リーンの意味とは?リーン生産方式って?英語やビジネスでの使い方を徹底解説

リーンとは『無駄をなくす』こと

先輩

B社がリーン生産を始めるって言ってたんですけど、リーンってダイエット用語じゃありませんでした?
リーンは、『無駄をなくす』って意味なんだよ。

上司

先輩

カタカナ用語って、いろんな分野で違った意味で使われるんですね。覚えるの大変…

ダイエットや減量に力を入れている人は、リーンと聞くと「ダイエット用語でしょ?」と思うかもしれません。しかし、リーンはビジネス用語としても『無駄をなくす』の意味で広く使われているんです

ビジネスシーンにおいては、開発、製造など、さまざまな分野でリーンが登場します。今回は、リーンに関係する用語や会話での使い方もあわせて解説しているので、この機会にしっかり学んでいってください。

リーンの意味をチェック

リーンには『無駄をなくす』という意味がありますが、もともとの語源は英語です。ここでは、日本語、英語ともに簡潔にまとめているので、比較しながら読んでみてください。

リーンの英語は『lean』

リーンは英語で『lean』と書き、次の意味をもつ単語として使われます。

■無駄がない
■余裕がない

■~に寄りかかる
■あまり消費しない
■脂肪分の少ない など

leanだけで、他動詞、名詞、形容詞の意味があるため、正しい意味で解釈するためには前後の文章をしっかり見なければいけません。わかりやすいよう、少し熟語の例をあげてみますね。

■lean against a desk(机にもたれる)
■lean beef(牛の赤身肉)
■lean water(不純物の少ない水) など

先輩

「机にもたれる」を「無駄な力が体にかからないようにするため」だと考えると、どの意味も『無駄をなくす』につながるわ。

日本語におけるリーンって?

英語のリーンには『無駄のない』の意味がありますが、日本語においては英語の『脂肪の少ない』→『余分なものがない』と派生。そこから『無駄をなくす』の意味で広く使われるようになったとされています。

そして、現在のビジネスシーンにおいては、『無駄をなくす』『余分なものを排除する』をリーンを使って表現することが多いです。

リーン生産方式・リーン開発とは?

日本語の中でリーンという言葉を耳にすると、まずは『リーン生産方式』や『リーン開発』のことだととらえる人が多いでしょう。これらについて簡単に解説します。

トヨタの生産方式がもとになった方法

リーン生産方式とは、無駄を徹底的に省いた工場での生産の手法の一つ。注文された車を最短で効率的に製造し、より早く届けることが目的とされています1

そして、この生産方式においては、製品および製造過程で次の7つの無駄を取り除いたり、なくしたりすることに注意をはらっています

■作りすぎ
■手持ち
■運搬
■加工
■在庫
■動作
■不良を作る

リーン生産方式は、「無駄のない生産方式」ととらえておくといいでしょう。

リーン生産方式・リーン開発の限界と問題点

リーン生産方式を実施するうえで大きな柱となっているのは次の2つです。

■『必要なモノを必要なときに必要なだけ』の概念をもつ『ジャストインタイム』

■誰がやっても同じ作業になる『自動化』

しかし、自動化といっても、すべてをロボットが作業するわけではなく、一定の動きをしている機械に人間が合わせる必要があり、作業時のゆとりまで排除される傾向にあります。それだけでなく、次のような問題点もあげられます。

■余剰在庫を最低限にするため、予想以上の部品不良があった際にラインが止まる。
■何らかの要因でラインが止まると、超過勤務で納期に間に合わせる必要がでてくる。
■搬入頻度が増えるため、周辺道路が搬入のトラックで常に混雑する。

なお、ジャストインタイムについては、次の記事でわかりやすく解説しています。理解を深めるためにもぜひ読んでみてください。
ジャストインタイムとは?物流・生産に関わるビジネスマンが知っておくべきメリット・デメリット

上司

ちなみに、新規事業立ち上げなど、新しいことを始める際に、無駄な時間や労力を省くことを『リーンスタートアップ』っていうよ!

