「運びとなりました」とは「決まりました」の柔らかい表現!
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「運びとなりました」とは、何らかの結果を報告する際に使う「決まりました」を柔らかく表現した言葉です。
比較的堅い表現なので、ビジネスシーンではメールや文書でもよく使われています。
また「運びとなりました」はいくつか言い換え表現もあるため、シチュエーションに応じたフレーズを選択できるよう身につけておくと安心です。
・次第
「運びとなりました」の意味
「運びとなりました」の「運び」には、「ある場所からほかの場所まで荷物を持っていくこと」という意味があります。加えて、「物事を滞りなく前に進める」という意味も。ビジネスシーンでは一般的に後者の意味で使われます。
この「運び」に「となりました」という言葉を続けると、意外性のある変化というニュアンスが加わります。
結果を伝える際に少しだけ「意外性」のニュアンスを含めることで、「決まりました」をより柔らかな表現にできるのです。
「物事が滞らずに進行しているものの、当初意図していた経過や結果とは少し変わります」という意味合いになります。
「運びとなりました」の使い方|ビジネスシーンでの例文
「運びとなりました」は、様々な場面で使うことができる便利なフレーズです。ここからは実際に「運びとなりました」を使った例文をご紹介していくので、言い回しなどをチェックしてみましょう。
「運びとなりました」を使った例文
「本日の11時からの会議は第一会議室を予定しておりましたが、空調設備の不調のため第二会議室で行う運びとなりました」
「ご迷惑をおかけしますが、来月末をもって当社のサービスを停止させていただく運びとなりました」
「かねてより新会社設立の準備を進めておりましたが、このたび株式会社△△として設立する運びとなりました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝致します」
「◯月◯日より下記の住所へ事務所を移転するのでご案内申し上げます」
「この度弊社では設立50周年記念パーティーを開催する運びとなりました」
「現在開発中のこちらの商品は原材料の見直しを反映した結果、当初予定していた販売価格より100円値下げする運びとなりましたので報告致します」
「来月めでたく○○課の△△さんと結婚する運びとなりました」
「本日を持ちまして退職させていただく運びとなりました」
「この度□□支社へ転勤する運びとなりました」
「年度末で引っ越しをする運びとなりました」
このようにビジネスシーンで「運びとなりました」は、お客様に向けた文書や会議の進捗報告をはじめ、結婚や退職などプライベートな内容でも使うことができます。
「運びとなりました」を使う際の注意点
「運びとなりました」は使い方を間違えてしまうと、相手を不快にさせてしまう場合もあります。ここではビジネスシーンで「運びとなりました」を使う際の注意点を3つご紹介していきます。
個人的な報告には不適切
「運びとなりました」は一般的に大きな決定事項に対して使うことが多い言葉です。業務の進行報告や日程変更などでの利用には適していますが、個人の些細な内容を伝える際の利用には適していません。
たとえば「明日は通院のため、午前中お休みをいただく運びとなりました」のような使い方をすると、大げさな印象を与えてしまいます。
多用はしないようにする
「運びとなりました」という表現は「当初の予定から変わってしまい、意外な結果となる」場合に使われるため多用には注意が必要です。大きな影響は無いとしても業務に関する変更点が多いというのは、ビジネスシーンではマイナスな印象を与えてしまいます。
また、日頃から進捗状況のやりとりが出来ていない場合に使ってしまうと、一方的に決定したと思われることもあります。
「運びとなりました」と「運びになりました」の違い
「運びとなりました」と混同しやすい「運びになりました」という表現があります。結論からいうと意味合いは同じです。
ただし、一般的に「運びとなりました」は、ビジネス文書やメールなど書き言葉として使われることが多いです。一方、「運びになりました」は話し言葉としてが使われることがほとんどです。迷った際はよりかしこまった印象を与える「運びとなりました」を使うとよいでしょう。
「運びとなりました」の類語・言い換え表現
「運びとなりました」に似た意味の言葉はいくつかあります。シチュエーションや相手に応じて言い換えられるようチェックしておきましょう。
決定
「決定」は「物事がはっきり決まること」という意味の言葉です。
「運びとなりました」よりも断定的な表現のため、状況に応じて使い分けるようにしましょう。
次第
「次第」は「事情・状況・成り行き」と同じ意味で使われる言葉です。ビジネスシーンでは状況や原因、理由などの説明に「~次第です」という表現が多く使われています。
「以上のような次第ですので、本日の会議は延期延期いたします」
硬い表現のためお客様や取引先との会話など、かしこまった場面で使う言葉です。
「運びとなりました」の英語表現
「運びとなりました」はビジネスシーンでもよく使われる言葉であるため、英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられます。
いざという時のために、会話やメールでの使い方を確認しておくと安心です。
it was decided
と表現できます。
「運びとなりました」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒本日を持ちまして退職させていただく運びとなりました。
・This it was decided that we will hold a party celebrating the 50th anniversary.
⇒この度弊社では設立50周年記念パーティーを開催する運びとなりました。
・I am informing you that the initial price was decided to be reduced by 100 yen.
⇒当初予定していた販売価格より100円値下げする運びとなりましたので報告いたします。
・We are sorry for the inconvenience, but it was decided that at the end of next month we will stop our service.
⇒ご迷惑をおかけしますが、来月末をもって当社のサービスを停止させていただく運びとなりました。
「運びとなりました」を正しく使いこなそう!
「運びとなりました」というフレーズは、主に物事が当初の予定から変わり意外な結果となる場合に使います。柔らかく丁寧な表現なので、相手に一方的な印象を与えず物事の変化を報告できます。
ビジネスシーンでは使う機会の多い便利な言葉です。ぜひこの機会に意味や使い方をしっかりと覚えて、状況に合わせながら活用してみてくださいね!