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フェーズとはプロジェクトの段階のこと!
フェーズは、一般的には進行中のプロジェクトの段階を表す言葉として今では当たり前のように使われています。しかし、専門的な分野では、また別の意味で使われていたり、辞書を見てみると様々な意味が記されている為、「どんな使い方が正しいの?」と疑問に思ってしまうかもしれません。
そこでこちらの記事ではフェーズの意味をわかりやすく解説するとともに、類語や使い方なども簡潔にまとめてみました。
フェーズの意味を詳しく解説
まずは、フェーズという言葉がもつ様々な意味、略語などについて解説していきます。
フェーズの語源・由来
フェーズはカタカナでは『フェイズ』とも記載されることがあり、英語では『phase』と表記する言葉です。
もともとはギリシャ語で月の見え方を表す言葉や『現れること』と意味を指す言葉でしたが、今はビジネス用語で以下のような意味をもって使われることが一般的です。
■段階
■局面
■変化する過程の一区切り
段階以外の意味
英語での『phase』には、『段階』という意味の他にも様々な意味がありますので、それらについても一応以下にまとめておきますね。
■月の満ち欠けの様子で『月相』(げっそう)とも呼ばれています。
■波動もしくは周期中の位置のことで、電気工学の分野では位相(位相)と呼ばれています。
■化学的組成・物理的状態が周期的に繰り返される現象の一周期のうちのある一つの曲面。
■考古学分野において、出土物から決める時代区分。
一般企業にいた人が上記のような専門分野での会話に参加した場合、『フェーズ』という言葉を聞いてもすぐには意味は理解できなさそうなほどいろんな意味がある言葉ですね。
フェーズの略語
フェーズは英語で『phase』というスペルになる為、『ph』という略語で表される場合があります。
例えば、一つ目の段階であることを『phase1』とする場合『ph1』、二つ目の段階を『ph2』といった書き方をするのです。
この『ph』という表記の仕方は、水の酸性・アルカリ性の度合いを数値で表す場合に『ペーハー』という読み方でも使われるので、業界によってはこの単位と混同しないようにしたほうがいいかもしれません。
インフルエンザの流行度合いもフェーズを使用!
冬になると毎年流行してしまうインフルエンザ、この流行の度合いを表す単位としても『フェーズ』が使われています。
これはWHO(世界保健機関)が正式に定めているもので、フェーズ1~フェーズ6までにランク分けされています。
フェーズの類語
世の中にはフェーズと似た意味をもつ言葉もいくつかあり、耳にした時や使う時に「どっちだろう?」と迷うこともあるでしょう。そこでここではフェーズの類語をいくつかご紹介します。
フェーズとプロセスの違い
プロセスには『(物事をすすめる)手順』『過程』といった意味があり、『段階』という意味をもつフェーズとは同じような意味合いに思えるかもしれませんが、違いがはっきりしています。
プロセスは何か実行に移した時、結果に至るまでの過程を指しており、1つのフェーズの中にはいくつものプロセスが含まれています。
工程をいくつかに区切ったものが『フェーズ』、進め方を表したものが『プロセス』と考えれば簡単ですね。
フェーズとステップの違い
例えば、何か新しい事業を始めることを決めたとします。誰が社長になるのか、予算はどのくらいか、人員はどうするのかということを一つのフェーズとします。この中で『1.代表を決める』『2.予算を決める』『3.人員を決める』このような一つ一つの工程がステップになります。
また、これらをどのように進めていくかを表しているものが前の項目でお伝えした『プロセス』ということになります。
プロジェクトとフェーズ
会社に勤めているなかで、なんらかのプロジェクトに参加するという場面もあるでしょう。大きなプロジェクトとなると一つの部署だけではなく、色々な部門から臨時に人員を集めることもあります。
こういった中ではフェーズ(段階)で運営していくことが基本で、プロジェクトは基本的にフェーズ1~フェーズ4の段階でマネジメントすることになっています。
定義して人員を集めるまでがフェーズ1、プロジェクトメンバーで計画を立て、スケジュールを立てたりした計画書の承認をとるまでがフェーズ2、実行~完成までがフェーズ3、完成後の見直し段階がフェーズ4となります。
『ステップ』『プロセス』を入れて解説すると…
「このプロジェクトのフェーズ1の予算案ですが、どのようなプロセスで数字を出したのかを説明してください。」ここでの『予算案』の部分がステップにあたります。
フェーズドアレイレーダー
固定されている板状のアンテナに、たくさんの電気的な動作をする素子を配置しているレーダーのことを指します。
アンテナを回転させることなく電気的な動作のみで任意の方向にレーダーを照射したり受信したりします。
それぞれの方向の送受信を担当する素子を一区切りごとに配置しているアンテナということで『フェーズ(フェイズ)』がついた名称がついているのではないでしょうか。
フェーズゲート
プロジェクトはフェーズ1が終わるとフェーズ2といったように、フェーズごとに進められます。そして、マネジメント側としては、このプロジェクトを今のまま進めていいのかを話し合う会議が開催されるのが通常です。この会議のことを『フェースゲート』と呼んでいます。
心理学用語としてのフェーズ
ここでご紹介する言葉は、人の真理に働きかける用語として昔から存在していた造語ですが、テレビ番組『チーム・バチスタの栄光』の中で使われたことで広く世の中に広がりました。
アクティブフェーズ
相手の心に突き刺さるような発言をしたり、強い口調で責めたりして相手に怒りの気持ちをもたせ、その勢いで真実を語らせてしまう手法のことをいいます。
パッシブフェーズ
アクティブフェーズの反対です。つまり、相手の立場に立って会話をすることで『親身になってくれている』という気持ちにさせ、信頼できる相手に話すように真実を語らせてしまう手法のことをいいます。
フェーズの使い方例文
(例文にプロジェクトを入れた為最後に)
意味がわかってもどのように使えばいいのか迷う人は多いはず。そこでここでは例文をいくつかご紹介しておきます。
【例文1】
次の新商品については現在市場調査の最終段階に入っており、来月はじめには次のフェーズに入れる予定です。
【例文2】
このプロジェクトは立ち上げたばかりなのでまだフェーズ1で、フェーズ2に入れるのはもう少し先になりそうです。
【例文3】
現在日本でのインフルエンザはフェーズ6のパンデミック*期で、急速に感染が拡大しているといえるだろう。
(パンデミック*:全国的・世界的に大流行している感染する病気)
意味や使い方を理解して正しく『フェーズ』を使おう
使う業界やシーンによって多少の意味合いは違ってきますが、『段階』や『一区切り』というような意味で使われることに変わりはありません。類語との違いも正しく理解してカッコよく『フェーズ』を使いこなしてください。