「意義」の意味は2つある
先輩
後輩
先輩
「意義」には2種類の意味があります。 ひとつめは”言葉の意味や内容”のこと。ふたつめが”事柄の価値”を指しています。
ひとつめの意味である「言葉の意味や内容」は、ある言葉の内容や概念を表す言葉として使われ、今まさにこの記事で「意義」の内容について触れていることも、これに当てはまります。
ふたつめの「事柄の価値」は、「意義のある会議」など”意義”の部分を「価値」に置き換えるとわかりやすいでしょう。「意義」は「意味」というニュアンスでも使用できますが、一般的には「意義=価値」として使用することが多くなっています。
「意義」をさらに理解するには、類語表現も確認してそれぞれの異なる意味についてもチェックしておきしょう。
・定義
・趣旨
・主旨
「意義」の使い方・例文
2種類の意味をもつ「意義」ですが、一般的には「言葉の意味や内容」よりも、「価値」として使われることが多いです。
”価値”としての意味をもつ「意義」を使った例文をご紹介します。
「意義がある」
「意義」は「価値」という意味で使用されることが多く、実際に行なった、または行われる事柄や言葉の「価値」を問いただす使い方ができます。日常会話、ビジネスシーンでは「~に意義がある」との表現が最もポピュラーです。
競技での「参加すること自体に意義がある」というフレーズでもおなじみの使い方です。
「意義深い」
「価値」や「重要性」を見出して表現する「意義がある」をさらに大きく表現した使い方です。“意義が深い=価値が深い=大きな価値”をあらわし、非常に重要であることを意味する言葉です。
“深い”は物事の大きさをあらわしている言葉です。「大変」や「とても」、または「大きい」、「大いに」を「意義深い」の前に使用することも可能です。
「意義を問う」
物事に価値や重要性が本当にあるものかどうかを確認する言葉として使用します。
これから行うこと、試すことが無駄ではないかどうか。行なうだけの価値があるのかどうかを確認、または疑問を抱く表現として使います。
歌の一節や格言に”意義を求める、意義を問う”というフレーズがあるように、自分自身の存在理由を問う形での哲学的な使い方も多く、人に対して使うときは真っ向からの反対意見や真意を聞くケースで使用されます。
「意義」と「目的」「定義」の違いは?
「意義」の類語に「目的」と「定義」があります。これらの言葉は似ている部分も多いですが、違いもあります。「意義」「定義」「目的」の使い分けを解説します。
「意義」と「目的」の違い
「意味」や「価値」をあらわす「意義」に対し、「狙い」や「目当て」をあらわす「目的」。一見まったく違うように見える2つの言葉は、同じ意味で使われることが多い表現です。違いを説明する前に、まずは例文を見てみましょう。
「目的」を達成することはその人にとって「意味」や「価値」がある事柄です。
例えば”参加することに「意義」がある”とは、”参加すること自体に「目的」がある”に言い換えられます。ここでの「意義」とは”参加すること自体に価値(意味)がある”という意味合いですが、「目的」の場合はどのような「目的」があるのかを説明する必要があります。
「目的」の”目”という漢字からわかるように、「目的」とは”目指すもの”を指した言葉です。示すものが”数字”や”利益”にせよ、そこには必ず”到達点”があります。
ビジネスシーンなら取引の成功。学生ならテストの結果という「目的」。目指している人にとって、「目的」が示しているその事柄の到達点=ゴールにこそ「意味」や「価値」があるものです。
「意義」が”事柄全体の意味や価値”なら、「目的」は”意味や価値のある最終目標=到達点”。「意義」と「目的」を使い分けるならこのように覚えましょう。
「意義」と「定義」の違い
「定義」も「意義」の類語として使われる言葉ですが、「定義」は物事の意味や内容を分けるときに使用します。
この記事では「意義」「目的」「定義」の違いを説明していますが、これこそがまさに”定義そのもの”です。
言葉や規則・規律には「定義」があります。定めた”義=意味”で「定義」という言葉が成り立つのです。
定義がない言葉は説明が難しく、ルールも定まっていないアバウトな現場では判断に右往左往するのは目に見えています。しっかりと”物事の意味や内容”を”明確に定める、分けている”ことが「定義」です。
多少曖昧な「意味」として使える「意義」に対し、「定義」とは厳格に「意味」を決めている不変のもの。ビジネスシーンでは定義づけは不可欠なので、しっかりと使い分けできるようにマスターしておきましょう。
「意義」と「異議」は何が違う?
「意義」と同じ読みの言葉に「異議」があります。言葉にすると同じ読みとなるので、誤用も少なくない単語です。声に出すと混同しやすい単語ですが、意味を見ればまったく別の”同音異義語”だということがわかります。
・訴訟手続きにおいて、不服を申し立てること。法律用語。
「異議」とは”異なる議(論)”と書き、「議」は意見や相談、話し合いを意味する言葉。文字があらわすように、ある意見に対して”異なる議論”や”反対の意見”を示しています。
ゲーム『逆転裁判』での「異議あり」が有名なフレーズですが、意見に対して不服や反対意見を申し立てるときに使われる法律用語でもあります。つまり、最初に提示された意見とは別の意見が「異議」になります。
ちなみにもうひとつの同音異義語である「異”義”」は、文字通り”異なる意味”という単語です。”異なる”という意味では同義ですが、「異議」と「異義」では”反対意見”と”別の意味”という違いがあります。
「意義」の類語
「意義」の類語は似ているようでも定義づけして使い分ける必要があります。これまでにご紹介した言葉以外の類語に関しても、その意味を混同しないようチェックしていきましょう。
趣旨
物事の中心となる「目的」や「狙い」を示した言葉です。
目的や理由を知りたいときの質問で「趣旨はなに?」と使用する機会の多い言葉。ビジネスシーンにおいて、提案や意見の場では趣旨を示すことが重要となります。
主旨
「趣旨」の同音異義語である「主旨」もまた、物事や事柄の中心を示す言葉です。ただし、「主旨」は内容の要点やクローズアップするべき重要なポイントを示し、「趣旨」よりもさらに限定した意味合いとなります。
広い意味での「趣旨」に対し、ピンポイントで”これ”と限定するのが「主旨」。
「主旨」を”テーマ”に置き換えてみてください。本や作品には必ずテーマがあり、読者や見る者に伝えたいものがあります。テーマが”楽しんでもらうこと”ならそれが「趣旨」であり、そのテーマのなかで”一番楽しんでもらいたいポイント”が「主旨」になります。
「意義」の英語表現
「意義」はビジネスシーンでも使われる言葉であるため、英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられます。いざという時のために、会話やメールでの使い方を確認しておくと安心です。
significance
meaning
と表現できます。
「意義がある」の英語表現・例文
It has significance
it has meaning
it makes sense
と表現できます。
「意義がある」を使用した例文はこちらです。
⇒このプロジェクトに意義があるのは間違いありません。
・I feel that it makes sense to take action.
⇒行動することに意義があると感じました。
「意義深い」の英語表現・例文
significant
と表現できます。
「意義深い」を使用した例文はこちらです。
⇒彼の行動はとても意義深いです。
・This meeting is a deeply significant matter.
⇒今回の会議は大変意義深いものでした。
「意義」の正しい使い方をマスターしよう!
同じ読み方でも微妙に意味の異なる言葉が出てくるビジネスシーンでは、正しい意味を理解しておかないと苦労することになります。
みなさんも正しい言葉の使い方や使い分けをマスターし、社会人として「意義」のある仕事に取り組んでください!