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「慣例」の正しい意味は?「習慣」との違い・類語との使い分けを解説!

「慣例」とは普通となっているしきたりってこと!

部下

ミーティングも終わったことだし、早く帰って体を休めたいですね。
実はこのあとの部長主催の懇親会があるんだ。この時期はもはや慣例化されているから、我慢して付き合ってくれ。

上司

部下

ええっ!?それって一番疲れるやつじゃないですかー!

「慣例」とはある出来事が何度も行われ、普通となっているしきたりをあらわす言葉です。会社や日常など、普段から行われている出来事や行事を指して使われるケースが多いです。

「慣例」と似た意味をもつ言葉は数多く、場面ごとの使い分けが難しいかもしれません。今回はそんな「慣例」の意味と使い方、類語との使い分けを解説していきます。「慣例」とその類語についてマスターしていきましょう。

「慣例」の類語(言い換え表現)
・「慣習」
・「習慣」
・「恒例」
・「風習」
・「通例」

「慣例」の意味と使い方を解説

「慣例」の詳しい意味と使い方について解説します。すぐに使える例文を見ながら、「慣例」について理解を深めていきましょう。

「慣例」の意味

先述したように、「慣例」とは一般的なしきたりを指す言葉です。もっとわかりやすくいえば、”何度も行われている行事や習慣”を指します。繰り返し行われてきた事柄がやがて普通・一般的な習わしとなり、しきたり、つまり「慣例」とされます。

「慣例」の使い方

それでは「慣例」の一般的な使い方について例文で紹介していきます。

例文1

新人

うちの会社ってどうして朝礼で社歌を斉唱するのですか?
もともとは創設者が自発的に始めたことなんだけど、愛社精神に溢れるほかの役員がそれにならって慣例化したんだよ。

上司

例文2

部下

あ、課長。先輩が「好きなアーティストが来日するから来週は休みます」って、さっき連絡が入りました…。
この時期の彼女の急な休みはもはや慣例行事だから驚かないよ。

課長

例文3

先輩

今回の質疑応答はいつも以上に荒れたわね。
課長、随分と食い下がりましたしね。それまでの社内の慣例にならえば、あのままうやむやに済ませていただけに。

後輩

そのほかにも、「慣例」を使った例文を一覧で紹介します。

・会議のあと、リーダー同士による反省会が慣例的に行われている。
・今では禁止されてしまった行為も、昔は一般的な慣例として行われていた。
・一見激しい言い争いだが、この二人のやり取りは既に慣例となっている。
・こういった慣例にとらわれない新しい発想は、これからの時代には必要なのだろう。

「普通」や「一般的」のニュアンスで「慣例」が使えます。そのまま言葉を置き換えると文章がやや不自然になる場合、「慣例」と「普通」や「一般的」などと使い分けるのが効果的です。詳しくは後述する類語の見出しでも解説します。

「慣例」の類語を解説

普通に行われてる事柄や、一般的なしきたりを意味する言葉は「慣例」だけではありません。それでは「慣例」の類語を一例で紹介します。

「習慣」と「慣習」

同じ漢字を並べ替えた「習慣」と「慣習」を同時に解説します。意味はどちらも”日常的、以前からに決まっている行動やしきたりを指します。では、2つの意味の違いはなにかというと、「個人」か「団体」に対して使うかの違いです。

例文でその違いを確認して見ましょう。

「習慣」の例文

後輩

先輩っていつも朝からきびきびしてますよね?どうしてそんなに元気なんですか?
毎朝出社前にストレッチすることを習慣にしてるのよ。そうすることで体の調子がよくなるからね。

先輩

「慣習」の例文

先輩

そういえば君も学生時代は体育系の部活だったらしいじゃない?
うちの部活は始業前の走り込みが慣習化されてましたよ。今じゃもう考えられないですけどね。

後輩

「習慣」は個人で毎日やると決めているものや決まった行動です。いわゆるルーチンワークやライフスタイルといわれるものです。

一方の「慣習」は、集団に対して使うのが一般的です。例えば会社や学校の朝礼、新年の初詣などの社会や集団で行うものが当てはまります。

つまり、同じ意味合いでも対象が個人か集団かで使い分けます。

「恒例」

いつも決まって行われる行事や儀式、イベントを指す言葉です。「習慣」や「慣習」がしきたりや習わし全般を指す言葉であれば、「恒例」が指すものは行われている催し物を指す言葉です。

例文1

部下

課長、なんか各部署の人たちが慌ただしくしていますが、なにかあったんですか?
この時期恒例の監査が来るからね。経理はもちろん、管理担当は気が気じゃないだろうさ。

課長

例文2

後輩

先輩、課長が青ざめて帰っていきましたけど大丈夫でしょうか?
先方との付き合いとはいえ、飲みたくもないお酒を飲まなきゃいけないわけだしね。恒例とはいえ、苦手なものは仕方ないわよ。

