ホスピタリティの意味とは?サービス業なら知っておきたい用語の使い方と事例を解説

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ホスピタリティとは「おもてなし」のこと

先輩

私たちはサービス業だから、ホスピタリティの精神を常に念頭に仕事しなきゃね。ただのサービスじゃダメよ。
ホスピタリティっておもてなしのことですよね?サービスもおもてなしじゃないんですか?

新人

先輩

ん、厳密にはサービスとホスピタリティは違うのよね。

サービス業に関わっていないとホスピタリティという言葉にはなかなか遭遇しないかもしれません。しかし、この『おもてなし』は、顧客をもつ企業に勤めている人だけでなく、日常生活でも本当は意識してもらいたいことなんです。そのためにも正しく『ホスピタリティ』を理解するためにもしっかり学んでいってください。

ホスピタリティの意味をチェック

ホスピタリティはホスピタルに言葉が似ているので、「医療関係の言葉?」と思っている人もいたかもしれません。ホスピタリティは『おもてなし』を指す言葉ですが、このカタカナ語の定義や語源は何なのでしょうか。意味や使い方も含めて一気に覚えてしまいましょう。

ホスピタリティの定義

ホスピタリティをひとことで説明すると『おもてなし』ですが、『心からおもてなしをすること』が最低限の条件となります。

さらに、接客や待遇をする側が心からおもてなしをし、それを受けた側が心から喜びを感じる。つまり、相互に満足感があることがホスピタリティと定義とされています。

ホスピタリティの語源と英語

ホスピタリティは、ラテン語で『客の両者』を意味するホスペスが語源となっており、英語では『hospitality』と書き、以下のような意味をもった単語です。

■親切にもてなすこと
■厚遇
■もてなしの心 など

ホスピタリティの使い方・例文

ホスピタリティは接客で『おもてなし』を必要とする、主に飲食店や旅館・ホテルなどのサービス業の分野で登場する言葉で、実際の会話ではこのように使われます。

例文1
あのレストランは比較的リーズナブルなのに、高級店のように素晴らしいホスピタリティがあるよね。
例文2

〇〇って高級ブランドで確かに置いている商品の質はいいかもしれないけどホスピタリティがない従業員が多いと思わない?
確かに!「サービス提供してやってんるんだ」って雰囲気の人多いですよね。

例文3
すべてのお客様に満足してもらえるよう、全従業員にホスピタリティを忘れない接客を心がけるよう改めて伝えてください。

ホスピタリティとサービスの違い

まずは、サービスを意味を見てみましょう。

サービスとは?
■誰かのために力を尽くすこと。
■客のために行う奉仕のこと。
■商売で客をもてなすこと。 など

また、サービスを行うときには、サービスを提供する側と受ける側との主従関係がはっきりしています。受ける側が上の立場であり、サービスを提供する側は相手に喜んでもらうことを目的にしておらず、行わなければならない奉仕になります。

ホスピタリティは、自発的に心から相手をもてなしたいと思って行い、受ける側に喜んでもらえることを目的にしているので、この点が大きく違うところですね。

サービスの例
■ドラッグストアで袋に商品を入れる。
■レストランで料理を運ぶ。
■休日に妻の買い物につきあう。 など

これらは行わなければならない仕事ですが、少し「相手の喜び」に焦点を当てた対応をすることで、ホスピタリティにつながるのです。

ホスピタリティ業界のサービス事例・具体例

利用する客が心から喜んでくれるように奉仕する、ホスピタリティが必要とされる業界を指して『ホスピタリティ業界』といいます。そして、この業界のサービスを受けて、質の高いホスピタリティを実感した例はいくつもあります。ここでは実例をいくつか紹介しておきますね。

レストラン編

結婚記念日に行った、ちょっと家庭的なフランス料理屋で、店員さんとの会話の中でなにげなく「結婚記念日で来たんです」と話をしていました。すると、コースの最後のデザートのお皿にはチョコレートで『祝!結婚記念日』と書かれており、とても心に残る記念日になりまし

ホテル編

旅行先のホテルで、近隣のオススメの飲食店があるかどうか聞いたところ、何時頃に出かける予定なのかを確認され、「のちほどお部屋に連絡します」とのこと。すると、数分後に部屋に電話がかかってきて、「これからお部屋にリストをお届けしてもよろしいですか?」と言われました。

そして、持ってきてくれたのはただのオススメ飲食店リストではありませんでした。なんと、お店の情報、地図まで用意してくれており、その中の一つに「個人的にはココがオススメです」とコメントがついていました。もちろん、『個人的にオススメ』の店に行き、気分よく食事をしました。

携帯電話ショップ編

スマートフォンの機種変更をした際、「このオプションを30日お試しいただけるなら〇〇円割引になります。」というのがよくありますよね?これらのオプションをいくつかセットにして割引率を高くしたのですが、月額料金はかからないようにしたい。このことを伝えると、オプションひとつひとつに対し、無料で使える最終日の日付をメモしてくれました。

さらに、現時点のスマホの使い方と契約内容を確認し、不要だと思われるオプションを外し、ひと月の利用料が安くなるようにしてくれました。大幅に減額になったわけではありませんが、安くなったのはうれしいです。

