「謹んで」とは敬意を示して礼儀正しく接するってこと!
上司
部下
上司
「謹んで」とは、相手に敬意を示して礼儀正しく接するさまをあらわす言葉です。
基本的には目上に対して使う言葉ですが、社会人には、ビジネスシーンでの報告、メールや文書、クライアントに接する際など、「謹んで」を使用する場面は複数あります。
また、同音の言葉の「慎んで」との意味の違いや使い分けなど、知っておく必要があります。
このように複数の意味がある言葉は、本来の意味と正しい使い方を知っておかないと、自分に対してマイナス評価となる恐れがあります。この機会に「謹んで」を正しく理解し、ビジネスシーンで上手に活用しましょう。
「謹んで」の類語についてもご紹介しますので参考にしてください。
・「恐縮ですが」
・「畏まる」
「謹んで」の意味を解説
先述したように「謹んで」は相手に敬意を示し、礼儀正しく接するとの言葉です。「謹んで」は、”細かく気を配る”や”相手に対してつつしみうやまう”との意味をもつ「謹」の漢字が使われていることから、目上の人への敬意を表しています。
上司
「謹んで」の使い方
「謹んで」は、上司、クライアント、顧客と接するビジネスシーンから、恩師や年配への挨拶など、社会人に必須といえる言葉です。
ビジネスシーンを中心に、どのような場面で「謹んで」を使うのかをみなさんに解説します。
「謹んで」には7つの使い方がある!
「謹んで」を使うシチュエーションは、主に以下の7つが当てはまります。
・慶事や祝辞
・弔辞やお悔やみ
・お祝い
・お詫び(謝罪)
・依頼
・返事
「謹んで」の例文を紹介
実践で使える「謹んで」の例文をご紹介します。ご紹介する例文さえ覚えておけば、どんな場面でもスムーズに対応できます。「謹んで」を使い慣れていない人は、ぜひ覚えておいてください。
ビジネス報告で使う場合の例文
社内外で上司やクライアントに報告をする場合に「謹んで」を使います。主に結果報告や進捗状況報告などが当てはまるでしょう。それでは、実際にどのように使うのかを例文で確認しましょう。
部下
上司
上司
部下
・謹んで申し上げます。
・謹んでお伝えいたします。
「慶事/弔事」で使う場合の例文
ビジネスシーンでは、慶事や弔事の機会も多くなります。新年の挨拶や結婚・出産時のお祝い、亡くなられた方の葬儀・告別式など、シチュエーション別に一覧で例文をご紹介します。
・お二人の門出を、謹んでお祝いさせていただきます。
・この度は出産されましたことを、謹んでお祝い申し上げます。
基本的に、「謹んで」と「申し上げます」はセットで使います。慶事や弔事に限らず、あらゆる場面で2つはセットで使用します。
・社員一同、謹んでお悔やみ申し上げます。
・この度の不幸、謹んで哀悼の意を表します。
慶事とは反対に、弔事は不幸があった方へのお悔やみを伝えます。弔事でも「謹んで」と「申し上げます」はセットで使い、喜びや悲しみを表現する使い方になります。
※慶事/弔事で使う言葉をもっとよく知りたい人はこちらの記事がおすすめです!↓↓
・慶事
「ご多幸」
「ご清祥」
・弔事
「ご愁傷様」
「ご冥福をお祈りします」
「お祝い」で使う場合の例文
披露宴や出産祝いなどの慶事以外にも、お祝いの言葉に「謹んで」は使えます。昇進・進級・入学・卒業祝いなど、お祝いに使える例文を一覧でご紹介します。
・ご卒業おめでとうございます。謹んでお祝いさせていただきます。
・謹んで〇〇のお祝いを申し上げます。
慶事と同じようにお祝いする事柄に触れ、”謹んで~いたします/申し上げます”を使います。
「お詫び」で使う場合の例文
お詫び、つまり謝罪時の「謹んで」の使い方の例文を一覧でご紹介します。
・先ほどの不適切な発言について、謹んでお詫びいたします。
・この度のこと、謹んでお詫びさせていただきます。
お詫びの際に「謹んで」を使う場合、相手に対して申し訳ない気持ちを強調する意味合いが含まれています。
「依頼」で使う場合の例文
「謹んで」を使って、相手に依頼/お願いをする場合の例文を一覧でご紹介します。
・お手数おかけいたしますが、謹んでお願いいたします。
・誠に申し訳ありませんが、謹んでお願いを申し上げます。
とにかく相手にお願いを聞き入れてもらいたいときなどに使用します。
「返事」で使う場合の例文
