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今回は、日商簿記初級の内容や勉強方法について、詳しくご紹介します。
そもそも簿記ってどんな資格?
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ここではまず、簿記がどんな資格なのか、基本を押さえておきましょう。
簿記を学べば、ビジネスへの理解が深まる
個人でも企業でも、あらゆるビジネスにおいて、日々の取引の記録は欠かせません。そのためのルール・技法が簿記なのです。
自社の業績を把握したり、正しく税務申告を行うためには、ルールに基づく会計処理が必要です。事業規模が大きくなれば、それだけ取引も複雑になるもの。さらに上場企業なら、対外的な業績公表の義務も課されてきます。その根幹になるのが簿記なのです。
業種がかわっても、この原則はかわりません。つまり、簿記とはすべてのビジネスに共通する言語のようなもの。簿記を理解することで、ビジネスへの知見が深まるのです。就職や転職に有利と言われるのは、こうした背景ゆえでしょう。
受験するなら日商簿記がおすすめ
簿記検定は主催団体が複数ありますが、最も受験者数が多いのが日商簿記。商工会議所が主催する検定で、簿記と言えばこちらを指すほど、認知度が高いです。初級から1級までで、各級の概要は下表の通りです。
初級 | 3級 | 2級 | 1級 | |
出題範囲 | 簿記基本原理 | 商業簿記(基礎) | 商業簿記
工業簿記 |
商業簿記
工業簿記 会計学 原価計算 |
到達レベル | 基本用語、複式簿記の仕組みが理解できる。 | 経理関連書類や青色申告を作成できる。 | 財務諸表から企業の経営内容を把握できる。 | 経営管理・経営分析ができる。税理士試験の受験資格が得られる。 |
合格率 | 60%前後 | 50%前後 | 20~30%前後 | 10%未満 |
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日商簿記初級ってどんな資格?3級とはどう違うの?
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ネット試験で手軽!
日商簿記初級の特徴は、その手軽さ。開催頻度や受験方法が、3級以上とは大きく異なります。ここでは具体的に3級との違いを比較してみましょう。
受験方法 | 受験料 | 試験日 | 出題数 | 試験時間 | |
初級 | ネット | 2,200円 | 随時 | 3題 | 40分 |
3級 | 筆記 | 2,850円 | 年3回 | 5題 | 120分 |
ネット試験は、商工会議所が指定する会場で、PC操作で受験する方法です。試験終了と同時に合否が分かる仕組み。操作体験版が公開されていますので、気になる人はあらかじめチェックしておくと良いでしょう。
参考
商工会議所の検定試験ネット試験(操作体験版)
指定会場は全国各地に複数あります。定期開催の他、希望に応じて受験日を設定する会場もあります。申込方法も会場ごとに異なるので、受験を希望する会場に事前の確認が必要です。
参考
商工会議所の検定試験ネット試験施行機関
出題範囲は3級より限定的!基本をしっかり学んでトライしよう
日商簿記初級では、簿記の基本的な用語、期中取引の処理・仕訳、月次集計・試算表の作成などが出題されます。扱う計算は初歩的なもので、決して難易度は高くありません。
なお、3級では初級で出題される仕訳問題の他、決算処理も範囲に加わります。より実務的な知識の習得が必要です。
簿記3級ってどんな資格?取得のメリットは?ゼロから始める人におすすめの勉強法やスクールを大公開!
初級は3級と比較すると、限定的な知識で充分対応できます。とはいえ、全く知識のない人が、事前準備なしで合格できるほど甘くはありません。それは60%前後という合格率を見ても明らかでしょう。簿記には独特の用語やルールがあり、入門編といえども一定の勉強は必要です。
サンプル問題が公開されていますので、受験を考えている方は、事前にチェックすることをおすすめします。
参考
商工会議所の検定試験サンプル問題
簿記初級の勉強方法は?
簿記初級の受験準備は、市販テキストの学習でOK。ここでは、おすすめを2冊ご紹介します。いずれも初心者向けに分かりやすく、簿記の基本を解説しています。将来的に3級以上を目指す人も、基本理解のために読んでおいて損はないでしょう。
スッキリわかる 日商簿記初級(滝澤ななみ著/TAC出版)
簿記テキストのベストセラーシリーズ。かわいい猫のキャラクター「ゴエモン」によるストーリー仕立てで、初心者にもわかりやすく簿記の基本を解説しています。問題集と一体型。これ1冊で合格を目指せます。
私みたいに簿記3級がいまいちわからず悩んでいる方や、簿記アレルギーをお持ちの方が自信をつけることができます。
この本のコンセプトは、理解することも重要ですがまずは繰り返し慣れて簿記のコツをつかんでってことでしょうか。ですので、若干は説明足らずな箇所があり理解できないところもでてくると思いますが、総じて満足できる内容です。 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R24QYWNU0CSEAG/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4813274730
土日で合格(うか)る日商簿記初級(資格の大原 著/中央経済社)
タイトル通り、効率的に簿記の基礎を学べる1冊。解説と練習問題の反復で、学んだことをすぐに復習できる構成になっています。コンパクトにまとまっているので、時間がない人にもおすすめです。
①無駄にページを行き来する事なく、解説と一緒に練習問題が記載されており、勉強→テスト→復習がすぐできるので効率がいい。
②無駄に華美なイラストではなく、必要な箇所のみ図解している。
③文字のレイアウトが整っており、文字も大きく行間も広めで、重要箇所は赤字で記載され、非常に読みやすい。
④わずか30ページほどのチャプター1~2を2時間読み込んだだけで、付属の模試で30点は取れた。https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2LWU4QR9U0G5W/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4502290815
この先へ踏み出す第一歩に!日商簿記初級にトライしてみよう
忙しい日々の合間を縫って、新しい知識を学ぶのは簡単ではありません。簿記がさまざまな領域で役立つと分かっていても、よほど必要に迫られていなければ、勉強に踏み出せないという人も多いでしょう。手軽に受けられる日商簿記初級は、そんな時にもきっかけを与えてくれる資格試験なのです。
簿記になんとなく興味がある人、勉強してみたいという人は、まずは初級にチャレンジしてみませんか?もしかしたら、この先のキャリアプランや人生の可能性が、大きく広がる第一歩になるかもしれません。