ワークショップとは「参加型講習会」のこと
上司
新人
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ワークショップは「参加型講習会」という意味で使われるケースが多いカタカナ語です。
近年では、学校の授業や企業の採用試験で、ワークショップを行うのも珍しくなくなっています。皆さんも一度くらい経験したことがあるかもしれませんね。
でも、新人君のようにワークショップの意味をあいまいに理解していると恥をかくことがあるかも。よく耳にする言葉ほど、正しく理解して使いこなせるようになっておきましょう。
ワークショップの意味を解説
ワークショップは「参加型講習会」という意味をもつカタカナ語です。手芸などの趣味にかかわるワークショップの宣伝は、新聞やインターネットの広告でよくみかけますよね。
しかし、ワークショップには、ほかの意味もあるんです。
ワークショップが、どのような言葉なのか正しい意味を確認しましょう。
英語のワークショップ(workshop)はどんな意味?
英語のワークショップ(workshop)を真ん中で分けると、「work」と「shop」です。
■work…「仕事」「労働」「作業」
■shop…「小売店」「工場」「事業所」
こんな意味を持つ「work」と「shop」がくっついて「workshop」になると、どのような意味になるのでしょうか?
・作業場
・工場
・問題解決に重点を置いた研究集会
・少人数で交流しながら行う勉強会
「work(仕事)」する「shop(工場)」で「workshop(仕事場)」と考えれば、単語を暗記しやすいですね。
「workshop」の「作業場」は、ひとりで作業する場ではなく、複数人が作業する場というニュアンスがあります。
複数人で作業を行う場という点から「研究集会」や「勉強会」の意味を連想するといいですよ。
カタカナ語のワークショップとは?
カタカナ語のワークショップは、次のような意味をもつ言葉です。
・作業場
・参加者が、専門家に助言をもらいながら行う問題解決のための研究集会
・参加型講習会
英語の「workshop」とカタカナ語のワークショップは、ほとんど同じような意味になりますね。
ワークショップは「仕事場」や「作業場」という意味だけでなく、「研究集会」や「講習会」という意味でも使用できるカタカナ語として広まっています。
ビジネスにおけるワークショップの意味
企業でワークショップといえば「問題解決のための研究集会」や「参加型講習会」の意味で用いるのが一般的です。
ワークショップでは、参加者同士が積極的に話し合ったり、体験したりするのを通じてテーマに関する理解を深めます。そういった意味で「参加型」という表現を用いています。
また、ほかの参加者と経験を分かち合う点を重視しているのもワークショップの特徴です。
企業が行うワークショップの種類と目的
研究集会や講習会と聞くと、教育的なイメージを強く感じませんか?しかし、企業でのワークショップは、純粋に教育のためだけに行われるわけではありません。
企業が、どのような目的でワークショップを実施するのかみていきましょう。
社員研修ワークショップ
社員研修に組み込まれたワークショップが社員研修ワークショップです。研修の手法として取り入れる企業が増えています。
ワークショップの参加者は、自ら積極的に話し合ったり、体験活動に臨んだりするように求められます。積極的な姿勢で学んだ事柄は、受け身で学ぶ内容よりも頭に残りやすいですよね。また、ワークショップを通して参加者の親睦を図る目的も。
企業が行うワークショップの運営をあえて新人に任せて、社員に経験を積ませている会社もあります。
ビジネスワークショップ
ビジネスワークショップは、新規プロジェクトを始めるときや、ビジネス戦略を考えるときに便利な手法です。
ビジネスワークショップでは、プロジェクトや会議のメンバーがそれぞれアイディアを持ち寄り、積極的に意見交換しながら新しいものを作り上げていきます。
参加者同士が刺激し合うことで、それまでになかった斬新な考えを編み出すのが狙いです。
イベントワークショップ
イベントワークショップは、企業が自社の商品やサービスを宣伝する目的で行うもの。イベントで消費者を呼び、体験活動などを通して商品のよさを伝えます。
イベントワークショップは、多少なりともそのテーマに興味関心を持っている人たちが集まってくるため、売上につながりやすいPR手法です。
テレビやインターネットなどのメディアでは、使えられないリアルな体験をお客さんに提供できます。ターゲットの反応をみながら、より興味を引けそうな角度から売り込みをかけられるメリットも。
採用選考ワークショップ
