アントレプレナーとは起業家のこと!
アントレプレナーは、ゼロから事業を起こす人のことをいい、日本語では『起業家』『企業家』と表現をされています。大企業ではなく、特にベンチャー企業*を起こす人、イノベーションを起こす人を指す場合が多くなっています。
(ベンチャー企業*:革新的なアイデアや技術をもとにし、新規ビジネスを展開する中小企業をさす。)
アントレプレナーの意味
アントレプレナーがどんなものなのかを軽く解説しましたので、ここでは語源について少しお話しておきますね。
語源・英語
アントレプレナーは英語で『entrepreneur』と表記しますが、もともとはフランス語の『Entre』と、『preneur』がつながった言葉といわれています。
『Entre』は、フランス料理のコースの前菜という意味で使われており、フランス語で『入口』という意味があり、『preneur』は直訳すると『受け手』という意味になります。
また、このentreという言葉は英語圏でも昔から同じようなイントネーションで使われていましたが、フランス語とは違い、コース料理の中で魚料理と肉料理の間に出す料理のことを指しています。
これが現在では英語として世界に広がっているわけですが、英語圏に広がった当初はentre=英語でbetween(間)と、preneur=英語でtaker(取る人)という二つの言葉がつながって『仲買人』という意味で使われていました。
東大ではアントレプレナー教育に注力
東京大学など、いくつかの大学ではアントレプレナー教育が実施されており、東京大学においては『アントレプレナー道場』という、起業やベンチャーについて初歩から学べるプログラムが用意されています。
詳しくはこちらをご覧ください。(データ元:東京大学)
https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/activity/venture/education/dojo.html
社長だけじゃなく社会人もアントレプレナーになるべき?
アントレプレナーは資格職というわけではないので、極端なことを言うと、なりたいと思えば誰でもなることができます。
アントレプレナー自体は『起業家』という意味をもちますが、アントレプレナーになる為には起業家精神という意味をもつ『アントレプレナーシップ』が必要となります。
アントレプレナーシップとは
起業家精神という意味があり、アントレプレナー精神と言うこともあります。
事業の創造や新商品開発などに高い創造意欲をもっており、リスクが多少高くても積極的に挑戦していく姿勢や発想、能力などを指します。
アントレプレナーシップ(起業家精神)が必要な理由
昔は企業において、終身雇用や年功序列制度が当たり前でしたが、現代ではその制度は崩壊しつつあります。
その背景の一つとしては、様々なものに対してのAI化が進み、人がやるべきこと自体が少なくなっていることもあり、自発的に事業活動に取り組む意識の高い人が評価されている傾向になっています。
その為、リスクを怖がらずに挑戦していくということが必要であり、ビジネスパーソンに要求されている精神の一つが『アントレプレナーシップ』といえるのではないでしょうか。
アントレプレナーの対義語はイントレプレナー
起業家を意味するアントレプレナーの対義語として『イントレプレナー』という言葉があります。ここではこの、イントレプレナーについて少し解説させていただきます。
イントレプレナーとは
アントレプレナーはビジネス社会全体において起業を行う人のことを指しますが、イントレプレナーは、企業の中で新しいビジネスや部署を立ち上げるリーダー的な存在のことを指し『社内起業家』『企業内起業家』という意味をもっています。
ゼロから始めるアントレプレナーに対し、イントレプレナーは新しいことを始めるにあたって社内のバックアップを受けられるという利点がありますが、企業の意向や方針に沿って行う必要はある為、自由度はアントレプレナーよりも少ないといえます。
アントレプレナーの使い方例文
「アントレプレナーの意味はだいたいわかったけど、どのように使うの?」と迷っているあなたの為に、例文をいくつかご紹介しておきますね。
【例文1】
彼は優秀なアントレプレナーだ。
【例文2】
アントレプレナーを育てる教育プログラムを作る必要がある。
【例文3】
アントレプレナーには市場をしっかり把握するマーケティング力やイノベーションを起こす行動力が必要だ。
アントレプレナーの関連語
アントレプレナーには関連する言葉が存在していますので、ここでいくつかピックアップしてまとめておきます。
シリアルアントレプレナー
