「結構です」とは、否定と肯定の意味をもつ言葉!
後輩
先輩
後輩
「結構です」には、否定と肯定をあらわす2つの意味があります。
相手に「いかがですか?」と聞かれたとき、「結構です」と言われたらほとんどの場合は「いりません」の意味になります。しかし、「結構です」には「それでいいですよ」の意味もあるため、場合によってはOKしたものと勘違いされる恐れがあります。
「結構です」は、トラブルを招きやすい曖昧な表現でもあるため、意思を明確にしたいときは、類語や言い換え表現を使い分けるのが無難です。
・「いいですよ」
・「お断りです」
・「大丈夫です」
・「差し支えありません」
・「お気遣いなく」
など
「結構です」の意味は2つある!それぞれの意味を解説
「結構です」には2つの意味があり、ひとつは「いりません」や「不要です」などの否定の意味合い。肯定的な意味では、「いただきます」や「了解しました」などとなります。
相手が使う「結構です」の意味を判断するには、雰囲気や前後の言葉を読む必要があり、適当に使っていると要らぬ誤解やトラブルの元になりかねません。「結構です」を使った否定と肯定の例文を見てみましょう。
営業
課長
課長
部下
このように同じ「結構です」でも、前後に言葉を付け加えれば意図を理解できます。否定か肯定かを区別しやすくするには、表情や言葉の強弱などを使い分ける必要があります。
「結構です」の使い方・例文
「結構です」のさまざまな使い方を例文でチェックしていきましょう。否定と肯定の2種類の意味合いを使った例文、上司に使う場合など、さまざまなシチュエーションをご紹介します。
「結構です」は敬語として使える
「結構です」は、「です」を使った丁寧表現です。目上の人にも使える言葉ですが、使う際には注意が必要です。
なぜなら、「結構です」は強い否定と受け取られる場合があり、相手に対する「拒絶」の意思表示になる恐れがあるからです。状況によっては相手に「強い不快感」を示していると感じさせ、「上から目線」や「偉そう」などの悪い印象を与えかねません。
そのため、通常の会話で「結構です」を使う場合、周りの雰囲気や自分の口調、表情にも気を使う必要があります。表情を険しくしたり、語調を強めて「結構です」を使ってしまうと、相手に対して敵意を向けているように受け取られます。
上司
否定の意味での「結構です」の例文
否定の意味で使う場合、「結構です」をそのまま使えばほとんどの状況で意図は伝わります。
しかし、前後の言葉や表情、口調に気をつけなければ、先述したように、相手に対して冷たい印象を与える可能性があります。適切な否定の意味での「結構です」の使い方をご紹介します。
部下
課長
後輩
先輩
一般的に「結構です」は断りの意味として使われる言葉です。遠慮や否定をする場合に「結構です」を使えば、多くは意図通りに伝わります。しかし、口調や雰囲気を気にせず、ぶっきらぼうに使った場合、以下のように相手に悪印象を与えてしまいます。
後輩
先輩
このように場合によっては相手にそっけない、もしくは感じが悪いと受け取られます。特に上司や目上の相手に断りの意味で「結構です」を使用する場合は、少々気を使う必要があります。
トラブルにならないようにするには、相手の目を見ながら、口調を和らげたり表情に工夫するのが適切です。
肯定の意味で「結構です」を使う場合
「結構です」を肯定するときに使う場合、”ほめ言葉”としても使用するケースが多いです。ほめ言葉としての意味合いで使う「結構です」の一例をあげてみました。
・大変結構な眺めです
・結構な腕前です
このように相手や事象をほめる言葉として用いることが多いです。また、「結構悪くない」や「結構楽しい」など、現在では”ほどほどに”の意味合いで使用する場合もあります。
それでは、承諾や了解の肯定と、ほめ言葉としての「結構です」の例文を見てみましょう。まずは承諾や了解の意味としての例文からです。
上司
部下
後輩
先輩
「大丈夫」や「OK」の意味合いで使う場合、「そのままで」など、補足を入れるのが無難です。
先輩
後輩
上司
部下
「結構」は、”優れていて欠点がない”との意味もあり、ほめ言葉として使用できます。
「結構です」では意図が伝わらない場合もあるから注意
否定と肯定の2つの意味がある「結構です」は、誤解を生みやすい言葉です。言葉の性質上、仕方ない部分もありますが、“わかりづらさを悪用されるケース”も少なくありません。例えば、以下の例文のようなケースを想像してみてください。
