グロースハックとは『成長するために改善し続ける方法』のこと
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『ハック』と聞くと、「コンピューターの内部に不正侵入すること?」「ハッキング?」と思う人も多いでしょう。しかし、グロースハックはマーケティングの手法の一つで『成長するために改善し続ける方法』をいい、ハッキングとは別物なんです。
ネット環境が進化している中、企業を成長させていく手法として注目されているグロースハック。時代の波に乗り遅れないために意味や内容についてしっかり学んでいってください。
グロースハックの意味をチェック
グロースハックというマーケティング手法は、まだ日本では浸透しきっていないでしょう。しかし、IT技術がどんどん進化している現代において使われる場面も増えると考えられています。
まずはグロースハックがどういうものなのか、意味を明確にしていきましょう。
グロースハックとは
グロースハックとは、商品やサービスの情報を収集して分析し、改善点を定期的に観察・記録しながら、継続的に成長させていく手法をいいます。要するに、分析をして継続的に改善を加えていく、というニュアンスになります。
企業として開催するキャンペーンや広告の発行など、多くの費用がかかっていたこれまでのマーケティング手法に代えて導入したり、Web広告の制作や運用を外部の業者に委託したりする会社も増えています。
そして、実際にデータを分析し、どのように宣伝効果を高めていくか、どうすれば企業を成長させられるかを考える人をグロースハッカーといいます。
グロースハックマーケティングとは
通常のマーケティングでは、売れる仕組みを考えます。市場調査を行って消費者のニーズを知り、できあがった商品を認知してもらえるよう宣伝・広告活動をしていきます。
一方、グロースハックでは、従来のマーケティング活動に加えて商品やサービスの状況観察や分析も定期的に行います。
そして、その結果からさらに改善を加えたり、新しい商品やサービスの開発に活用したりし、継続的に企業を成長させていく手法をいいます。
売れる仕組みを考える点では通常のマーケティングと共通する部分もありますが、商品やサービスに改善を加えていくことから、『商品・サービス開発』の側面もあるのです。
グロースハックの英語
グロースハックは、英語では『growth hacking』と表記します。それぞれの単語の意味は次のとおりです。
■growth…成長、発展
■hacking…切り刻む、ぶった切る
また、hackingは『コンピューターに精通している人』を表す場合もあり、コンピュータに不正にアクセスする意味合いとして認識されがちな『ハッキング』はこの英語が元になっています。
しかし、正しくは、コンピュータの不正アクセスをする行為は『クラッキング』というので、マメ知識として覚えておくと便利です。
グロースハックという言葉が生まれたアメリカでも、日本と同じ意味で使われており、グロースハックをする人もグロースハッカーといいます。
しかし、アメリカではグロースハックの経験や実績をかなり積んだ人のみがグロースハッカーを名乗れるとされています。
グロースハックを重要視する企業とは?
