「ご入用(ご入り用)」は”必要ですか・いりますか”ってこと
クライアント
担当
クライアント
「ご入用」とは、”必要ですか”や”いりますか”の意味で使われている言葉です。
なにか必要なものがあるとき、一般的には「いりますか」が使われるため、若年層では耳慣れない人も多いかもしれません。どちらかと言えば、ビジネスシーンやホテル、式場のフォーマルな場で使用される言葉です。
「ご入り用」と同じ意味の類語はほかにもあります。ビジネスシーンで言葉の幅を広げるために、「ご入り用」の意味や類語もしっかり理解しておきましょう。
・ご用命
・ご要望
など
「ご入用(ご入り用)」は敬語?読み方は?
「ご入用」は「入用」に接頭語の「ご」をつけた尊敬表現です。”いりますか”をさらに丁寧にしているので、目上の人に対しても使用できます。営業の場で使う機会が多く、日常生活でも商売人から”ご入用のものはありますか?”と聞かれるケースもあります。
さて、この「入用」ですが、「いりよう」と「にゅうよう」のどちらでも読めます。そして「要り用」と書く人も多いですが、これは「入用」の誤字・誤用になります。
最近はパソコンやスマホによる「ご入用」の予想検索でも「ご要り用(ご要りよう)」が登場しますが、本来は「要り用」と表現される単語はありません。正しくは、「要(い)る」や「要用(ようよう)」が「入用」と同じ意味の言葉になります。
「ご入用」を使った例文
「相手に必要なものを聞く」ときにプラスして、「必要かどうかを聞く」際に使用する「ご入用」。ビジネスシーンでは使う機会が多いので、ここではシチュエーションにあわせた例文をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
「ご入用でしょうか」を使った例文
クライアント
担当
クライアント
クライアント
担当
相手に必要かどうかをたずねる際に使用します。日常生活でもよく使う「いる?」や「いります?」のニュアンスを、尊敬表現にした形で使えます。
「ご入用ですか」を使った例文
Aくん
店員
Aくん
先輩
後輩
「ご入用でしょうか」よりもソフトな表現での使い方です。「でしょうか」と「ですか」はどちらも相手にたずねる表現ですが、違いは相手に対して”尊敬を示す際に使う表現”と”丁寧な表現”によって分けられます。
敬語である「ご入用」には「でしょうか」を使うのが適切ですが、距離感が近い、または崩した雰囲気の場では「ですか」を用いて和らげた表現にしても問題ありません。
「ご入用の際」を使った例文
「ご入用」の表現は固いイメージがあるため、主にビジネスシーンやホテル、式場で使用されています。相手に必要なものを聞くシチュエーションとなれば、営業の場面での使用が必然的に増えます。次の契約につなげる際に使える「ご入用の際」の使い方を例文でご紹介します。
クライアント
担当
“次に必要な機会があればこちらまでお願いします”と、関係をつなげたいときに使用できます。
Aくん
案内係
また、接客業や客人をもてなすとき、その場から離れる際にも”用事があればお申しつけください”の意味での使用も可能です。
自分に対して「入用」を使った例文
「入用」は自分に対しても使えます。ただし、「ご入用」だと自分自身に敬語を使ってしまうので、自分に使うときは必ず「ご」を抜いて「入用」とします。
先輩
後輩
部下
課長
「ご入用」の類語は?似ている言葉との違いも検証
「ご入用」は「必要ですか」を敬語にした言葉です。つまり、「必要ですか」の意味と同じ言葉が類語にあてはまります。
例えば、「ご利用」「ご用命」「ご要望」。これらは意味が同じ、または似ている言葉ですが、なかには使うシチュエーションやニュアンスによって「ご入用」とは意味が異なる言葉があります。ここでは「ご入用」の類語との違いについて検証します。
「ご入用」と「ご利用」の違い
「ご利用」とは、「利用」に「ご」をつけた「利用」の尊敬表現です。「利用」とは「使う」や「使用」を意味し、「必要」を意味する「ご入用」とは異なります。
「欠かせないもの」と「使う(のに欠かせない)」は同じニュアンスで受け取られ、どちらの意味でも通じるケースが多いです。しかし、本来はまったく別の意味の表現になります。
クライアント
担当
「ご入用」と「ご用命」の違い
「ご用命」とは、“用事を命じる=命令を意味する「用命」”に「ご」をつけた尊敬表現です。「必要」と「命令」ではまったく意味が異なります。しかし、相手に必要なものを聞く=命令のニュアンスに受け取る人が多く、「ご入用」の言い換え表現として「ご用命」を使う人もいます。
クライアント
担当
Aくん
担当
上司
部下
※「ご用命」をもっとよく知りたい人はこちらの記事がおすすめです!↓↓
「ご用命」の意味は?使い方や類語・英語表現・「ご下命」との違いも解説!
「ご入用」と「ご要望」の違い
「要望」とは期待している意味をもち、「ご」をつけて尊敬表現にした言葉です。相手が望む声、期待に応える場合は”要望に応える”と表現します。
上司
部下
「ご入用(ご入り用)」の英語表現
「ご入用(ご入り用)」はビジネスシーンにおいて使われるフレーズです。英語で表現しなければならないときに備えてメールや会話での使い方を事前に身につけておきましょう。
necessary
need
と表現できます。
「ご入用(ご入り用)」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒納品の数はいかほどご入用でしょうか?
・Do you need the receipt?
⇒領収書はご入用でしょうか?
・Is there anything else necessary?
⇒ほかにもなにかご入用ですか?
・If necessary let’s discuss.
⇒ご入用の際にはご相談ください。
・If you need anything please ask at the front office.
⇒なにかご入用の際には、フロントまでお声がけください。
「ご入用」をビジネスシーンで正しく使おう!
「ご入用」は”必要ですか”や”いりますか”の意味をもち、ビジネスシーンでも使う機会の多い言葉です。顧客やクライアントへの営業、目上の人とのコミュニケーションの際には使用するシチュエーションが増えます。
使い方の間違いに気づかない人も多いですが、正確に意味や漢字の読み書きを理解すれば正しく使いこなせる表現です。意味が似ている類語を適切なシチュエーションごとに使い分け、ビジネスシーンでは「ご入用」を的確に使いこなしましょう!