先輩

現在では「いつもの調子」や「いつものこと」の比喩表現としても使われています。

「風習」

「風習」はその地域や土地に根付いているしきたりや習慣を指す言葉です。歴史や伝承に伝わる習慣を「風習」とするのが一般的です。

例文1

部下

ひえ~この寒いのに滝に打たれるなんてよくやるなぁ…。
ああやって滝に打たれ、豊作を祈願するのがこの土地の風習なんだよ。

上司

例文2

部下

しかし今からすれば、昔はよくこんな酷いことがまかり通ってたなあと思いますね。
とはいえ、今でも地域によっては古い風習として根強く残ってるところもあるんだよ。

上司

「通例」

通常の例と書き、一般的な習わしを意味する言葉です。「慣例」にも「例」の字が使われていますが、名詞としての「例」には” 以前からのやり方やしきたり”をあらわす意味が含まれています。

例文1

後輩

なんか見るからに物騒な場所ですけど、本当にこの道であってるんですか?
ガイドブックによると、道なりに進むのが通例だと書いてあったんだけどなあ…。

先輩

例文2

部下

というわけで、できたのがこちらの品です。
通例としては、素材に合成樹脂は使用しないものなんだがなあ…。

上司

そのほかの類語

・「一般的」- 一般、世間に周知されているさま
・「慣行」- 以前からの習わし
・「習俗」- その時代の社会や日常生活の習わし(「風俗」に置き換えることも可能)
・「前例」- これまでの経験、同じような出来事(「先例」に置き換えることも可能)

そのほかの「慣例」の類語は、いずれも「以前の出来事」や「習わし」を示す言葉が多いです。類語を使い分ける際には、個人か集団、または時代や社会を指すかどうかを目安として使い分けましょう。

「慣例」と類語の違い

先述したように「慣例」と類語の違いは、「なにがなにを対象に繰り返し行われているのか」に注目するとわかりやすいです。

“「慣例」は繰り返し行われ、それが習慣となっていること”
・彼が仕事をする前にタバコを吸いに行くのは慣例となっている。
“「慣習」は一般的に認知されているしきたりや習わしなどを指す”
・我が家では季節の変わり目にはその時期の旬の食材を食べるのが慣習である。
“「恒例」はイベント、催し物がいつもと同じ時期に行われること。”
・夏になると毎年恒例行事として盆踊りが開かれる。
“「習慣」は繰り返し行われて日常的になっているルーチン”
・体調管理のための毎朝のジョギングは習慣化している。
“「通例」は一般的に認知されている習わしのこと”
・この時期はお世話になった人や会社の上司に贈り物をするのが通例である。

類語のなかには「慣例」と「習慣」のようにほとんど同じ意味の言葉もありますが、「慣習」のように”しきたり”を指す場合もあります。同じ意味の言葉でも「いつから」「どのような」「誰(なに)が」を意識して使い分けましょう。

「慣例」の対義語

「慣例」の対義語ですが、”繰り返し行われていない出来事・習わし”や”普通では当てはまらない”を示す言葉です。例えばどういった言葉があるのか一例を紹介します。

「異例」- 例がない珍しいこと。いつもとは違うこと。
「特例」- 特別に適用される例(法令・規定など)。
「例外」- 通例、一般的には当てはまらないケース。
「特別」- 通常とは別物、例外

これらのように、普通には当てはまらない事象や出来事を指す言葉が「慣例」の対義語です。

「慣例」の英語表現

「慣例」はビジネスシーンにおいてよく使われる言葉です。当り前になっている習慣を伝えることができる「慣例」の英語表現を事前に確認しておきましょう。

「慣例」の英語表現
「慣例」は英語で・・・
customary
common practice
conventional

と表現できます。

「慣例」の英語表現を使用した例文はこちらです。

例文
・The meetings between leaders are customary.
⇒リーダー同士による反省会が慣例的に行われている。
・In the past, it was a common practice.
⇒昔は一般的な慣例として行われていた。
・The interaction between these two is customary.
⇒二人のやり取りは慣例になっている。
・New ideas that are unconventional will probably be needed in the future.
慣例にとらわれない新しい発想は、これからの時代には必要なのだろう。

状況や場面に応じて「慣例」と類語を使い分けよう

今回解説した「慣例」には意味の違いがわかりにくい類語が数多くあります。適当に使ってしまいがちですが、ビジネスパーソンは相手に正確に物事を伝える責任があります。

プレゼンなどの大勢に発表する場では、混乱を招くどころか自分の能力も疑われてしまいます。今回の「慣例」と類語の正しい使い分けをマスターし、どんな状況でも明確に説明できるように備えましょう。