採用選考ワークショップは、企業が就職活動中の方を対象に試験として行うワークショップです。応募者をふるいにかけるのが目的なので、企業がみているのはワークショップで出される結論だけではありません。
ワークショップを通して参加者一人ひとりの対応力や、課題に取り組む姿勢、リーダーシップなどが評価されます。
企業ワークショップは意味がない?失敗の原因と対策
せっかくワークショップを開催したのに「ワークショップは、意味不明」「参加したけど意味ない時間だった」などの感想が参加者から出てしまう場合があります。
なぜそのような事態になるのでしょうか?よくある失敗の原因と対策について、おさえておきましょう。
初対面が集まって盛り上がらない
参加者が初対面だったり、あまり親しくない人間ばかりだったりすると、話づらくて盛り上がらないワークショップになってしまう場合があります。
そんなときには、アイスブレイクが便利です。アイスブレイクは、緊張をほぐすためのアクティビティ。ちょっとしたクイズやゲームなどで、固くなった参加者の心をほぐす効果が期待できます。
アイスブレイクについて、くわしくは下記の記事で紹介しています。ぜひ読んでみてください。
アイスブレイクの意味は?緊張をほぐす自己紹介・頭の体操・クイズのネタを大公開参加者のレベルが違いすぎる
参加者のレベルが違いすぎると、ワークショップの内容についていけない人が出たり、逆に簡単すぎて物足りなく感じてしまったりします。
初めてだけど興味がある人向けのワークショップと、基礎的な事柄がわかっていてさらに深く知りたい人向けのものは、当然内容が異なりますよね。
参加者のレベルは、事前に統一したり、分けておいたりすることをおすすめします。
参加者がテーマを理解する前に始めてしまう
ワークショップのテーマが、参加者に明確に示されていますか?参加者にテーマを理解する時間をしっかり与えましたか?
参加者が、テーマを理解していないのにワークショップを始めてしまうと、テーマからそれた議論になってしまう恐れが高くなります。また、参加者に考える時間を十分に与えておかないと、アイディアが集まらずに話が盛り上がらないままワークショップが終わってしまうケースも。
具体的なテーマを用意し、参加者が準備できるように、余裕をもって事前通知しておきましょう。
楽しかったで終わってしまう
参加者の感想が「楽しかった」で終わってしまうと、主催者が期待したような結果を得られません。
価値あるワークショップにするためには、参加者になぜ今この作業を行っているのか、しっかり自覚させる必要があります。活動で得たもの、気づいた事柄などを復習する時間ももうけるようにしましょう。
事前準備が不十分
ワークショップの成功は、事前準備にかかっています。ワークショップの進行が準備不足でぐちゃぐちゃになるという事態に陥らないよう注意しましょう。
なるべく参加者が活動しやすい雰囲気の会場を準備しておくことをおすすめします。必要な道具はそろっていますか?
参加者のスケジュール調整も重要です。ワークショップの途中参加や途中退席は、ほかの参加者の集中を切らす原因になります。全員がすべてのプログラムに参加できるよう呼びかけておきましょう。
ワークショップの成功のカギはファシリテーター
ワークショップの進行役をファシリテーターと呼びます。ファシリテーターは、客観的な立場でワークショップを進行し、場をコントロールするのが役目です。
ファシリテーターは、参加者の様子に目を配って、話題がずれていたら軌道修正します。そして、困っているグループには意見交換を進めるために必要なきっかけを与えます。
ファシリテーターになるなら、ファシリテーションというスキルは身につけておきたいところです。ファシリテーションは、下記の記事でくわしく紹介していますよ。
ファシリテーションとはどんな意味?ビジネスで使える例文、ファシリテーションスキルを高めるコツを解説!ワークショップの使い方・例文
企業は、いろいろな目的でワークショップを開催しています。この見出しでは、「ワークショップ」という言葉そのものの使い方を紹介します。ビジネス会話でのワークショップを例文でイメージしてみましょう。
上司
新人
上司
先輩
新人
ワークショップの参加者は受け身ではダメ!
ワークショップの参加者は、受け身でいてはもったいないです。ワークショップには、話し合いや体験活動をサポートしてくれる進行役や講師がいる場合もあります。しかし、ワークショップの主役はあくまで参加者です。
自らが積極的に活動に参加しなければ、ワークショップの学習効果は半減してしまいます。
せっかくワークショップに参加するのなら、意欲的に学び、有意義な時間を過ごしましょう。