『訴求』とは『消費者の購買意識に訴えかける』という意味
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『訴求』とは、文字を見て想像できるように、『訴え、求める』ことです。
言葉のイメージとしてはとても堅苦しいので、『政治や裁判関連用語』と思ってしまう人がいるかもしれません。しかし、ビジネスシーンでも宣伝や広告の分野で広く使われます。
ここでは、『訴求』の意味や正しい使い方のほか、類語、英語についてもわかりやすく解説します。
『訴求』の読み方と意味
『訴求』は『そきゅう』と読みます。『訴える』と『求める』の二つが合わさってできている言葉なので、まずはそれぞれの漢字の意味を見てみましょう。
・裁きを求め上に申し出る
・不満や苦痛を告げて知らせる
・ほしいと願う
・のぞむ
・買うこと
議会や集会などで、『自分たちの思いや考えを訴え求める』といった意味合いで『訴求』はよく登場します。
しかし、ビジネスシーンにおいては、主にマーケティング用語として、『消費者の購買意識に訴えかけ、買って欲しいと求める』の意味で使われます。
『訴求』の使い方・例文
会話においては『訴求』は、ほかの言葉につけて使う場合があります。
■訴求する力→『訴求力』
■訴求するための言葉→『訴求メッセージ』
また、発信した訴求メッセージにより、消費者の購買意識が働いて購入に至った場合には、『訴求に繋がる』という言い方もします。
■今回のテレビCM出演は、訴求に繋がる行為といえるだろう。
■ネットをあまり使わない人に対して訴求するにはどうすればいいのだろうか。
■この会社の労働環境については徹底的に訴求していくつもりです。
先輩
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『訴求ポイント』とは?
『訴求ポイント』とは、『訴えたい点』を指します。たとえば、5000円の美顔器に搭載されている5つの機能が、期間限定発売の1000円の美顔器に搭載されたとします。
価格を強調して訴えたい場合、『訴求ポイント』は『1000円』になります。また、機能性を訴えたい場合は『5つの機能』が『訴求ポイント』になります。
化粧品用語の『訴求成分』とは?
『訴求成分』をほかの言葉に言い換えると『機能性成分』となります。
「こんなにコラーゲンが入っている商品は魅力的!」「ビタミンCが入っているならこの商品がいいかもね」といったように、消費者が「この成分が入っているならコレを買おう!」と思わせる成分を『訴求成分(機能性成分)』といいます。
メーカー側としても、その人の肌の悩みに対し効果を発揮すると言える成分を『訴求成分』として表記し、『訴求メッセージ』の掲載して宣伝します。
一方、消費者は各メーカーからの『訴求メッセージ』を比較して、実際の購入に踏み切るわけです。
『訴求』の類語・対義語
『訴求』をほかの言葉で言い換える場合、次のようなものがあてはまります。
・集客
・気持ちが伝わる
・心を打つ
・心をつかむ
・説得力がある
・くぎ付けにする
・アピール など
また、『訴求』の、言葉としての対義語は存在しませんが、代わりに『訴求されない』『購買意欲がわかない』『説得力がない』といった表現があてはまります。
『訴求』の英語表現
『訴求』を英語で表現する場合、『appeal』『target』『solicitation』などがあります。しかし、『solicitation』は、どちらかというと裁判などの場で使われる言葉なので、ビジネスシーンにおいては『appeal』や『target』が適切といえます。
■target people in their 20s(20歳代に訴求する。)
■visual appeal(視覚的訴求)
『訴求』と『遡及』の間違いに注意!
『訴求』と同じ読み方をする『そきゅう』には、『遡及』という言葉があります。
これは、『過去のものごとや出来事にさかのぼって影響を及ぼす』という意味。たとえば、『社内規定を昨年度のものを遡及適用する』というと、『社内規定を昨年度のものを使用する』といった内容になります。
『訴求』とは意味が異なるので、間違って使わないよう注意しましょう。
マーケティングに携わるなら『訴求』を理解しておこう
消費者に訴えかけるという行為は、企業の売上を伸ばすうえでもとても重要なことです。『訴求』は、会議や資料でも頻繁に登場します。意味や使い方をしっかり理解し、ほかの言葉との誤用にも注意しましょう。