『上位互換』とは『上位機種が下位機種との互換性をもっている』という意味
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上位互換の読み方は『じょういごかん』です。これは、グレードの高いものに、グレードの低いものと同じ機能が備わっている状態を表す言葉です。
この説明だけでも理解できる人も多いでしょうが、今回は関連語や英語表現なども含めてしっかり覚えていってください。
『上位互換』の意味
『上位互換』をもう少し長い言葉に置き換えると『上位グレードにも互換性がある』です。
互換性とは、ある機械やソフトなどを、ほかの機器に置き換えても同じように使えることを指します。
『上位互換』の例
言葉の意味を理解するのももちろん大切ですが、『上位互換』については例を見たほうがよりわかりやすいです。まずは、どういったものが『上位互換』になるのかをチェックしてみましょう。
■Windows10を入れたパソコンでWindows8で使っていたソフトが使える。
■PS(PlayStation)3の本体でPS1のソフトが使える。
■お試し版表計算ソフトで作成した表を正規版で編集できる。 など
『上位互換』と区別して覚えたい言葉
『上位互換』には『下位互換』『前方互換』『後方互換』という、意味の誤認識をしやすい言葉が存在します。それぞれの意味を簡潔に解説するので、違いをしっかり覚えておいてください。
【上位互換】
上位機種に下位機種の機能が備わっている。
【下位互換】
下位機種に上位機種の機能が備わっている。『上位互換』の対義語にあたる。
【前方互換】
前のもの(=古いもの)が、新しいものとの互換性を持つ。
【後方互換】
後のもの(=新しいもの)が古いものとの互換性を持つ。
『上位互換』の使い方・例文
『上位互換』をほかの似た言葉と間違えて使わないために、ここで例文で正しい使い方を紹介しておきます。
■今のデータが使えなくなると困るので、上位機種が上位互換かどうかをメーカーに問い合わせた。
■次の商品は機能的にはグレードアップになりますが、上位互換になっているため、現行機種で使っていたパーツもこれまで同様お使いいただけます。
■来月インストールするソフトウェアはアップグレード商品になります。ただし、上位互換がないので今のソフトで作っているデータは使えません。
上司
『上位互換』の類語
『上位互換』は、『上位』と『互換性がある』の2つの言葉の組み合わせです。そのため、類語としてはこんな言葉があてはまります。
・下位機種との適合性がある。
・下のグレードのものと両立できる。
・下位グレードのものとも相性が良い。 など
設計書などに見られる『上位互換性要件』とは?
公共機関や各企業などで、システムのアップグレードを行う際、『上位互換性要件』という項目を設けている場合が多いです。
これは、上位バージョンへ互換性をもたせるにあたって、どのような条件が必要なのかを示したものです。内容については次のリンクを参考にしてみてください。
参考 基本設計・詳細設計業務要件定義書(案)環境省 参考 非機能要件定義書経済産業省『上位互換』の英語表現
英語では『互換=compatible』『互換性=compatibility』となります。『上位互換』は、英語では『上互換性』と表現することが多いです。
■be forward compatible with~(~と上位互換性がある)
■upward compatible with~(~と上位互換性がある)
■A is compatible with B(AはBと互換性がある)
『上位互換』の意味理解したうえで新しい商品の機能をチェックしよう
『上位互換』と『下位互換』では意味はまったく異なります。意味を取り違えてしまうと、必要な機能が使えないという状況にもなりかねません。それぞれの意味を正しく理解し、機能チェックを行いましょう。