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アジャイルの意味をわかりやすく!アジャイル開発とは?ウォーターフォールとの違いも解説

アジャイルとは『素早い開発方法』のこと

先輩

CHEWY社のシステム開発、アジャイルでやってよかったわね。
打ち合わせに行く回数多かったですよねぇ。もっとじっくり開発期間を設ければよかったんじゃないですか?

新人

先輩

作りながら考える手法だから、打ち合わせが増えるのは仕方ないでしょ。それに、じっくりやったらアジャイルにならないじゃん。
アジャイルとは、『素早い開発方法』を意味するIT用語で、開発に携わる人ならしっかり理解しておきたい言葉です。

上の会話の新人くんのようにならないよう、言葉の意味を明確にするとともに、関連する開発用語などについてもわかりやすくまとめました。これを機にしっかり覚えていってください。

アジャイル・アジャイル開発の意味をわかりやすく

アジャイルは、IT業界の中では単独で登場することもありますが、開発方法の一つであるため『アジャイル開発』という使い方をする場合も多いです。まずは、これらの意味について解説しておきます。

カタカナ用語のアジャイル

カタカナ用語としてアジャイルは、主にIT業界でしっかり計画して進めるのではなく、作りながら考えていく開発方法を指して使われます。つまり、システム開発の手法の一つですね。そして、この手法を用いて開発することを『アジャイル開発』といいます。

詳しい解説は後述するので、まずは「臨機応変に対応しながら素早く開発すること」というイメージだけつかんでおいてください。

アジャイルの英語は『agile』

アジャイルは英語で『agile』と書き、次の意味をもつ単語として使われています。

■機敏な
■敏しょうな
■頭の回転の速い など

カタカナ用語のアジャイルは、英語の意味がもとになっているのがわかりますね。そして、熟語ではこんな感じで使います。

■agile quick movement(素早い動作)
■agile hamster(敏しょうなハムスター)
■agile motion(機敏な動き) など

アジャイル開発のメリットとは?

作りながら考えていくことで、全体的なスケジュール管理がしにくいアジャイル開発ですが、この方法で進める案件が多いのも事実です。どんなメリットがあるのでしょうか。

メリット①:設計から完成までの期間を短縮できる

アジャイル開発では、細かい単位ごとに『設計→実装→テスト』を繰り返しながら進めていきます。全体工程を決めてから進めていると、最初のほうのシステムに不具合があった際、そこまで戻り、またやり直さなくてはいけません。

しかし、細かく区切って進めると、不具合があっても戻る工程が少なくなるため、短時間で対処できます。その結果、納品までの期間短縮にもつながります。

メリット②:顧客の要求に最大限応えられる

開始から完成までの全工程を組んでから進める手法では、開発途中での状況はわからず、途中で要望の変更を受けるのは困難です。

しかし、開発途中でも「A項目はこんな感じになりました」など、適宜顧客へのフィードバックが行われます。顧客側も「こんな使い方ができるんだったら、コレはできる?」というように、要望の追加もしやすくなります。結果、顧客の要求に最大限応えられた形で納品できるものメリットの一つです。

アジャイル開発と一緒に覚えたい開発方法

アジャイル開発は、開発方法の一つと前述しました。つまり、ほかにも開発方法があるわけですね。ほかの開発方法がわかると特徴をとらえやすくなるので、ここでチェックしておきましょう。

スパイラルモデル

全行程を分類し、細かい工程ごとに『設計→開発→テスト→顧客チェック』を行っていく開発方法です。一見するとアジャイルと同じように思えるかもしれませんが、スパイラルモデルとの違いは次のようになっています。

アジャイル
その時点で「これで完璧だろう」といえるラインまで作り、定期的に顧客にフィードバックする。
スパイラル
細かい工程ごとに『設計→開発→テスト→顧客チェック』を行う。「とりあえずこれで動きます」という状態で顧客チェックに入る

ウォーターフォール開発

順番どおりに進め、基本的には後戻りしないのがウォーターフォール開発です。次のようなステップを経ることになります。

①開発開始から完成まで全部設計を行う。
②全工程の設計を行う。
③全部のプログラムを組む。
④全工程のテストを行う。

全体管理がしやすく、各工程を完璧に仕上げていくため、ほぼスケジュールどおりに完成が可能です。

しかし、不具合が発生した際は、最初の工程まで戻って修正をかけるため、工数・時間もかかるというデメリットがあります。

開発方法だけじゃない!ビジネスにおける「アジャイル」の考え方

基本的にはIT用語として広く使われている『アジャイル』というカタカナ用語。基本的には「素早い」という意味があるので、アジャイルの考え方はビジネスシーンにおいても当てはめることができます。

【例】

精密機器メーカーで、営業担当が顧客に製品を紹介。詳細な技術は、やはり専門の担当にしかわからないため、一度持ち帰ることになります。後日結果を伝えに行くと違う質問を受け、また持ち帰る…といった繰り返しになれば、なかなか販売まで進められません。顧客としても、非効率的な対応に我慢を強いられます。

このような状況において、「アジャイルな対応とは何か」を考えてみましょう。

素早い対応をするための方法はいくつか考えられますが、顧客ごとに営業、技術者をセットで担当させるなどの工夫をすれば、一度の訪問で話が進みます。2名体制で対応するとなれば人件費が増えますが、アジャイルな対応によって成果に結びつくのなら、価値はあるでしょう。

ビジネスシーンでのアジャイルを追求する道はひとつではありませんが、どうすれば業務をスピーディに処理できるのかを考えることが大切です。少人数のチーム体制を取り入れることも選択肢です。

[ビジネス版]アジャイルの使い方・例文

カタカナ用語は意味がわかっても使い方に迷うことが多いですよね。そこで、アジャイルはどのような形で会話に登場するのか、例文でチェックしておきましょう。

例文1

今回の依頼、A社側もまだイメージが固まっていないみたいだから、アジャイル開発にしたほうがいいんじゃないでしょうか。
例文2

最初の要望からかなり方向性が変わったみたいだね。今回はアジャイルで進めて正解だったな。
例文3
日程管理にうるさそうな会社なので、要望は多いけど、アジャイル開発ではなくウォーターフォール開発で進めたほうが無難だろう。

その場の状況に応じてアジャイルを取り入れよう

開発に携わらなければ、『アジャイル開発』を使う場面は少ないでしょう。しかし、アジャイルの考え方は一般的なビジネスシーンでも生かすことができます。意味をきちんと理解し、「これはやりながら考えていったほうがいいんじゃない?」と思う場面に遭遇したときは、「アジャイルで進めよう」とカッコよく提案してみましょう。