「揃って」
・「一般に」
・「大概は」

「おしなべて」の漢字表記や意味

平仮名で書かれていることが多い「おしなべて」は、漢字で表記することが可能です。古語である「おしなべて」の漢字を知れば、言葉の意味への理解がグッと広がります。次からは「おしなべて」の漢字表記や意味をチェックしていきましょう。

漢字では「押しなべて」「押し並べて」と表記

「おしなべて」は漢字で「押しなべて」や「押し並べて」と表記します。漢字から言葉の意味を想像すると「敷き詰められて並んでいる」さまが思い浮かびますよね。

「おしなべて(押しなべて・押し並べて)」の意味

「おしなべて」の意味は「総じて」や「一様に」といった、同じものを一括りにするさまを表現したいときに使う言葉です。例えば、箱一杯に敷き詰められた果物や辺り一面の花を想像してみましょう。同じように並んだ果物や花を表現するときなどに使えます。

知っておきたい「おしなべて」の誤用

厳密に言えば「おしなべて」は全体をアバウトに表現した言葉なので、一つひとつに対して深い意味を持たせることはできません。あくまで全体を表現する言葉なので、すべて同じに扱うときに使用するのが適切です。

曖昧な表現である「おしなべて」は、正確な数や目安が必要なときや物事を正しく相手に伝える際には使用しない方が無難です。

「おしなべて」の正しい使い方

日常生活であまり使われない「おしなべて」ですが、ビジネスマナーとして正しい意味や使い方を知っておく必要があります。ここでは、ビジネスシーンで使う場合の「おしなべて」の正しい使い方についてご紹介します。

「おしなべて」を使った例文

ビジネスシーンでの「おしなべて」は主に社内外の評価や評判、成績などを指す言葉です。実際にビジネスシーンで使用されることが多い「おしなべて」の例文を次にご紹介します。

おしなべて言うと

「仕事の量からおしなべて言うと優先順位は低い。」

この場合はいくつかの仕事の量を大体の目安で判断し、優先順位をつけていることを表現しています。繁忙期などの仕事に追われているときこそ、効率よく処理していくための優先順位をつけるのは大事ですよね。

おしなべて〇〇です。

「彼の営業姿勢はおしなべて高評価です。」
「上半期はおしなべて売れ行きが堅調です。」

対象となる物事の期間や範囲が広い場合に使える無難な表現方法です。平均的に見て落ち込みなどなく、整っているときに使用します。

「おしなべて」と「あまねく」の違い

他に、全体を表現する言葉に「あまねく」があります。「おしなべて」の代用に使う人も多い言葉ですが、同じ意味の表現として使うのは不適切です。

「おしなべて」と「あまねく」はどちらも全体を表現していますが、「おしなべて」が大体の数や傾向を表現するのに対し、「あまねく」は全体を統一して表現しています。

「おしなべて」- 大体の傾向をとらえるさま
「あまねく」- すべてに広く行き渡るさま。すみずみまで。漏れなく

アバウトな表現の「おしなべて」に対して「あまねく」は全体の全体、本当の意味でのすべてを表現した言葉という違いがあります。

ちなみに「あまねく」は漢字で「遍く・普く」と表記し、「万葉集」でも用いられている古文単語の「あまねし」の形容詞です。

「おしなべて」の類語

「おしなべて」や「あまねく」などの古語以外にも、現代で一般的に使われている全体を表現する類語はほかにもあります。一般的にも使われていて、ビジネスシーンでも使える「おしなべて」の類語をご紹介します。

一様に

「皆、一様に同じ顔をしている。」

全員が「同じ表情をしている」というニュアンスでの表現方法です。例えば驚いた顔といっても全員が寸分違わぬ同じ顔ではありません。違いはあれど全員が驚きの表情を浮かべているという意味合いで使われます。

揃って

「揃いも揃って、なんてざまだ。」

揃いも揃って=全員同じというニュアンスの表現方法です。あまり上品な表現ではなく、さらに言葉は乱暴になりますが「雁首(かりくび)揃えて」と同じ意味合いを持つ言葉です。

一般的

「一般的な考えでは、そう捉えられても仕方ありません。」

広く認められている範囲を指しています。ここでの「一般的」とは「一般常識」の意味合いも持ち、「常識的に」と言い換えることもできます。あくまで常識とは多くの場合を指し示しているので、すべてには当てはまらない「おしなべて」に距離が近い表現です。

「大概は」

「先方の希望は大概理解できました。」

「大概(たいがい)」とは「物事の大部分」や「ほとんど」などの大きくざっくりとした表現方法です。同じ意味で「概ね(おおむね)」という言葉があり、どちらも範囲に定義はありません。

「おしなべて」を英語で表現すると・・・?

「おしなべて」は英語で・・・
in general
と表現できます。

今すぐ使える例文を見ていきましょう。

・In general, from the amount of work the priority is low.
⇒仕事の量からおしなべて言うと優先順位は低い。
・His sale skills are rated very high in general.
⇒彼の営業姿勢はおしなべて高評価です。
・Sales during the first half are consistently strong.
⇒上半期はおしなべて売れ行きが堅調です。

いざと言う時のために「おしなべて」をマスターしよう

現代では「おしなべて」と同じ意味の表現方法はいくつもあり、日常生活ではあまり使われる機会はありません。しかし、ビジネスシーンではたびたび使われることがある言葉です。いざという時のためにも正しい知識を身に着けてくださいね!