「参る」は「行く・来る」のへりくだった表現…でも他にも
「参ります」「参りました」といったように使われる「参る(まいる)」。毎日のように耳にする頻出ワードです。
「参る」は「行く・来る」のへりくだった表現。自分を下にして相手を立てる謙譲語です。しかし、それだけでは説明できない使い方もありますよね。
ビジネスシーンでも日常会話でもよく使われている「参る」について詳しく見ていきます。
「参る」の使い方・例文
「参る」の使い方を例文とともに確認していきます。
「行く・来る」の「参る」
まずは、「行く・来る」のへりくだった表現である「参る」の使い方。
・昼過ぎに参ります ・A社から参りました ・駅まで一緒に参りましょう
「行きます」「来ました」とするよりも丁寧な表現に。謙譲語なので基本的には自分の行動に対して使用しますが、自社の人間が他社へ出向くときなどは使用可能です。
「参りましょう」の注意点
「参りましょう」の場合は同行者が目上の人であっても問題ありません。
しかしながら、気に入らない・間違いだという認識の人もいるので使い方に注意が必要。気になるのであれば、「ご一緒する」と言い換えましょう。
「負け」の「参る」
「負け」「降参」という意味の使い方。
・将棋の対局で劣勢を悟り投了。「参りました」 ・あなたの熱意には参りました。契約しましょう
将棋や囲碁等の勝負で自分の敗北を宣言する際に使用されます。
また、相手の「熱意」や「根気」「我慢強さ」などに「負け」て要求をのむ際にも。
肉体的・精神的に「弱る」の「参る」
「弱ったなぁ~」「困ったぞ」という意味の使い方。
・連日の激務で身体が参りそう ・1日中、先輩の愚痴を聞かされて参りましたよ ・モテモテで参っちゃうなぁ~
本当につらいときだけではなく、冗談でつらいというときにも使用できます。
「補助動詞」の「参る」
他の動詞を補助する使い方。
・私がA社まで行ってまいります ・資料を持ってまいりました ・新製品について聞いてまいりましょうか?
「行く」「持つ」「聞く」など、他の動詞の後につけることで、へりくだりの意味を加えることができます。この場合の「参る」はひらがなでも漢字でも可。
「参る」の類語
「参る」の言い換え表現にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは「行く・来る」の意味の類語表現を紹介していきます。
・参上する(さんじょうする) ・馳せ参じる(はせさんじる) ・伺う(うかがう)など
「参る」と同じくらいよく使うのは「伺う」ですよね。「伺う」もへりくだった表現なので「参る」と同じようなシーンで使用可能。
しかしながら、微妙な違いがあるので使い方には注意が必要です。
・参る⇒相手がいなくても可 ・伺う⇒立てるべき相手が必要
「参る」は目的地が場所でも人でも使うことができますが、「伺う」は目的地に敬意を払うべき人がいる場合にのみ使用可能。
・出張に参ります⇒〇 ・出張に伺います⇒× ・先生のご自宅へ参ります⇒〇 ・先生のご自宅へ伺います⇒〇
「伺う」について詳しく知りたい方はコチラをチェック。
「お伺いします」は二重表現だから使えない?ビジネスシーンで恥をかかない正しい使い方を解説
「参る」の英語表現
英語ではへりくだった表現はあまりしないので、「参る」を正確に訳すことは難しいといえます。「行く」という意味であれば素直に「go」を使いましょう。
・I’ll go there. ⇒行きます(参ります)
意思を意味する「I’ll(will)」と組み合わせています。
様々なシーンで使える便利フレーズ
「参る」は日常会話でもビジネスシーンでもよく使うフレーズ。改めてみると様々なシーンで使える便利な言葉ですよね。
正しく使いこなしてできるビジネスパーソンを目指しましょう。