「言質」とは「証拠になる言葉」という意味
言質を録音して残しておく
「言った」「言わない」「何時何分何秒ですかー」のようなやり取りをしないように録音や念書で残しておくのがおすすめです。
「言質(げんち)」とは「証拠になる言葉」という意味。「言質を取る」は、後にこちらが有利になるような発言を相手から引き出しておくことを意味します。口頭での言葉だけではなく、書いた言葉も「言質」に含まれます。
「言質」の読み方
「言質」は「げんち」と読みます。言葉を知らなければ「げんしつ」「げんしち」と読んでしまうかもしれません。
一応、「げんしつ」「げんしち」も誤読の多さから認められてはいるものの、誤読は誤読。きちんと「げんち」と読みましょう。
「言質」の使い方・例文
・Aさんから言質を取ってくるのが今回の仕事です ・言質を取られないように不必要な発言は控えてください ・あの人は隙をついてくるから言質を与えないように注意してね ・言質を残しておくため録音させていただきます
「言質を取る」「言質を与える」という表現がよく使われます。他にも「言質を取り付ける」「言質を残す」といった表現もあります。それぞれの打消し表現とあわせて確認しておきましょう。
交渉事が有利になる相手の発言や、責任を認めることを意味する謝罪、反省の言葉などが「言質」です。
「言質」の注意点
「言質」をいただく
「言質を取る」を丁寧にしたいと考えるあまり、「言質をいただく」と表現していないでしょうか。「言質を取る」でセットなので「取る」だけを取り出して変換するのは違和感があります。
「言質を取らせていただく」であれば違和感がありません。
自分の発言も「言質」になる?
「言質」は基本的には相手の発言を指します。自分の発言は相手にとって「言質」ですが、自分にとっては「言質」ではありません。相手に有利になる発言や立場を危うくしてしまう自分の発言は「失言」と表現することができます。
「言質」の類語
・証言 ・確約 ・供述
「言質」の類語としてこれらの表現を挙げることができます。
いずれも「言質」以上に堅苦しい表現になので、日常で使うのは向いていないかもしれません。その場合は単に「発言」と言い換えていいでしょう。
「言質」を英語で
They committed to that promise ⇒彼らから約束を守るという言質を取った(彼らは約束した)
「commit to」で「言質を取る」を表現していますが意訳です。「言質を取る」は日本語独特の表現なので直訳するのは難しいものがあります。他にも、「give own word」を使って表現することも可能です。
「言質」は取っても取られるな
政治家でなくとも自身の発言には気を付けたいものです。「口は禍の元」とよく言いますが、ちょっとした失言で今まで築いてきたものが崩れ去ってしまうこともあります。
「言質は取っても取られるな」。この言葉を忘れないようにしてください。