ホスピタリティマインドを持つためのヒント

ホスピタリティマインド(ホスピタリティ精神)とは、心からおもてなしをするという精神のことをいい、ホスピタリティ業界に従事する人は、接遇の質や能力を高めることを常に考えなければいけません。しかし、どのようにこの能力を高めればいいのでしょうか。

経営者自身がホスピタリティ精神を持つ

たとえば、勤めている会社の上司にホスピタリティ精神があると感じないのに、あなたが頑張って「おもてなしをしよう!」という気持ちになりますか?従業員全員にホスピタリティ精神を持たせようとするなばら、経営者自身がきちんとホスピタリティ精神を持つ必要があります。「あの人のようになりたい」と思って、上司を目指すようになれば、従業員も自然に成長するものです。

サービスマナーは欠かせない

「おもてなしをしたい」「心からお客に満足してほしいと思う」といった思いやりの心をもっていても、どのようにすればいいのかがわからなければ上手な接客・接遇はできませんよね?

最低限必要なビジネスマナーや接客マナー、サービスに関わる知識を身に着けることが必要です。今は『接客サービスマナー検定』もあり、教材も用意されていますので、ホスピタリティに力を入れるつもりであれば、検定を受験してみるのもいいのではないでしょうか。
参考 NPO法人日本サービスマナー協会接客サービスマナー検定

洞察力や想像力を鍛える

顧客に心から満足してもらうには、顧客から求められてから行うサービスではなく、顧客が求めていることを推察する『先回りのサービス』をすることも大切です。

そのためには、しっかり観察するということを習慣にし、洞察力や想像力を鍛える必要があります。

たとえば、レストランでメニューを持ってキョロキョロしている客がいたとします。それを見た店員は「注文したいのかな?」と推測します。そして、この客に気付くには、店内を観察しなければいけませんよね?このように、自分の周りのところから観察するということを身に着けていけばいいのです。

ホスピタリティの関連用語

カタカナ語には関連する言葉がいろいろとあるのが一般的です。そして、ホスピタリティにも関連する用語がいくつかあります。そこで、代表的なものをピックアップしてみました

ホスピタリティルーム

催し物を開催する大きな会場の中に設置されており、小さなセミナー、打ち合わせ、展示などを行う、会議室などの専用スペースのことをホスピタリティルームといいます。

また、ホテル業界では違う意味で使われており、宿泊客に対し、チェックイン前やチェックイン後にシャワーをしたり、休憩したりできる部屋のことを指して『ホスピタリティルーム』といいます。このホテルでのホスピタリティルームは、グループで宿泊している人の会合場所として使われることもあります。

ホスピタリティスイート

ハワイのホテルであるハレクラニでは、チェックイン前やチェックアウト後に空いた時間を過ごすことができる『ホスピタリティスイート』というスペースが用意されています。

ここにはシャワーやロッカーも完備されており、飲み物を飲みながらゆっくりと過ごせるようになっています。
参考 ハレクラニホスピタリティスイート

ホスピタリティスタンダード

サービスを提供している企業の中には独自で『おもてなし』の教訓を定めているところがあり、『ホスピタリティスタンダード』と呼んでいます。

その中でも有名なのが、マクドナルドのホスピタリティスタンダード。夏休みアルバイトであっても、従業員全員にきちんとした教育のカリキュラムが用意されており、マクドナルドのホスピタリティスタンダードについては過去に書籍もでています。

ホスピタリティトレーニング

昔、マナーについて学んだベテラン社員の時代には『接遇訓練』と呼ばれていたものです。文字から推察できるように、ホスピタリティのトレーニング(訓練)で、自分自身と接する相手との関わりをつくる技術を学びます。

産業能率大学総合研究所では公開セミナーとしてのホスピタリティトレーニングも実施されています。
参考 産業能率大学総合研究所ホスピタリティトレーニング

ホスピタリティタクシー

羽田空港の国際線タクシーのりばは、訪日外国人向けに定額運賃が適用できるタクシーが入れるようになっています。そこには『おもてなし』の講習を受けた乗務員が運転するタクシーのみとしており、このようなタクシーをホスピタリティタクシーと呼んでいます。その中でも英語でコミュニケーションをとることができるタクシーの専用レーンもあります。

[番外編]ホスピタリティを極めるなら資格取得も視野に

これまでの項目で、サービスに関する検定を紹介しましたが、ホスピタリティにも検定があります。

あなたにどのくらいのホスピタリティ度があるのかを測る試験としては、ホスピタリティ3級、2級があります
参考 日本ホスピタリティ検定協会ホスピタリティ検定試験

そのほか、企業や団体などで研修・営業などの管理者、教育現場での管理者、ホスピタリティ関連の業務に3年以上携わる人などを対象とした、上のランクの『ホスピタリティコーディネーター』もあります。
参考 日本ホスピタリティ推進協会ホスピタリティコーディネーター

サービス提供者はホスピタリティを忘れずに!

ホテル、レストラン、アミューズメント関連でサービスを提供する人は特に、ホスピタリティを意識して仕事に従事しなければならないということはわかりますよね。しかし、本質としては、商品を作る企業で働く人も「使う人のことを考えて商品を作る」という精神、つまり『ホスピタリティ』をもつべきなんです。今日からはあなたも常にホスピタリティを考えて日々過ごしてくださいね。