ワンストップとは「1ヵ所で用が足りる」という意味
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ワンストップは「1ヵ所で用が足りる」という意味のカタカナ語。
ビジネスや行政で近年注目される用語で、ビジネスマンなら身につけておきたい言葉のひとつです。しかし、何をどうワンストップするかは、シチュエーションによって大きく変わってきます。
基本の意味がわかっても、中身を想像しにくいワンストップについて、くわしくみていきましょう。
英語のワンストップ(one-stop)の意味は?
ワンストップは英語表記すると「one-stop」。「one」は「ひとつ」で「stop」は「止める」や「押さえる」という意味です。
「one」と「stop」を単純にくっつけて直訳すると「ひとつで止める」ですが「one-stop」は、こんな意味になりますよ。
・1ヵ所で何でも買える
・1ヵ所で用の足りる
・一駅の
・一区間の
「one-stop」は、冒頭で紹介した「1ヵ所で用事が足りる」という意味のほかに、駅ひとつ分という意味でも使われています。
カタカナ語のワンストップの意味は?
カタカナ語のワンストップは、次のような意味をもっています。
・1ヵ所で何でも揃うこと
カタカナ語のワンストップには、英語の「one-stop」にあった「一駅の」や「一区間の」という意味はありません。
ワンストップをイメージできる例
ワンストップを例でイメージしてみましょう。
自動車を所有するときには、警察署や税事務所などに出向いてさまざまな手続を行い、複数の税金や手数料の納付を済ませなければなりません。お役所回りをするのは面倒ですね。
そこで始まったのが、国土交通省のワンストップサービス(OSS)。このサービスを利用すると、オンラインを利用して必要な手続きや税・手数料の納付を一括申請(ワンストップ)できるようになります。
参考 自動車保有関係手続きは、ワンストップサービス(OSS)で!国土交通省ビジネスで登場するワンストップの意味
ひと言にワンストップといっても、業界や会社によって意味しているところはバラバラです。業界ごとにワンストップの例を押さえておきましょう。
企業の購入活動でのワンストップは「発注の一括管理サービス」
「発注の一括管理サービス」とは、企業が何かものを買うときにまとめて発注・管理できるようにするサービスです。それまで個別で発注していたものをひとまとめにできます。
・備品はA社、材料はB社のように、発注先がバラバラだった企業の購入活動をすべてある企業が中継して代理発注するサービス
企業がものを購入するときには、ワンストップ(=発注の一括管理サービス)を提供する企業に発注すればOK。企業は購入活動の管理が楽になります。
しかし、何をどこまでワンストップにできるかは、ワンストップを提供する企業によって変わってくるので導入を決める前にしっかり確認してください。
物流でのワンストップは「作業を1ヶ所にまとめること」
「作業を1ヶ所にまとめること」とは、物流に関わるわずらわしい作業を1ヶ所にまとめ、ほかのところではしなくて済むようにするという意味。
【ワンストップ】
海外の工場から出荷される製品の保管や仕分けを海外で行い、必要なときに各販売店に直接出荷する物流形態
【企業のメリット】
国内での仕分け作業がなくなるため、輸出後、タイムラグなくそのまま各販売店に納品できる
【ワンストップ】
製品を仕入れる企業が、本来しなければならない製品の保管や検品、仕分けなどの作業を物流企業が代行するサービス
【企業のメリット】
面倒な作業なしに仕入れができる
【ワンストップ】
物流企業が、メーカー・卸売業者・小売店に共同使用する倉庫を提供し、その倉庫内でメーカー→卸売業者、卸売業者→小売店の商品のやり取りを完結させるサービス
【企業のメリット】
メーカー→卸売業者、卸売業者→小売店の配送料を節約できる
自社の物流システムをワンストップにしている会社もあれば、ワンストップサービスを商品として提供する物流企業もあります。
何がどうまとめられるかは、物流企業によって変わってくるのでサービスを利用するときには確認が必要です。
システム開発でのワンストップは「全工程をひとつのIT企業で行うこと」
「全工程をひとつのIT企業で行うこと」とは、システム開発の全行程(企画・目的の定義・設計・開発・運用)をすべてひとつのIT企業が請け負うという意味です。
一社がすべての行程を担当すると、開発期間が短縮され障害発生時の対応も早くなります。
紹介した分野のほかにも、ワンストップは広告業界・不動産業界など、幅広いシチュエーションで使われています。
何をどうワンストップするかはそれぞれ違うので注意。ひとつのところが複数の物事をまとめて引き受けるという点は共通しています。
行政におけるワンストップの意味は?
