上司
新人
先輩
最近「サラリーマン」という呼称には、ちょっとネガティブなイメージや自虐的なニュアンスが込められることが多いですよね。そもそもの定義はご存じでしょうか。今回は「サラリーマン」の意味や語源、類語などについても解説します。
サラリーマンの定義や語源は?
先輩
まずは「サラリーマン」の語源や定義について確認しておきましょう。
サラリーの語源
「salary(サラリー)」はもともとラテン語の「Salarium(サラリウム)=塩」が語源です。古代ローマ時代、塩は大変貴重な品であり、労働の対価として支給されるほどだったことに由来します。
サラリーマンの定義
サラリーマンは「給料をもらって働く人」の意味ですが、いわゆる「給与所得者」とイコールではありません。例えば公官庁に勤める公務員や、弁護士や医師などの専門職は、給料を得ていても「サラリーマン」とは呼びません。また、アルバイトや派遣社員も、当然給与が支払われていますが、一般的に「サラリーマン」に含まれません。
サラリーマンは民間企業の事務系職種、いわゆるホワイトカラーの労働者を指します。また、どちらかといえば男性を指すことの方が多いといえます。
・親の事業は継がず、一般企業に就職してサラリーマンになるつもりです
時代とともに変わる「サラリーマン」のイメージ
「サラリーマン」は、時代の変遷とともにそのイメージが変化しています。
大正時代~昭和初期
「サラリーマン」という言葉が生まれたのは、大正時代頃といわれています。当時は一次産業中心で、会社に勤務して給料を得る人は少数派。このころから昭和初期頃まで、サラリーマンは庶民にとって憧れの職業でした。
戦後~高度成長期
戦後はホワイトカラー人口が急増。この頃からサラリーマンは当たり前の存在になっていきます。大手の企業に入社すれば、終身雇用で生涯安泰。1960年代には「気楽な稼業」と形容されます。
高度成長期~バブル期
1970年代頃には仕事第一の「モーレツ社員」がもてはやされます。バブル期に入ると「24時間戦えますか」というドリンク剤のCMが大ヒット。長時間労働を当たり前にこなし、経済発展の担い手というイメージが強くなります。
バブル崩壊~現在
経済成長が当たり前の時代が終わり、かわりに「社畜」「ブラック企業」という言葉が台頭。サラリーマンは会社に縛られ、搾取される存在とのイメージが強まっていきます。
毎年第一生命が企画している「サラリーマン川柳コンクール」[efn_note]参考:みんなのサラリーマン川柳プロジェクト|第一生命保険株式会社[/efn_note]では、その悲哀を表現する作品が多いのも象徴的です。
メルカリで 妻が売るのは 俺の物(島根のぽん太/50代) 第32回サラリーマン川柳優秀作品
ノー残業 趣味なし金なし居場所なし(リトンプー/40代)第32回サラリーマン川柳優秀作品
サラリーマンの類語
新人
ここではサラリーマンの類語と、それぞれの意味の違いを解説します。
ビジネスマン
サラリーマンの類語で使われる頻度が高いのが「ビジネスマン」。ビジネスに携わる人全般(ただしアルバイトやパートは除く)を指します。サラリーマンが民間企業に雇用されている人を指す一方で、ビジネスマンは起業家や経営者、フリーランスなど、幅広い人も対象。近年ではより性差を感じさせない「ビジネスパーソン」を使う人も増えています。
なお、サラリーマンは和製英語なので海外では通じませんが、ビジネスマン(businessman)は英語圏では一般的な用語です。ただし、英語圏では経営者や実業家の意味で、日本でいう「ビジネスマン」より対象は限定的です。
・ビジネスマンに必要なスキルを磨く
会社員
「会社員」は会社に雇用されてフルタイムで働く人が対象です。一般的にアルバイターやパートタイマーは含みません。サラリーマンとほぼ同義ですが、「会社員」には作業員など、事務系職種以外の人も含まれます。
先輩
新人
社会人
「社会人」は学校を卒業し社会に出た人全般を指す用語です。会社員はもちろん、公務員や経営者、アルバイターやフリーランスも対象です。社会人から学業に復帰した人、卒業後一度も就業経験がない人は含まない場合が多いです。
・次回の団体職員募集には社会人採用枠がある
サラリーマンの英語表現は?
先輩
上述のとおり、サラリーマンは和製英語。そのままでは通じません。日本では類語にあたるビジネスマンも、英語圏ではニュアンスが異なります。
最も近い表現は「office worker(オフィスワーカー)」または「white color worker(ホワイトカラーワーカー)」です。ただし、自己紹介などの場では職業や会社名を具体的に表現する方が自然です。
・I am a English teacher.(私は英語教師です)
番外編・サラリーマン山崎シゲル
近年、マイナスイメージで語られがちなサラリーマン。一方で「サラリーマン金太郎」「サラリーマンNEO」などの漫画やバラエティ番組が象徴するように、創作の分野では存在感を保っています。そんな中、最近ネットを中心に話題を集めたのが「サラリーマン山崎シゲル」です。
#サラリーマン山崎シゲル頂いたお題 vol.229
お題 補助輪#サラリーマン山崎シゲル #サラリーマン #山崎シゲル #部長 #山崎 #シゲル #漫画 #マンガ #ギャグ #イラスト #グレープカンパニー #田中光 #補助輪 pic.twitter.com/uS6F4HIw90
— サラリーマン山崎シゲル (@hikaru_illust) April 9, 2020
作者はお笑い芸人の田中光氏。主人公山崎シゲルと部長のやり取りを主に描いた漫画です。シュールでどこかほのぼのとしたテイストに、はまる人が続出。その人気から、書籍化や企業とのコラボ、Lineスタンプ販売など、幅広い展開をみせています。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
何気なく使っている用語を見直してみよう
身近な言葉でも、実は正確な意味や定義を見過ごしていることは多いものです。「サラリーマン」はそんな用語の代表格かもしれませんね。
普段、なんとなく使っている日常語も、たまには見直してみると意外な発見があるかもしれません。