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ハラスメントとは?定義や種類、企業の対応策を解説

新人

久々に会った地元の女子に彼氏できた?って聞いたらセクハラ認定されちゃいました!
親しき中にも礼儀あり、だよ。悪気はなくてもハラスメントになっちゃうこともあるから、気を付けないと!

先輩

近年、社会問題として注目度が高まっている「ハラスメント」。ビジネスの場でもさまざまな事例が報告されています。今回はハラスメントの定義や種類、企業における予防策や対応策について解説します。

ハラスメントの意味

ハラスメントの語源は英語の「Harassments」。意味は「苦しめる、悩ませる」で、いじめや嫌がらせを指します。相手を不快にさせる、不利益や脅威を与える、尊厳を踏みにじる言動はハラスメントに該当します。

例文
・冗談のつもりでも、その発言はハラスメントになりますよ
・部下へのハラスメント行為が発覚し、懲戒処分を受けた

ハラスメントの種類と具体例

新人

最近は「これもハラスメントになるの?」って思うような事例が増えてますよね。
ハラスメントはその状況や受ける側の感覚によっても変わるからね。「嫌がらせのつもりはなかった」では通用しなよ!

先輩

社会が多様化するにつれて、従来見過ごされてきた言動もハラスメント行為と認識されるケースが増えています。職場においては「パワハラ」が真っ先に思い浮かぶ人が多いかと思いますが、それだけにとどまりません。ここでは最近特に注目されるハラスメントの種類と具体例をご紹介します。

モラルハラスメント(モラハラ)

倫理や道徳(=モラル)に反する嫌がらせ。言葉や態度、文書などで相手を精神的に追い詰める行為を執拗に繰り返すことが該当します。直接的な暴力行為を伴わないハラスメントの典型で、職場や家庭内で起こりやすいとされています。

モラハラ
・相手の人格を貶める発言(馬鹿、無能など)を繰り返す
・配偶者の予定や行動を執拗に監視したり制限しようとする
・職場で特定の人の陰口を言う

マタニティハラスメント(マタハラ)

妊娠や出産をした社員に対し、職場で行われる嫌がらせ行為。降格や減給、異動など懲罰的な人事もマタハラに該当します。

例文

先輩

保育園から、子供の発熱の連絡が…申し訳ありませんが、今日は早退させていただきます。
え、また⁈お子さん体弱すぎじゃない?ママが常に傍にいるべきなじゃないかなぁ…

上司

先輩

ご迷惑をおかけしているのは承知していますが…それってマタハラですよ!

ソーシャルメディアハラスメント(ソーハラ)

FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに職場などの人間関係を持ちこみ、ストレスを与える行為を指します。

ソーハラ
・上司がプライベートで親しくない部下に「友だち申請」したり、投稿を頻繁にチェックする
・自分の投稿へのコメントや「いいね!」を無理強いする

エイジハラスメント(エイハラ)

年齢を理由に行われる嫌がらせ行為のこと。職場で女性に対して行われるケースが典型ですが、性別・年代に関わらず該当する可能性があります。言葉や態度の他、仕事の制限などもハラスメント行為に含まれます。

内館牧子氏の長編小説「エイジハラスメント」や、そのドラマ化によって一気に認知度が高まりました。

エイハラ
・年少の部下に「君はまだ若いから」という。名前を「ちゃん」付けで呼ぶ
・年長者を「おばさん」「おじさん」呼ばわりする
・「もう30代だよね。そろそろ結婚相手見つけないと行き遅れるよ。」

ハラスメントと企業リスク

先輩

ハラスメントは、今や企業にとってはリスクの1つ。きちんと対策する必要があるんだよね。

職場内のハラスメントは、これまで当事者間の問題として軽視されるケースが少なくありませんでした。しかしながら最近では法整備も進み、企業が問題を放置することのリスクが高まっています

パワハラ防止法の施行

2020年6月から、日本で初めて企業に対するハラスメントの防止義務を課すパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行されます。これに伴い、厚生労働省はハラスメントの定義や事例についてくわしく紹介しています。
参考 あかるい職場応援団厚生労働省

同法には、今のところ罰則規定はないものの、ハラスメント防止に対する意識の高める効果が期待されています。
職場におけるパワハラの定義は?これってパワハラ?と思った時の対処法も紹介

労働安全衛生法による規定

労働安全衛生法には、事業者は従業員に快適な職場環境を提供するよう定めています。
参考 労働安全衛生法電子政府の総合窓口

具体的な記述はないものの、ハラスメントが職場環境を悪化させることは明らかです。従業員のメンタルヘルスを損ない、生産性を低下させ、離職増加につながる恐れもあります。また「ブラック企業」との風評リスクや、従業員からの訴訟リスクもありえます。

ハラスメント防止は、職場の安全衛生上も必要なのです。

ハラスメントの予防策と対応策

先輩

職場のハラスメントって見極めにくいケースも多いんだよね。実際、対策をとるのも難しいんだよ…

職場内では、業務上の必要があって厳しい言動がとられることも。ハラスメントの線引きは容易ではありません。ここでは、企業によるハラスメントの予防策と対応策について解説します。

ハラスメントの予防策

企業がとるべきハラスメントの予防策としては、以下の項目が挙げられます。

・ガイドラインの策定
・社員への周知と教育
・内部通報制度の整備
・相談窓口の設置

暴行や暴言など、明らかな行為は別として、なにがハラスメントにあたるかは、各社の状況に合わせて検討する必要があります。また、実際にハラスメントが起きた場合に備え、迅速な情報収集や関係者対応ができる体制づくりも重要です。

ハラスメントが起きた場合の対応

充分な予防策を講じたとしても、ハラスメントが起きる可能性をゼロにするのは難しいでしょう。実際にハラスメントが起きた場合は、迅速かつ的確な対応とともに、再発防止策を講じる必要があります。以下に一般的な対応フローをご紹介します。

STEP.1
事実関係の把握
報告を受けた場合、速やかに当事者や関係者に事実を確認する
STEP.2
事情聴取
人事など中立的な立場の人物や組織が当事者に聴取を行う。相互に言い分が異なる場合は、弁護士など外部の利用も検討。
STEP.3
関係者の処分やフォロー
ハラスメントが認められた場合、行為者には懲戒、相談者には精神面のケアや異動など必要な措置を行う
STEP.4
社内への周知・啓発
再発防止のため、事実を社内周知する。ただし二次被害防止のため、プライバシー保護には充分留意する。
STEP.5
訴訟対応
訴訟に発展した場合は、第三者機関や弁護士など外部と必要な連携を図る

ハラスメントは他人事ではない!

なにげない言動が、他人を不快にしているということは、誰にでも起こりえます。知らず知らずのうちに自分がハラスメントの加害者、被害者になっているかも。

特に職場においては、今後ますますハラスメントに対する意識を高めておくことが重要といえるでしょう。