ECサイト運営やインターネットサービスを事業とするうえで、グロースハックはとても重要視されています。
企業のマーケティング手法の改善や新たな構築といったグロースハック事業行っている会社が存在します。どんなことをしているのかを知るため、ここで3社紹介しておきます。
企業①:株式会社センタード
Webサイト制作・運用、集客、改善コンサルティングを事業としている、東京に本社がある企業です。
ネットビジネスの成果改善に特化した運営を行っていますが、Webサイトの立ち上げから運用だけでなく、抱えている課題の調査もサポートしてくれます。
Webサイトの運営も担ってくれますが、その中から情報の収集・分析も定期的に行い、必要に応じてさらなる改善をします。こういった点がグロースハック事業にあたります。
参考
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企業②:インターグ株式会社
グロースハック、Webサイト制作、インターネットメディア運営、Web広告の運用代行を事業としている、東京を拠点とする会社です。
Web広告については、リスティング広告*、アフィリエイト広告**、SNSに貼る広告など、形式はさまざまです。広告の運用を行いながら、これらの広告に対するユーザーの反応も把握することになるので、データ分析をしていると改善点も明確になります。
そしてその改善結果をまた観察・分析する。この作業を繰り返していくことがグロースハック事業となっています。
(リスティング広告*:検索結果に連動して表示される広告。)
(アフィリエイト広告**:インターネット上に広告を貼り、商品が売れたら手数料が支払われる広告。)
なお、アフィリエイトについては次の記事でわかりやすく解説しています。
[初心者向け]アフィリエイトのアの字から徹底解説!意味・仕組み・始め方まで完全ガイド
参考
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企業③:株式会社グロースハック
兵庫県を拠点とする会社で、成果改善まで『収集』『分析』『改善』『結果分析』の4つの局面にわけてサポートを行っています。そしてこの4つの作業を繰り返し行うことがグロースハックに該当します。
参考
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グロースハックに必要なツール3つ
グロースハックを行うには、さまざまな方法があり、ツールを使うことも重要だとされています。ここではいくつかあるツールの中から3つをピックアップして紹介します。
ABテスト
「AとBならどっちがいい?」というアンケートを受けた経験はありませんか?これは、グロースハックに有効とされている、ABテストと呼ばれているものです。
たとえば、洗濯用洗剤を対象商品をし、次のA、B二択のアンケートを実施するとします。
A:もっとも求める効果は洗浄力
B:もっとも求める効果は消臭力
現時点で販売しているものが洗浄力を押している商品だったとき、アンケート結果でBの人数が多かった場合、『消臭力UP』をうたえば手に取るユーザーは増えると見込むわけです
顧客の動向を調査する方法として採用されるケースも多く、専用ツールを提供している会社もあります。
参考
トップページOoptimizely
アクセス分析
膨大なデータから情報を分析することは、グロースハックには欠かせない作業です。アクセス状況、商品の売上情報、アプリの利用状況など膨大な量のデータの検証を人が目で見て行うには限界があるため、専用のツールも開発されています。
たとえば、以下のツールは、顧客分析に特化した解析ツールで、任意で顧客やグループを特定し、どのような特徴をもった人がサイトをアクセスしているのかを細かく分析できます。
参考 KISSmetricsとは?KISSmetrics口コミマーケティング
一般ユーザーも情報収集方法として口コミを検索する人は多いでしょう。グロースハックでもこの口コミでのリサーチは有効とされており、専用ツールを利用することで膨大な口コミ情報からの検証が可能となります。
たとえば、低評価の口コミを分析し、問題点が明確になれば、商品やサービスの改善点も明確になるわけです。
参考
トップページBoom Research
グロースハックのフレームワーク『AARRR』とは?
グロースハックのフレームワークとして、よく『AARRR』が活用されています。アルファベットをそのまま読むのは長いので、『アー』と呼ばれています。
これは、新規顧客の獲得からサービスを成長させるまでの過程を5つの段階にわけ、その行動モデルを英語で表し頭文字をとったものです。
■Acquisition(獲得)…新規ユーザーを獲得する
■Activation(活性化)…より多くのユーザーに利用してもらう
■Retention(継続)…獲得したユーザーに継続利用をしてもらう
■Referral(紹介)…既存ユーザーから口コミや紹介をしてもらう
■Revenue(収益)…ユーザーからの収益を最大化する
フレームワークを簡単にいうと、効率よく物事を進めていくための『ひな形』で、『AARRR』モデルとは、グロースハックを進めるためのひな形の一つというわけです。
[ビジネス版]グロースハックの使い方・例文
グロースハックは、市場調査をする状況にならないと使わない言葉かもしれません。しかし、企業を成長させるということはどんな会社でも重要視するので、正しい使い方は覚えておきたいものです。ここではわかりやすい例文を3つ紹介するので、しっかりチェックしておきましょう。
グロースハックを有効利用して企業を成長させよう
ネット社会になっている現代では、さまざまな情報が飛び交っており、企業発展に有益なものもたくさんあります。専用ツールもたくさん開発されているので、グロースハックを有効に活用し、企業を大きく成長させていきましょう。