「仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜」の要約を紹介
「仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜」は、仕事と遊びの違いを教えてくれる本です。遊びになるとワクワクするのに、仕事ではモチベーションも上がらない。なぜこのような状態に陥るのか、その理由さえわかれば、遊びの要素を仕事に取り入れることができます。
また、本書のもう一つのメッセージは、「仕事は問題解決である」ということ。問題解決のために役立つ考え方やフレームワークが紹介されています。フレームワークの解説本は多数ありますが、本書は具体的でイメージを持って実践に移しやすい点がよかったです。
「仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜」の目次
2章 仕事の目的は問題解決
3章 ビジネスというゲームを紐解く
4章 数値化・言語化によりビジネスの解像度を上げる
5章 データからアクションを導出する
6章 競合や顧客を意識して戦略を立てる
7章 仕事を前に進める
8章 仕事を楽しみながら、キャリアアップする
このように構成されていますが、おすすめの読み方は、まず1章と2章を丁寧に読み込むこと。ここには基本となる考え方が書かれており、まずは理解しておかねばならない内容が詰まっています。
そして、3章以降にはたくさんのフレームワークが用いられているので、一度読んだだけで完璧に理解することは難しいでしょう。
図とともに解説されているのでわかりやすいのですが、3章以降流し読みして、今の自分の状況から考えて使ってみたいと思うフレームワークが紹介されたページを熟読するスタイルがおすすめです。
【おすすめの読み方】
1:1〜2章は丁寧に読んで基本的な考え方を吸収
2:3章以降を流し読み
3:興味のあるフレームワークがあれば、さかのぼって重点的に読む
仕事を遊びのように楽しむための分析
子どもの頃、ゲームに没頭し、勝つための戦略を立て、楽しんだ経験のある方も多いでしょう。ところが、大人になると仕事に夢中になれなくなる方は珍しくありません。
本書では、仕事を遊びのように楽しむために、まず遊びと仕事の要素を分析しています。次の表でその一部を抜粋します。
仕事 | 遊び |
自由意思を発揮しにくい | 自由意思に基づいて行われる |
生活のためになくてはならないことと考えている人が大半 | 生活上どうしてもそれがなければならないとは考えられていない |
これ以外の項目も、納得できるものばかりでした。
変化させられる要素とそうでない要素がありますが、少しでも遊びの要素に近づけるためのあり方について指南されています。単に「遊び気分で楽しい気持ちで働け」という雑なインストラクチャーではなく、それぞれの要素を分析し、何が可変的な部分であるのかロジカルに解説されているので理解しやすいです。
本書で紹介されているフレームワーク
フレームワークとは「構造」や「枠組み」といった意味がある言葉です。ビジネスにおいては、意思決定や分析、戦略立案を効率化するための手法やツールのことを指します。
ビジネスパーソンならば、フレームワークを活用できると、仕事の質を高めることができるでしょう。本書では次のようなフレームワークについて解説しています。
3C分析
SWOT分析
5F(ファイブフォース)
STP戦略
AIDA・AIDMA・AISAS
カスタマージャーニーマップ など
初学者の方はもちろん、中堅の方でも、具体例とともにこれらのフレームワークの活用方法について整理できるはずです。
また、仕事で直面する状況をRPGゲームを例に説明する箇所が複数あり、これもユニークな点でした。RPGが好きな方、あるいは好きだった方にとっては、楽しくイメージしながら学べるでしょう。子どもの頃は、無意識にできていたデータ分析や問題解決を仕事に置き換えて考えることができるのです。
仕事をゲームのように楽しむヒントを得よう
あなたの職場でも、同じ仕事をしているのに、楽しそうな人と苦しそうな人がいるかもしれません。遊びに含まれる要素を仕事に応用することで、今よりも仕事を楽しめるようになるはず。黙っていてもモチベーションは奪われていくばかりなので、自分で工夫してみましょう。
また、フレームワークの活用に関する記述は、仕事のパフォーマンスを向上させていくうえで参考になる情報が多いです。ロジカルに、かつ、具体的に書かれているので、「仕事の説明書〜あなたは今どんなゲームをしているのか〜」を活用してみてくださいね。