連続して何度も事業立ち上げを行う連続起業家のことを指します。
シニアアントレプレナー
60歳前後のシニア世代の人がNPO*やNGO**を立ち上げたり、起業したりする人のことを指します。定年退職後にこれまでの経験を活かして起業するという人が増えているようです。
(NPO*:営利を目的とせず慈善活動や社会貢献活動などを行う民間の団体。)
(NGO**:非政府組織で、一般的に国際協力団体など海外で活動する組織に使われることが多い。)
インフォプレナー
インフォメーション(Information/情報)とアントレプレナーから作られた造語で『情報起業家』という意味をもっており、自分自身で得た知識や情報などを電子ファイルや記録媒体に落として販売している人のことを指します。
イノベーション
これまでの常識を覆すほど社会的に大きな変化をもらたす技術革新や新しい概念のことをいいます。イノベーションの詳しい解説については以下の記事を是非ご参照ください。
https://chewy.jp/businessmanner/517/
アントレプレナーの人の特徴
資格不要でなりたいと思えば誰でもなれるアントレプレナーではありますが、成功するアントレプレナーには共通の特徴があります。
「失敗は成功のもと!」と思うことができる
何か行動に移して「失敗した…」と沈み込んでいるだけでは新しいものは生まれません。失敗したことを次の成功に活かせる発想力と行動力が必要です。
自信をもって行動できる
アントレプレナーには「絶対にやりきることができる!」という自信を持つことが大切です。何事も成功する為には『自信』というものが必要ですが、新しく事業を始めるアントレプレナーには特に重要な資質といえるでしょう。
市場の動きに敏感である
世の中の状況に常に目を光らせて、変化や動向にいち早く反応する能力に優れているという共通の特徴をもつアントレプレナーは、常に頭の中で新しいモノを考え、実際に行動に移して体験していくことで、優れたひらめきが生まれています。
何の為に働くのかが明確
アントレプレナーになるような人は、高い収入を得ることよりも、その事業を成功させる為に限界まで挑戦したいと思っている傾向にあり、何のために働くのか、その目的をしっかりともっているという共通の特徴があります。
新規事業を起こすということは、並大抵の努力で成功するものではありません。時には無給で長時間労働になることも珍しくはありません。その為、どんな厳しい状況下でも楽しく働くことができるという資質も必要になります。
誰かの下で働くのが苦手
起業しようという人の多くは「自分の方針で事業を進めていきたい」「誰かの指示で働くのはイヤだ」と思っている傾向にあります。その為、組織のリーダーに訪れがちな『孤独』に耐えられる強い精神も必要といえるでしょう。
アントレプレナーに関する団体や書籍
こちらの記事ではアントレプレナーの概要を簡単に解説してきましたが、もっと深く勉強をしたいという人の為に、おすすめの書籍などをご紹介しておきます。
日本アントレプレナー大賞
トップ経営者たちが次世代のアントレプレナーを創出する為に集結した日本最大級のアントレプレナー創出プラットフォームで、経済産業省も後援者として加わっています。
https://kenja-club.com/entrepreneur/2019/#about-entre
一般財団法人アントレプレナー支援財団
NPO、NGO、個人事業主など、団体の形式を問わず起業家の支援を行っている団体です。
EOY Japan
新たな事業領域に挑戦するアントレプレナーの努力と功績を称える国際的な表彰制度としてEYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(EY Entrepreneur Of The Year)があり、EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパンは日本のアントレプレナーを世界に送り出す為の国際的な表彰制度となっています。
https://eoy.eyjapan.jp/news/2018-07-20.html
アントレプレナーの教科書
新規事業の典型的な失敗パターンを回避し、大企業へと成長する為のマーケティング手法を提唱した書籍。アントレプレナーだけでなく、イントレプレナーにもおすすめです。
あなたもアントレプレナーを目指してみませんか?
アントレプレナーとして成功する為には普通の人の数倍の努力が必要です。しかし、資格も学歴も関係なくだれでもなれるものですので、新しいモノが好き、努力することが好きという人は、日本経済を発展させる為にもぜひチャレンジしてみてください。