オペレーションとは「業務の管理・実行」のこと!
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この会話の新人くんが疑問に思ったように、オペーレーションにはいろいろな意味があり、分野ごとで違った使い方があります。そのため、一つの意味で覚えていると、間違った解釈をする可能性もあります。
今回は、さまざまな分野で使われているオペーレーションの意味だけでなく、英語の意味もあわせて学べるよう、情報を簡潔にまとめました。例文も紹介するのでチェックしておきましょう。
オペレーションの意味をチェック
業務の管理・実行を担う業界では、オペーレーションという言葉が使われることが多いです。「そんなところにもオペレーションがあるのか」と感じる業種もあるかもしれません。それでは、各分野のオペレーションについて解説していきますね。
①:ビジネス
一般的なビジネスシーンでは、『業務の管理・実行』を指す場合が多いです。ほとんどの業務において、「まず①をやって、次に②をやって…」というように、進める手順がありますよね。これも一つのオペレーション。マニュアル化されているものもあれば、個人的に決めているものもあるでしょう。
また、作業現場においては、機械の操作がありますが、この操作手順もオペレーションになります。
そのほか、経営陣が行うオペレーションもあります。まず、どんな企業を目指すのか、特にどの分野に力を入れるのかなどの戦略を練ります。そして、その戦略に基づき実行するためには、計画的な資金調達や人員の調整、スケジュール調整などが必要になります。このように管理することをオペレーションマネジメントといいます。
②:飲食
飲食業、特に大型チェーンでは、店舗を運営していくにあたり、作業手順や管理方法がきっちりと決められているもの。これを『店舗オペレーション』と呼んでおり、その中でも、次の3つの分野に分けられています。
飲食業界で働く人は、こうした用語を知っておくと、会話の中で登場したときに困らないですね。
③:IT
IT業界においては、主にソフトウェアやハードウェアの操作・工程・運用の意味で使われることが多いです。しかし、一般的なビジネスシーン同様、『業務の管理・実行』の意味合いで使われる場合もあるので、IT業界では文脈から意味を判断することが大切になります。
④:イベント
新作イベント、映画の公開イベントなど、イベントは長い期間をかけて準備をします。しかし、当日の進行がうまくいかなければ、成功させることはできません。そのためにも進行手順をきっちりマニュアル化しておかなくてはいけません。
スタッフはどこに何人配置するのか、何をするのか、ステージショーにどのくらいの時間を要するかなど、実行・管理することがイベントにおけるオペーレーションになります。
⑤:金融
金融業においては、多くの業務に決まった手順があり、しっかりと実行・管理されています。このような業務全般をオペレーションといいます。また、日本銀行の公開市場においては『買いオペレーション』『売りオペレーション』という言葉があります。
金融業界で働く人は、『買いオペ』や『売りオペ』の意味も知っておきましょう。
⑥:医療
医療の分野においては、『事務部門の作業』『各課の作業』のほか、『手術』のこともオペレーションといいます。特に、手術については『オペ』と略されて使われることが多く、医療関係者以外にも広く知らているカタカナ用語となっています。
⑦:建設
建設業では、クレーン、ショベルカーといった重機を操作する作業が多くありますが、これを『重機オペレーション』と呼んでいます。これらの重機は、専用の免許を取得した人しか操作することができないため、『オペさん』と呼ばれることも多いです。
また、建設の前段階である設計では主にCADを操作しますが、この作業は『CADオペレーション』といいます。
英語のオペレーションの意味やスペル
カタカナ用語としてのオペレーションは、分野ごとにいろいろな意味で使われていましたが、英語でも同じような解釈をしてもいいのでしょうか?言葉を正しく理解するためにも、ここで英語の意味について明確にしておきましょう。
英語のオペレーション(operation)
オペレーションのスペルは『operation』で、こんなにたくさんの意味をもつ単語として使われています。
■運転
■動き方
■経営
■運営
■作業
■手術
■行動
■演算 など
そして、英語のoperationを使った熟語にはこのようなものがあります。
■operation allocation(作業割り当て)
■operation capability(作業能力)
■operation date(手術日)
■operation fund(運転資金)
■assembly operation(組立作業) など
動詞の「operate」がベース
operationは名詞ですが、『操作する』『活動する』などの意味をもつ動詞の『operate』がベースになっています。そして、操作をする『人』を表すときは『operator』を使うので、あわせて覚えておくと便利です。
オペレーションの使い方・例文
業界によって、少しずつ違う意味をもつオペレーション。実際の会話ではどのような形で登場するのでしょうか。ここでは一般的なビジネスシーンを想定した例文をいくつか紹介するので、参考にしてください。
オペレーションを行う・オペレーションする
上司
先輩
オペレーションが悪い
オペレーションミス
上司
オペレーションの類語・言い換え表現
多くのカタカナ用語には、似た意味の言葉があります。そして、日本語の言葉に言い換えることができることも少なくありません。オペレーションという言葉には、いったいどのような類語が存在するのでしょうか。区別して使えるようにするためにも、一緒に学んでおきましょう。
似ているカタカナ語
まずは、オペレーションと意味が似ているカタカナ語をいくつか紹介します。どんな違いがあるのか比較してみましょう。
ディレクション
ディレクションには、オペレーションと同じように『管理』の意味もありますが。しかし、『指導』『監督』といった、指揮をとる行動を主に表します。管理というよりも、方向性を決めて導くというイメージです。ディレクションについては次の記事で解説しています。
ディレクションとは?日本語と英語の意味は同じ?Web・ITや音楽業界における使い方を解説
マネジメント
マネジメントは、『管理』『経営』を意味するカタカナ用語。そして、実際に行動に移す行為が前述した『オペレーションマネジメント』になります。また、マネジメントについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
マネジメントの意味とは?役割やリーダーシップとの違いって?仕事で参考にしたい事例3つも解説
コントロール
コントロールとは、『ちょうどいい感じに調整する』の意味で使われる言葉です。『管理』の意味もありますが、実際に操作する中で『調整』する作業が発生します。つまり、『オペレーション(=管理)の中でコントロール(=調整)が必要である』と考えるとわかりやすいでしょう。
ハンドル
車のハンドル、機械のハンドル、自転車のハンドルなど、操作するときに握る部分を表す『ハンドル』が一番知られていますよね。そして、「ハンドルを握る」「ハンドルを切る」といった使い方がもっとも馴染み深いでしょう。
ハンドルは操作するために握る『部分』なので、「ハンドルを握ってオペレーションする」と考えれば簡単ですね。
言い換え表現
会話をしている中で、「オペレーションという言葉を日本語で表現したいな」と思う場面があるかもしれません。ビジネスシーンで主に使われる『業務の管理・実行』を意味する言い換え表現をいくつかあげてみました。
・舵を取る
・制御する
・操縦する
・思うように操る など
日本語のボキャブラリーとしても、このあたりの表現は知っておくと便利です。場面によって使い分けてみてください。
ビジネス用語のオペレーションを知っておこう!
機械やソフトウェアを操作する以外にもビジネスでは『オペレーション』を使う場面はあります。意味を正しく理解し、シーンに適した使い方ができるようにしておきましょう。