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ヒューリスティックの意味とは?アルゴリズムやバイアスとは違う?英語・関連語もわかりやすく解説

ヒューリスティックとは『経験をもとにした判断方法』のこと

新人

先輩、今日食堂行きました?週替わりラーメン、真っ赤なスープでしたよ!僕は辛いの苦手だし、手を出せませんでしたよ~。
えっ、メニュー表示見てないの?あれ、トマトスープよ。『赤い=辛い』ってヒューリスティックがはたらいたわね。

先輩

新人

ヒューリスティック?それ、なんですか?

ヒューリスティックとは、『経験による無意識の意思決定』や『直感的な思考方法』を意味するカタカナ用語です。ちょっと難しい言葉なので、聞いたことがないという人も多いかもしれません。しかし、日常生活にもヒューリスティックは身近なものです。

ヒューリスティックの意味をチェック

身近なところにもあるヒューリスティックですが、いまいち理解しにくい部分があるかもしれません。まずは言葉の意味を、具体例を交えて解説します。あわせて英語表現もチェックしておきましょう。

カタカナ用語のヒューリスティック

カタカナ用語のヒューリスティックとは、『直感的な思考方法』のこと。たとえば、警察官・看護師・消防士などは、制服を見てその人の仕事を自然と判断しますよね?

「警察官はこんな制服を着ている」「看護師は白い服を着ている」といったことは、これまでのあなたの経験や知識から生まれる直感的な判断です。これがヒューリスティックなのです。

しかし、心理学、IT分野においてはまた違った意味で使われています。これらの分野についても簡単に解説します。

心理学のヒューリスティック

ヒューリスティックは、経験や直感による判断や意思決定で、人の心理に関わるため、心理学用語といわれることも多いです。そして、心理学においてのヒューリスティックには『代表性』『利用可能性』『固着性』の3種類に分類されます。

代表性ヒューリスティック
典型的な特徴や固定観念で判断や意思決定すること。「白衣を着ている人は医者」「赤いランドセル背負ってるから女の子」など。実際、白衣は研究者も着ますし、赤いランドセルを男の子が持っていけない決まりはありません。
利用可能性ヒューリスティック
少し考えて思い出せる過去の情報をもとに判断する方法。『想起ヒューリスティック』とも呼ばれています。高齢者ドライバーが大きな事故を起こしたとします。半年間で高齢者が起こした事故がこの1件だったとしても、ニュースとして頻繁に目にすると『高齢者ドライバーは危ない』と思い込んでしまいます。
固着性ヒューリスティック
過去の情報から推測して判断する方法。『アンカリング』とも呼ばれています。①定価5,000円の服、②定価30,000円が割引価格7,000円で売っている服では、①のほうが安いです。しかし、②のほうが安く魅力的に感じます

IT分野のヒューリスティック

IT分野では、ウイルス検出方法の一つとして『ヒューリスティック』が存在します。プログラムの中に、ウイルスの特徴をいくつも入れて検知する方法として『パターンマッチング』というものがあります。

そして、このパターンに入らないウイルスを検知するのが『ヒューリスティック』で、この検知方法にかかったウイルスを『ヒューリスティックウイルス』といいます。

たとえば、Aというパターンを入れたとします。これが『パターンマッチング』で、それと似たウイルス検知するプログラムを入れます。これが『ヒューリスティック』になります。

ただし、似た動きをするプログラムはすべてウイルスとして検出してしまうので、時には安全なサイトもはじかれる場合があります。ウイルス対策ソフトによっては、「このサイトは安全です」と設定できるようになっています。

ヒューリスティックの英語は『heuristic』

ヒューリスティックは英語で『heuristic』を書き、次の意味をもつ単語として使われています。

■発見的な
■推測に基づいた
■発見的問題解決
■発見を助ける など

英語でも、「推測に基づいた」などの意味がありますね。

そして、熟語としてはこんな感じで使われます。本格的に英語で会話をしなければ使うことはないかもしれませんが、参考までに紹介しておきます。

■heuristic estimate(発見的評価)
■heuristic knowledge(発見的方法)
■heuristic decision(発見的決定) など

ヒューリスティックの対義語はアルゴリズム

アルゴリズムとは、簡単にいうと『問題解決のための算出方法』で、論理的に正しい答えを導き出すことを指します。

ヒューリスティックは、自分が経験した情報をもとに、自分なりの正解を導き出すため、必ずしも正解とはいえません。この二つの言葉に意味を短くまとめると…

■アルゴリズム…時間をかけて正しい答えを出す
■ヒューリスティック…短時間でほぼ正しいと思われる答えを出す。

厳密にいうと対義語ではないかもしれません。しかし、対義語的な意味をもっているという解釈をしてもいいでしょう。なお、アルゴリズムについては次の記事でくわしく解説しているので、あわせて読んでみてください。
アルゴリズムとは?今さら聞けない意味を具体例からわかりやすく解説!

ヒューリスティックによって生じるバイアスとは

バイアスとは、『偏見』『先入観』を意味するカタカナ用語です。ヒューリスティックは、過去に自分が得た情報から答えを出すわけですが、それが間違った情報であっても、先入観で『正しい』と思っていれば、答えとして成立させてしまいます。

そのため、ヒューリスティックを用いた場合は、バイアスがかかっているということを覚えておきましょう。

なお、バイアスについては次の記事でわかりやすく解説しています。
バイアスとはどんな意味?心理学の用語?言葉の使い方から代表的な種類まで徹底解説!

[ビジネス版]ヒューリスティックの使い方・例文

ヒューリスティックは心理的な言葉なので、会話で使うのはちょっと難しいイメージがあります。そこで正しい使い方の例文をいくつか用意したので、機会があればぜひ実践してください。

例文1

上司

ヒューリスティックを用いた評価になっているけど、これは世間的にも常識みたいなものだから問題ないでしょう。
例文2
使いたいサイトがウイルスとして扱われてしまうため、ヒューリスティック検出の項目で、除外設定をした。
例文3

先輩

山田くんは雑学博士といっていいほどの知識人だから、ヒューリスティックでも信用して大丈夫でしょ。

ヒューリスティックの関連語

ヒューリスティックには『ヒューリスティック〇〇』といった関連語がいくつかあります。一緒に覚えて知識を深めましょう。

ヒューリスティック調査

専門のコンサルタントなどが、対象のwebサイトについて、使い勝手やアクセスのしやすさなどを調査することを『ヒューリスティック調査』といいます。

ヒューリスティック評価

主にwebサイトに対して行われる評価を指します。ユーザー目線での使い勝手を評価し、問題を発見することをいいます。

この評価をするのは最終段階なので、手順としては、『ヒューリスティック調査』→『ヒューリスティック分析』→『ヒューリスティック評価』になります。

ヒューリスティック探索

これまでの経験を利用した探索方法を『ヒューリスティック探索』です。「前はこうやったから違った方向からやってみよう」「この方法は試したことがないからやってみよう」といったように、試行錯誤的な探索だと考えるとわかりやすいですね。

新人

ヒューリスティックって、意外と日常でも普通にやってる判断方法なんだね。

ヒューリスティックに用いられるよういろんな経験をしよう!

過去にいろんな経験をしていると、ヒューリスティックに用いられるデータが多くなり、より効率的に判断ができます。日常での体験でもマーケティングに活かせる場合があるので、ぜひ積極的にいろんな経験をしてください。