「閑古鳥が鳴く」とは「客が来なくて商売が流行っていない様子」
先輩
新人
先輩
「閑古鳥が鳴く」は、お店や旅館などにお客さんが来なくて商売が流行っていない様子を表す慣用句です。
仕事がなくて暇な様子を意味する言葉ではありません。新人君のような間違いをしないように、しっかり学んで知識を蓄えましょう。
「閑古鳥が鳴く」の意味や由来
「閑古鳥が鳴く」は、主に接客業に対して用いる慣用句。「かんこどりがなく」と読みます。
「閑古鳥が鳴く」は、客商売の人ならばできれば避けたいと思うだろうこんな意味の言葉です。
・お客さんが来なくて、商店や旅館などの商売が流行っていない様子
・寂れた様子
閑古鳥というのは、カッコウのことです。カッコウは、日本には5月ごろにやってくる夏鳥で、人里離れた野山に生息しています。
「閑古鳥」の字の由来
「閑古鳥」は、平安時代に人々が使っていたカッコウの呼び名に由来する言葉です。
平安時代の人々は、カッコウを「呼子鳥(よぶこどり)」と呼んでいました。カッコウの鳴き声が人を呼ぶ声のように聞こえるため、こう呼ばれていたようです。
「呼子鳥」は、時の経過とともに「喚子鳥(よぶこどり)」→「喚子鳥(かんこどり)」と漢字や読み方が変化していきます。
カッコウは静かな野山で鳴く鳥です。そのため「喚子鳥」は「ひっそりと静か」という意味をもつ「閑」の字を使った「閑古鳥」という漢字が当てられるようになりました。
「閑古鳥が鳴く」が現在の意味になった理由
人気のない野山に響き渡るカッコウの鳴き声は、物寂しく感じられますよね。ここから「閑古鳥が鳴く」は、ひっそりとしていて寂しいという意味合いの慣用句になりました。
しかし「閑」の字には、暇という意味もあります。そのため「閑古鳥が鳴く」を暇な状態を表す言葉だと勘違いしている人もいるようです。
「閑古鳥が鳴く」の使い方・例文
「閑古鳥が鳴く」は、人がいなくて寂しいという意味。流行っていない商店や旅館などに対して使うのが一般的なことわざです。よくないニュアンスをもっているため、使用するときには注意が必要になります。
「閑古鳥が鳴く」の使い方を例文でイメージしてみましょう。
店長
店員
自分の店の状態を自分で「閑古鳥が鳴く」というのは、特に問題のない使い方です。
新人
先輩
新人
よそのお店について「閑古鳥が鳴く」を使用するときには気づかいが必要です。
例文2の場合は、お店の人には聞こえないところで話しているのでセーフ。でも、そのお店の人に面と向かって「閑古鳥が鳴く」といってしまうのはかなり失礼です。
「閑古鳥が鳴く」は、使って大丈夫なシチュエーションかよく考えて用いるようにしましょう。
「閑古鳥が鳴く」の類語
「閑古鳥が鳴く」と似た意味の慣用句には、次のようなものがあります。
・門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)
・門外雀羅を設くべし(もんぜんじゃくらをもうくべし)
これらはすべて、宿や店舗を訪れる人がいなくて雀のたまり場になっているから、鳥を捕まえる網を張れば捕獲できるほどだという意味合いの言葉です。要するに、流行っていなくて物寂しいということ。
「閑古鳥が鳴く」の言い換えにも使えます。
「閑古鳥が鳴く」は英語でどう表現する?
「閑古鳥が鳴く」は、日本独特の表現です。そのため「閑古鳥が鳴く」をそのまま英語に訳しても英語圏の人には意味が通じません。
「閑古鳥が鳴く」を英語でいいたいときには、次のような表現が使えます。
to have little business
to in a slump of a business
to have hardly customers
to be quiet
business is slow
had a slow day
ビジネスで英語を使うときに備えて覚えておきましょう。
「閑古鳥が鳴く」は状況を見極めて使うことわざ
「閑古鳥が鳴く」は、流行っていないお店に対して使うのが一般的なことわざです。お店にとってお客さんが来てくれなくて寂れているのは、困った状況ですよね。
よくない事態を意味する慣用句なので、用いるときには使用して大丈夫なシチュエーションかよく見極める必要があります。
「閑古鳥が鳴く」のニュアンスを理解するだけでなく、適切に使えるようになりましょう!