「益々」は「さらに」ってこと!
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「益々」とは「さらに」や「もっと」という意味合いの言葉です。
一般的に「もっとよい方向・状態へ向かうこと」を示すため、ビジネスシーンでは「益々のご活躍をお祈り申し上げます」など挨拶の言葉としても多く使われます。
また「益々」にはいくつか言い換え表現もあるため、シチュエーションに応じたフレーズを選択できるよう身につけておくと安心です。
・より一層
「益々」の意味
「益々」は「ますます」と読み、「益」という漢字には「利益」「儲け」「役に立つこと」などの意味があります。この「益」を重ねた言葉である「益々」は「今より程度がさらに高まるさま」を表しています。
基本的に「益々」は「今よりよい状態になる」「より発展していく」など、ポジティブな意味で使うことが多いです。ただし天気予報などで「益々荒れた天気となるでしょう」などと使われる場合もあるため、「今より悪くなる」というネガティブな意味で使う場合もあります。
「益々」の使い方|ビジネスシーンでの例文
「益々」は今後の状態を指し、後に続く言葉を強調する役割を持っています。組み合わせる言葉次第でさまざまな使い方ができますが、ビジネスシーンではある程度挨拶として定型的に使われる場合が多いです。一度覚えてしまえば応用できるので非常に便利です。
ここからはビジネスシーンにおける「益々」の適切な使い方や例文をご紹介していきます。言い回しやシチュエーションなどもあわせてチェックしてみてくださいね。
「益々」を使った挨拶文
「益々のご活躍をお祈り申し上げます」
これらの例文は「今後も精力的に活躍・発展されることをお祈りしています」という意味合いで、手紙や年賀状の末文、お祝いの挨拶などでも頻繁に使われるフレーズのひとつです。
このまま目上の相手や取引先に使っても問題ありませんが、より丁寧に表現したい場合は「益々の○○を心から喜び申し上げます」などと言い換えてもよいでしょう。
注意として「益々のご活躍を期待しています」という表現は自分より目下の者に対する言葉になるため、ビジネスシーンでは使わない方が無難です。
「○○様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます」
ビジネス文書やメールを作成する際は、上記の例文を挨拶の定型文として使うことができます。締めの言葉として使う場合は頭に「末筆ながら」や「最後に」などと添えると、文章全体が引き締まった印象になります。
法人宛のときは「ご清栄」「ご隆盛」を、個人宛のときは「ご健勝」「ご清祥」という言葉を使うとよいでしょう。
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益々・ますます・増々の表記の違い
ビジネス文書やメール作成時、「益々」は漢字とひらがなのどちらで表記するのが適切なのでしょうか。
もちろんどちらの表記でも間違いではありませんが、漢字の方がかしこまったイメージがあるためビジネスシーンでは「益々」と表記するほうが適切とされています。ただし、文章全体が読みにくくなる場合は、バランスを見ながら適宜ひらがなにしてもよいでしょう。
一方、日常会話の中で「益々天気が荒れてくる」など漢字で表記してしまうと堅い印象になるため、一般的には「ますます」とひらがなで表記することが多いです。
また「益々」と混同しやすい表現として「増々」があります。意味は同じですが俗語として言い換えた慣用的表現なので、基本的にビジネスでも日常会話でも「増々」はほとんど使われません。ビジネスシーンで「増々」を使っても決して間違いではありませんが、一般的でない表現をあえて使う理由がない限りは「益々」を使ったほうが無難といえます。
「益々」の類語・言い換え表現
「益々」に似た意味の言葉は豊富にあります。シチュエーションや相手に応じて言い換えられるよういくつかチェックしておきましょう。
一段と
「一段と」は「格別」や「はっきりと差がある」という意味の言葉です。「益々」と同様、以前より程度を増すことを表す際に使用します。
「寒さも一段と厳しくなりましたが、お変りもなくお過ごしのことと存じます」
「益々」と比べると「一段と」のほうが、以前との違いを強調するニュアンスがあります。
より一層
「より一層」は「これまで以上に」という意味を持つ「より」と「一層」の2つの言葉を組み合わせた言葉です。似たような意味の言葉を重ねて使うことで、以前との状態の違いを強調する度合いが増します。
「より一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」
「お客様にご満足いただけますよう、より一層努力して参ります」
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「益々」の英語表現
「益々」はビジネスシーンにおいて使われる言葉です。万一、英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられるため、会話やメールでの使い方を事前に確認しておくと安心です。
continued
prolonged
と表現できます。
「益々」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒益々のご発展をお祈り申し上げます。
・I pray for your continued activity.
⇒益々のご活躍をお祈り申し上げます。
・I am deeply grateful for your continued patronage.
⇒貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
・I am deeply grateful for your prolonged success.
⇒○○様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
「益々」をビジネスシーンで活用しよう!
「益々」は今後の状態を表す言葉で、日常会話の中でもさまざまな使い方ができる便利なフレーズです。一般的なビジネスシーンでは「もっとよい方向・状態へ向かうこと」などポジティブな意味合いで使われます。
ビジネスメールや文書では使い方がある程度定型化しているため、いくつか覚えておくとよいでしょう。
ぜひこの機会に「益々」の使い方をマスターして、相手の活躍や発展を願う気持ちを上手に伝えましょう!