『長年憧れた人の会社を辞めてルーマニアで生活費を稼げるようになるまで』が気になる方は、下記の【退職編】【移住手続き編】をご覧ください!
長年憧れた人の会社を辞めてルーマニアで生活費を稼げるようになるまで【退職編】
長年憧れた人の会社を辞めてルーマニアで生活費を稼げるようになるまで【移住手続き編】
アパレルの起業を断念
ルーマニア移住後はアパレルの製造もしくはショップ経営を行おうと決めていたため、まずはブカレストのアパレルショップを回り、どんな洋服が好まれるのか、人々が着ている服のテイストを確かめました。
ルーマニア人のなかには自分がイメージしていたお洒落でキレイ、カッコよくておしゃれな服を着ている人はいますが、ファストファッションが主流でした。
ファストファッションの購入層が多いルーマニアでアパレルの製造やショップ経営をしたところで、私のような小さなアパレル店が売上を確保することは難しく、商売にならないのでは?と考えるようになりました。
ブカレストは首都といってもアパレル関連の路面店は少なく、多くの人はショッピングモールで買い物します。路面店、ショッピングモールのどちらかでお店を開いたとしても集客に苦労しそうだと感じました。
「今、アパレルをやるのはやめたほうがいいかも・・・」
色々な面から考えた結果、「断念」する結論に至りました。
断念した後は、これからどんな仕事をしていこうか考える必要がありました。先日までアパレルで頑張ろうと思っていたので、気持ちの切り替えに少し時間が必要でした。そうはいっても生活があり悠長なことは言ってられず、妻と一緒にまずは自分たちのできることを洗い出すことから始めました。
日本語教室を開業
アパレル以外でやれることを探るため、10人くらいの友達や知り合いにも意見も聞きました。
移住する前に考えていた日本食材や伝統工芸品のオンライン販売、ルーマニア人モデルを日本に派遣するプロダクション、旅行代理店、ツアーガイドに加え、日本語教室、翻訳・通訳業務、カフェ、漫画喫茶などの候補が出ました。
できることの棚卸をするなかで、自分の好きなことで起業することの難しさを感じながらも、妻と協力すればまだやれることは意外にもたくさんあるんだなと希望を感じました。
候補からやることを決めるときの基準にしたのは、
●少ない資金で開始できる
●リスクが少ない
●早めにスタートできる
の4つでした。
ある程度の需要があるという点では、私たちが出した候補のほとんどは当てはまりました。
しかし、少ない資金で開始できること、リスクが少ないことを基準にすると、私たち以外のメンバーを必要とする事業や、買い付けなど第三者を介さなければいけないような事業、商品在庫を抱えなければ運営できないような事業は対象外になりました。
賄賂が横行していることに驚きましたが、移住後の手続きで大変な思いをした後だけに、国の機関への申請が難しい仕事は極力避けたいと思いました。
二人で話し合った結果、ルーマニア人に日本語レッスンを行う「日本語教室」をやることに決めました。
ルーマニア内のいくつかの高校や大学には日本語学科が設置されていることから、日本語を学びたい意欲のあるルーマニア人は一定数おり、ある程度の需要が見込める。また、自宅の一室を教室にすれば場所代がかからないため少ない資金で早めにスタートできると思いました。
それに加えて、妻が日本語を話せること、日本人でも難しい日本語の使い方を文法レベルで解説できる点は強みであり、決め手となりました。
生徒の募集を開始
日本語教室をやることが決まった後、1回2時間のプライベートレッスンを受講してくれる生徒を集めるため、SNSなど無料のプラットフォームを使って集客を始めました。
募集を始めた数日後には、レッスンを受講したいとの連絡が数名から届き、スタートはまずまずでした。
開始直後はよかったものの、その後は受講者が増えない状態が続きました。
受講者を増やすためプライベートレッスンだけではなく、より低価格でレッスンを受けられるグループレッスンを始めてみましたが、こちらも思うような成果は得られませんでした。
新しい試みはうまくいかずなかなか受講者が増加しない時期もありましたが、私たちの日本語教室のレッスンに価値を感じてくれる生徒から新たな受講者を紹介されるなど、徐々に生徒が増えていきました。
日本語教室を始めてからこれまでの間に、生徒の増減はありましたが、現在は32名の生徒へのレッスンを行っており、妻と二人でカバーできる範囲で運営を続けています。
なかなか生徒が集まらなかった時期は、本当に苦しくて、ほかの仕事も並行して行いました。妻は翻訳業務を始め、私もなにか副業をしようとフリーランスとして在宅でできる副業は何かないか探しました。過去にライティングの仕事で報酬が得られることを耳にしていたため、仕事がないかこの機会に探してみることにしました。
次回に続く
取材・執筆:chewy編集部 イシ (@ishiwm)
編集:chewy編集部 はら (@MmcNaka)