ベーシックインカムとは?制度や導入国からメリット・デメリットまで徹底解説

ベーシックインカムとは「みんながもらえる基本給」

いろいろな国で格差が広がり、貧困で苦しむ人もたくさんいますが、日本も例外ではないですよね。

格差や貧困の問題を解消するために、各国で「ベーシックインカム」という制度が注目を集めています。

これは端的にいうと「みんなが無条件にもらえる基本給」のようなものです。

現金を支給してくれるなんて夢のような話ですが…!テレビでもときどき取り上げられる話題なので、どんな意義があるのか理解しておきましょう。

ベーシックインカムの意味

ベーシックインカムとは、英語の「basic income」に由来する言葉です。 「basic」=「基本」、「income」=「収入」という意味があり、直訳すると「基本の収入」になります。

ベーシックインカムは、すべての国民に一律にお金を給付する制度を指します。生活するには何かとお金がかかりますが、最低限のお金を基本の給付として与えるという仕組みなのです!

「すべての日本人に一律で毎月5万円を与えます!」

・・・といわれたら、家賃や食費の足しにできそうですよね。

ただ、お金は湯水のように湧いてくるものではありません。ベーシックインカムにはメリットとデメリットがあるので、「お金をもらえるなんてラッキー!」で終わらせるのはNGです。

[例文]

「日本でもベーシックインカムがあれば生活が楽になるんだけどなぁ…」
ベーシックインカムによって格差が是正されるはずだ!」

ベーシックインカムのメリット・デメリット

ベーシックインカムの必要性については、各国で議論されています。メリット・デメリットがあるので、いろいろな観点からディスカッションがなされているのです。

賛成派も反対派もいるわけですが、あなたもベーシックインカムの是非について考えてみてください!

メリット

みんながお金をもらえたら、貧困に苦しむ人には特にありがたいですよね。しかし、実際には他にもいろいろな効果が期待できると考えられています。

・貧しい人の救済につながる。
・物価の安い地域に住む人が増え、地方が元気になる。
・子供にも給付されるので、少子化対策になる。
・基礎的な年金、生活保護などの社会保障を集約して、シンプルな制度にできる。
・多くの社会保障が統合されると、手続きに関わる人件費の削減ができる。
・所得に関係なく給付されるので、無職の人もさらなるお金を得ようと労働意欲が高まる。
・消費が活性化され、景気が回復する。

ベーシックインカムには、理論的にこのようなメリットがあります。ただ、本当にこうした影響があるのかどうかは、社会的な調査・実験で検証する作業が進められているところです。

デメリット

お金をみんなに与えるというのはうれしい仕組みなのですが、それだけ財源を使うことにもなるので、慎重に考える必要がありますよね。ベーシックインカムには、こんなデメリットもあるといわれています。

・「富裕層にも支給するのは意味がない」という声がある。
・生活保護などが集約されると、ベーシックインカムだけで生活しなければならない人が出てくる。
・将来への不安から給付を貯金に回す人が出てくるので、景気は回復しない。
・財源を確保する方法について議論が必要。
・雇用者が給与を減額するケースが出てくる。

たしかに、同じようにお金をもらっても、すべての人が消費に回すとは限らないですよね。

しかも、「ベーシックインカムがあるからいいじゃん!」という感じで、雇い主が一方的に給料を下げてくる可能性もあります…。

メリットだけでなく、デメリットについてもしっかり考えていく必要がありそうですね。

ベーシックインカムの導入国

ベーシックインカムの効果については、いろいろな国が注目しています。2018年現在、いくつかの国で導入実験が進んでいる段階です。

アメリカ

2018年には、アメリカ・カリフォルニア州のストックトンという市でベーシックインカムの実験が始まりました。この実験は、非営利団体が資金を提供して実施されています。

[実験] 約100人の市民に毎月500ドル(約56,000円)の現金を支給します!

100人と規模は小さいのですが、健康や育児、教育などにどんな影響があるのか調べられています。

フィンランド

福祉の面で先端をいくフィンランドでも、2017年1月〜2018年12月まで、ベーシックインカムの試験的な導入をしています。

[実験] 2,000名の失業者をランダムに選んで、月に560€(約73,000円)のお金を給付します!

失業中の人が対象ですが、働いても現金による給付が受けられるので、就業のきっかけになることが期待されています。果たしてこの実験で失業率が下がるのでしょうか…!?

いい結果が得られれば、いろいろな国のモデルとなり得るので、実験の結果が待たれるところですね。

どの導入例でも、ベーシックインカムの金額は日本円でだいたい5万円〜10万円以下となることが一般的のようです(※物価の違いもあるので、日本と単純比較はできませんが…)。

ベーシックインカムの類語・関連語

ベーシックインカムとほぼ同じ意味を持つ用語として、おさえておきたいものをご紹介します。

BI

ベーシックインカムの英語の頭文字をとって、「BI」と略すことがあります。他にBIという略語が使われる場面はいろいろありますが、企業のデータを分析する「ビジネス・インテリジェンスツール」の略であることが多いです。文脈に応じて解釈していきましょう。

ミニマムインカム

ミニマムインカムは、ベーシックインカムと同じ意味で使われます。「minimum(最低の)」という英語に由来しており、ここでは「basic(基本の)」と同じような意味合いで用いられています。

ベーシックインカム制度で暮らしは変わるのか

目先の生活だけを考えると、一律でお金を給付してもらえるというのはありがたいことです。しかし、ベーシックインカム制度の導入によって、年金や生活保護の制度もなくなってしまいます。

未来のことも考えて、ベーシックインカムの是非をしっかり検討していくことが大切になりそうですね。現在は導入実験が各国で行われているので、人の暮らしがどう変わるのか、結果が待たれます。