ノルマは「やらなきゃならない仕事の量」のこと!
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ビジネスマンならしっかり理解しておきたい「ノルマ」について、詳しく勉強しましょう!
ノルマの意味をチェック
ビジネスマンの「ノルマ」について学ぶ前に、「ノルマ」という言葉の意味をチェック。新人君みたいに間違った使い方をしないように、しっかり確認しておきましょう。
日本語の「ノルマ」とはどんな意味?
日本語での「ノルマ」は一定時間にやるべき仕事として、個人や集団に対して割り振られる標準的な作業量のこと。
「ノルマ」は誰かから半強制的に課されるものです。
ノルマの語源はロシア語の「norma」
「ノルマ」の語源はロシア語の「 Норма」。 ラテン文字で転写すると「Norma」になります。ロシア語の「 Норма」は「(強制的に)割り振られた労働の標準量」という意味。
英語で「ノルマ」と同じような意味を示したいときには「quota」を使います。「quota」には次のような意味があります。
・〔作物や商品などの〕分配高、取り分、割り当て(量)
・〔入学や入国などの上限の〕定数、定員
・〔販売などの〕ノルマ
ノルマと目標の違い
「ノルマ」と「目標」は似ているようで、まったく異なるものです。両者の違いをみてみましょう。
ノルマ | 目標 |
他者から割り振られる | 自分が達成したいことのために自分で決める |
定められた量に到達することが重要 | よりよくするための質を重視 |
「ノルマ」は仕事から「よさ」の観点を省き、量で評価するために定めるもの。量を求めるあまりに質が二の次にされることもあります。
対して、「目標」は「よさ」を追い求めるために設定するものです。
きついと感じる人も!仕事で設定されるノルマの実情
企業に勤めると、会社から「ノルマ」を課せられることがあります。時にはきつい、辛いと感じてしまうことも・・・。ビジネスでの「ノルマ」の実情を知り、「ノルマ」とうまく付き合いましょう。
ノルマが設定される業種・業界
営業職は「ノルマ」が課せられることが多い職種です。そのほかにも「ノルマ」設定されることが多い職業・業界には次のようなものがあります。
・コンビニ店員
・警備員
・清掃作業員
・警察官
・郵便局員
・学者、研究者
・教員
・医療関係者
・人事担当者
・製造ライン担当者
・鉄道駅員
ノルマ設定によるメリットとは
「ノルマ」と聞くと嫌なイメージを持つ方が多いかもしれませんが、ノルマ設定は従業員・企業それぞれにメリットがあります。
・ノルマ達成責任に応じた給料をもらうことができる
・なんとなくだらだらと仕事をこなす社員が生じるのを回避することができる
きつすぎるノルマはストレスや離職につながる
企業は従業員一人ひとりに仕事で達成するべき(企業としての)目標を割り振っています。「ノルマ」はその目標を具体的な数値にしたもので、企業にとって必要なものです。
とはいえ、きつすぎるノルマは百害あって一利なし。
ノルマに疲弊した従業員はノルマ達成の手段を選ぶ余裕がなくなり、同僚・顧客などの他者に必要な配慮ができなくなります。
過剰なノルマを課すことで違法となるケースもある
従業員が就職するとき、企業と従業員は労働契約(仕事をする契約)を交わしますが、この契約で労働者に課せられる義務は「働くこと」だけです。「ノルマを達成する」ことは実は義務ではありません。
義務ではないにもかかわらず、時には企業から次のような悪質なペナルティが課せられることも・・・。
パターン①:買い取りノルマを課す
クリスマスケーキや年賀状、節分の恵方巻など、バイトやパートにまで「ひとり○○個販売」のようなノルマが与えられて、売れなかった商品は買い取りさせられる。このようなペナルティはよく聞く話ですよね。
しかし、企業が従業員に商品の買取を強要することは違法。そのため、従業員が買いたくないと思えばその命令に従わなくてもよいことになります。
パターン②:罰金・給与の減額などのペナルティ
ノルマ達成ができないことで罰金を科したり、給料を減額するペナルティも違法。労働契約にこのようなペナルティが記載されていたとしても、その契約は無効です。
悪質性が高いと認められた場合、企業は従業員に慰謝料を支払わなければならなくなる可能性さえあります。
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ノルマの使い方・例文
「ノルマ」について理解できてきましたか?次は「ノルマ」の使い方を例文でイメージしてみましょう。
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[番外編]ベッリーニのオペラ「ノルマ」
「ノルマ」はヴィンチェンツォ・ベッリーニが作曲して、1831年にミラノのスカラ座で初演された名オペラ。「ノルマ」は主役のソプラノ歌手が演じる巫女の名前です。
今回ご紹介したノルマの意味とは関係がありませんが、豆知識としてお伝えしました。
ノルマは諸刃の剣!現実的なレベルに設定しよう
「ノルマ」は適度なレベルに設定し、効果的に使えば組織や個人を成長させてくれます。しかし、欲をかいて苛烈な「ノルマ」を設定してしまうと、従業員を疲弊させたり、違法になったりします。
違法なノルマを課したと訴えられでもしたら、企業イメージを大きく損なう大ダメージは必至。実現可能で常識的なレベルの「ノルマ」にとどめることを肝に銘じる必要がありますね。