行政でのワンストップは、行政の手続きを、1ヶ所の窓口で終わらせられるようにすること。それまではいくつもの行政機関や窓口をはしごしなければならなかったのが、1ヵ所で済むようになります。
記事の前半で紹介した、自動車所有に関わる国土交通省のワンストップサービス(OSS)は、すでに実用化されている行政のワンストップです。
そのほかにも、内閣府では引越しや結婚、出産、死亡などに関する手続きのワンストップを目指しています。そして、このワンストップを進めるために必要な取り組みといわれているのが、マイナンバーの普及です。
参考 ワンストップサービス内閣府覚えておきたいワンストップの関連語
ワンストップには、ワンストップ〇〇という複合語がいくつもあります。しかし、後半の〇〇の部分が省略されて、ワンストップという形で用いられるケースも珍しくないので注意が必要です。
ビジネスでよく登場する関連語や実生活で目にする機会が多い単語は、しっかり覚えておきましょう。
ワンストップ サービスの意味
ワンストップ サービスは、何かをするときにすべてを1ヵ所で終わらせられるようにしたサービスです。
それまでは、何ヵ所も回って別々にやらなければならなかった作業や手続きが1ヵ所で済みます。
ワンストップショッピングの意味
ワンストップショッピングは、消費者が購入したい商品をすべて1ヵ所で購入できるようにした小売形態。
買い物だけでなく公共料金の支払いや宅配便のやり取り、ATMなどいろいろな用事を1ヶ所で済ませられる場合もあります。
ワンストップ化の意味
ワンストップ化は、今まで別々の場所でしていたものを1ヵ所でまとめてできるようにすることを意味します。
ワンストップの類語
ワンストップにはカタカナ語の言い換え表現はありません。しかし、カタカナ語にこだわらなければ言い換えに使える言葉はありますよ。
ワンストップと同じ意味の日本語
「1ヵ所で用が足りる」という意味のワンストップと同じ意味の言葉には、次のようなものがあります。
・集約
・1点集中
漢字を使った表現ですが、語彙を増やすとビジネス会話は展開しやすくなります。覚えておいて損はありませんよ。
ワンストップに意味が似ている「オールインワン」
オールインワンは「複数の必要な機能をひとつにまとめたもの」という意味。
ワンストップと同じ意味ではないので言い換えには使えませんが、似たようなニュアンスをもっているワードです。
知っていると得をするかも?ワンストップ特例とは
ワンストップ特例は、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる特例制度です。
1年間の寄付が5自治体以内で、その年の確定申告が必要ない人はこの制度を使えます。
ワンストップ特例は、寄付の度に手続きが必要です。ふるさと納税をした翌年の1月10日必着で、申請書類をふるさと納税した自治体に送らなければなりません。
ワンストップ特例と確定申告では、いつまでか、申告期間が異なるので注意してください。
ワンストップの使い方・例文
ワンストップは「1ヵ所で用が足りる」というニュアンスをもつカタカナ語です。しかし、何がどうワンストップになっているのかは、シチュエーションによって変わってきます。
どのような意味でワンストップが使われているか、考えながら例文を読んでみましょう。
開店準備中の若者
営業マン
先輩
新人
先輩
ワンストップはふるさと納税だけじゃない
ワンストップは、ビジネスや行政サービスなど、幅広いジャンルで登場するワードです。
各シチュエーションで「1ヵ所で用が足りる」ようにするという点は共通しています。しかし、何をどのように「1ヵ所で用が足りる」ようにするのかは、業界や企業によって変わってくるので注意。
ワンストップに関するくわしい情報が必要なときには、勝手な解釈をせずに相手方に確認することをおすすめします。