先輩
後輩
後輩
先輩
少し悪意があるようにみえますが、このような状況に陥る可能性がないとも限りません。大事な質問や回答には、誤解が生まれないように「結構です」ではなく、「遠慮します」や「問題ありません」など明確に意思表示できる言葉を選びましょう。
「結構です」の類語(言い換え表現)を例文で紹介
「結構です」は誤解されやすい言葉なので、使うべきか判断に迷うなら、類語に言い換えて明確に意思表示するのが無難です。「結構です」に変わる類語・言い換え表現をチェックしていきましょう。
「構いません」
「問題ないですよ」の意味合いで使われる言葉です。肯定の「いいですよ」の意味で使われます。否定の場合は「お構いなく」となります。
先輩
後輩
上司
部下
「いいですよ」もイントネーションで意味合いが変わりますが、否定か肯定かがわかりづらい場合があるので、「構いません」や「お構いなく」のほうがはっきりとしています。
「お断りです」
はっきりと拒否を示す言葉です。否定の言葉のなかでは強い部類に入り、きつい印象を与えかねない恐れがあります。
後輩
先輩
先輩
後輩
「差し支えありません」
支障または問題などがない様子をあらわす肯定の言葉です。「大丈夫です」や「いいです」の意味で使われます。
上司
部下
部下
上司
「お気遣いなく」
相手からの配慮に対し、「心配することはないですよ」との意味で使われます。感謝の意を示す言葉で、否定というより、「自分に気を遣ってくださりありがとうございます」の意味で使われます。相手に対して礼を示す言葉なので、ビジネスシーンで断りを入れる際によく使われます。
担当
クライアント
後輩
先輩
「お気遣い」には、似た言葉で「お心遣い」があります。「お心遣い」は相手に対して気を配り、配慮する言葉です。
※「お気遣い」の使い方は下記記事もご覧ください!↓↓
「お気遣い」はどんな時に使える表現?「お心遣い」との意味の違いや類語をチェック!
ビジネスで使える「結構です」の英語表現
「結構です」はビジネスシーンで使われるフレーズです。
「結構です」を英語で表現する機会が訪れるかもしれません。そのときに備えてメールや会話での使い方を学習しておきましょう。
It’s fine
と表現できます。
「It’s fine」のほかにも「No, thank you」「I’m good」も「結構です」の英語表現として使用できます。
否定の意味での「結構です」の英語例文
「結構です」の英語表現を使用した否定の例文はこちらです。
⇒例えばこのようなプランも用意していますが、いかがでしょうか?
・I’m not thinking about it now, so it’s fine.
⇒今は特に考えていないので、結構です。
⇒これからみんなで食事に行くけど、あなたも来ない?
・I’m fine! I have something planned after this.
⇒このあと予定が入っているので、私は結構です。
肯定の意味での「結構です」の英語例文
「結構です」の英語表現を使用した肯定の例文はこちらです。
⇒この資料はどうやってまとめればいいのかな?
・I ’m putting it together so it ’s fine as it is.
⇒それは私がまとめるので、そのままで結構です。
⇒ご予算はどれくらいでお考えでしょうか?
・Beacause it is a gift for the person who took care of me, it’s fine, no matter the price.
⇒お世話になった人への贈り物なので、金額はいくらでも結構です。
「結構です」の意味は否定と肯定!臨機応変に使い分けよう
「結構です」は、一般的には「いりません」の意味で使われ、否定や拒否を示す言葉です。しかし、「OK」や「問題ない」など、肯定や承諾の意味をもつ言葉でもあります。
明確にこちらの意図を正しく伝えたい場合、「結構です」の前後に言葉を付け加えたり、表情や口調に工夫する必要があります。
目上相手やビジネスシーンなど、誤解があってはならない状況では、「結構です」を別の言葉に言い換えて臨機応変に対応しましょう。相手が使う「結構です」に対しても、注意深く意図を読み取ってくださいね!