相手からの依頼、提案、回答、行動に対する「謹んで」を使った返事の例文を一覧でご紹介します。
・次回の説明会には、謹んで出席させていただきます(参加させていただきます)。
・お気遣いありがとうございます。謹んでいただきます。
・私には荷が重いので、謹んで辞退させていただきたく思います。
・この度はありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。
丁重な返事を意識する場合に「謹んで」を使います。
「慎んで」との違い
「謹んで」と「慎んで」は同音の単語です。同じ意味で使われているケースも目にしますが、本来は「謹んで」と「慎んで」では意味合いが異なります。
・「慎んで」・・・控えめに振る舞うさま
「謹んで」は敬意を示す言葉に対し、「慎んで」は控えめな振る舞いで自分や他人を律する言葉です。
・今後は立場をわきまえ、慎んで行動します。
「謹んで」と「慎んで」は、上記の例のように使われる場面によって当てはまる言葉を選択しましょう。
「謹んで」の類語と例文を紹介
「謹んで」は使う場面が限られる言葉です。類語を知ることで「謹んで」と似た意味をもつ言葉を覚え、ボキャブラリーを広げましょう
「うやうやしく」
「うやうやしく」は、とても礼儀正しく丁寧なさまをあらわす言葉です。漢字では「恭しく」と書きます。
部下
課長
後輩
先輩
「恐縮ですが」
「恐縮」とは、身が縮むほど恐れるさまをあらわします。「恐縮ですが」とする場合は、”相手に対して恐れ多く、申し訳ない気持ち”をあらわしています。相手の言葉や行動に対し、逆の意味(否定)でお願いする場合に使用します。
先輩
後輩
課長
部下
「恐縮ですが」は言い換えれば「恐れ入りますが」と同じ意味の言葉です。ビジネスシーンでは使う機会も多いので、どちらも合わせて覚えておきましょう。
※「恐れ入りますが」の使い方は下記記事をご覧ください!↓↓
「恐れ入ります」と「恐れ入りますが」は意味が違う?正しい使い方と使い分け、類語・例文を紹介
「畏まる」
「畏まる」は「かしこまる」と読み、”恐れ入って謹んだ態度”を意味する言葉です。「畏れ」と書いて「おそれ」とも読みますが、「怖がる」意味ではなく”目上の人に対して”の謹んだ態度を指します。
部下
上司
後輩
先輩
「謹んで」の英語表現
「謹んで」はビジネスシーンにおいて使われる言葉です。報告や慶事、返事などの際に使える「謹んで」の英語表現を事前に確認しておきましょう。
respectfully
と表現できます。
「謹んで」の英語表現を使用した例文はこちらです。
【報告】⇒今年度の売上目標を達成できたことを謹んでご報告いたします。
・Let us respectfully congratulate you for your departure.
【慶事】⇒お二人の門出を、謹んでお祝いさせていただきます。
・I respectfully pray for your happiness.
【弔辞・お悔やみ】⇒謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
・Congratulations on this promotion. We respectfully congratulate you.
【お祝い】⇒この度の昇進おめでとうございます。謹んでお祝い申し上げます。
・We respectfully apologize for the inappropriate remarks we made earlier.
【お詫び】⇒先ほどの不適切な発言について、謹んでお詫びいたします。
・I respectfully thank you.
【返事】⇒謹んで御礼申し上げます。
「謹んで」を正しく使って礼節を大事にしよう!
「謹んで」は、相手に対して敬意を示し、礼儀正しく接するとの意味をもつ言葉で、日常生活で使う機会は多くありません。自分より目上の相手に対し、敬意と礼の姿勢を示すことができるため、ビジネスシーンでの使用がメインとなります。
みなさんも「謹んで」を上手に使って、目上の人との付き合いや関係性を良好に築きましょう。日ごろから礼節を重んじていれば、必ずあなた自身に大きな評価となって返ってくるではずです。