『リーン開発』と『アジャイル開発』の違い

アジャイル開発とは、主にIT業界で使われる用語で、『素早い開発方式』を指します。どのあたりが『素早い』といえるのか、もう少しわかりやすく説明しますね。

アジャイル開発では、『全体設計完了→実装→テスト』までの流れをまとめて行うことはしません。

たとえば、『A項目の設計→実装→テスト』『B項目の設計→実装→テスト』と、細かくわけて進めます。そして、細かい単位ごとに、少し作業が進んだら顧客への報告や確認をし、その都度方向を修正しながら開発していきます。

一方、リーン開発では、無駄を排除し、必要なときに必要なだけの概念をもった効率重視。アジャイルは、素早さ重視で臨機応変に対応していく開発方法だと区別するといいでしょう。

なお、アジャイルについては次の記事でもわかりやすく解説しているので、ぜひあわせて読んでください。
アジャイルの意味をわかりやすく!アジャイル開発とは?ウォーターフォールとの違いも解説

ビジネスで役立つフレームワーク『リーンキャンバス』って?

ビジネスシーンにおけるフレームワークとは、何か課題を実行するにあたり、どんな構造なのか、どんな方法で進めるかなどを明確化したものを指します。そして、その手法の一つにリーンキャンバスがあるので、ここで簡単に概要を解説します。

リーンキャンバスとは

リーンキャンバスとは、ビジネスの要素を9つに分類して1枚のシートにまとめたものを指します。9つの要素とは何か、簡単にまとめてみました。

①課題は何か?
その事業にある課題の上位3つをあげる。
②顧客セグメントは?
ターゲットとなる客層を明確にする。
③独自の価値を提案
ライバル企業と差別化を図れる点はどこかをあげる。
④ソリューション
①であげた課題に対する解決方法は何かを考える。
⑤チャネル
ターゲットとなる客層にどのようにアプローチしていくのかを考える。
⑥収益の流れ
どのような形で収益が見込めるのかを明確にする。
⑦コスト構造
事業を遂行するにあたってどのくらいの費用が必要かを明確にする。
⑧主要指標
目標とするKGI*やKPI**を明確にする。
⑨圧倒的な優位性
競合企業に真似されにくい点はどこかを明確にする。

(KGI*:最終的に目標とする数字など。)
(KPI**:KGIに達するまでの中間目標とする数字など。)

リーンキャンバスのメリット

リーンキャンバスがもつ9つの要素を考えると、とても大変な資料をイメージしてしまいますよね。しかし、リーンキャンバスはあくまでも1枚のシートにまとめているものなので、『高速性』『簡素性』『携帯性』3つのメリットがあるとされています。

■高速性…1枚のシートなので短時間で書ける。
■簡素性…1枚のシートのため、簡単にまとめられている。
■携帯性…1枚のシートなので手軽に持ち運べる。

[ビジネス版]リーンの使い方・例文

『無駄をなくす』という簡単な意味ですが、リーンを会話に取り入れるのはちょっと難しい感じがしますよね?そこで、どんな使い方をするのか、例文を使ってチェックしておきましょう。

例文1
来年を目途にリーンな組織を実現するため、プログラミングは外部委託することに決定した。
例文2
トヨタの生産方式を取り入れたことが公表された影響で、当社もリーン企業と呼ばれるようになるだろう。
例文3

リーン生産方式で重要となる、生産作業の自動化は、予算的にも難しいかもしれないな。

組織も開発も、無駄を省きたいなら『リーン』を取り入れよう

何をするにも余分なことで時間をとられたくはないし、余計な費用はかけたくないもの。「もっと無駄をなくしたいな…」と思ったらリーンを取り入れてみましょう。

  1. 参考:トヨタ生産方式|TOYOTA