「ばつが悪い」は”きまりがよくない”ってこと
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「ばつが悪い」とは、”きまりがよくない”様子をあらわした言葉です。自分や相手にとって都合がよくない様子を指します。
見聞きする機会の多い言葉ですが、漢字の表記ミスや誤用も見られる表現です。正しい使い方を覚える前に、「ばつが悪い」の言い換え表現も知っておくと誤用を防げます。
・居心地が悪い
・気まずい
・針のむしろ
「ばつが悪い」の意味・語源・漢字
”きまりがよくない”様子を表現する「ばつが悪い」の意味や語源、漢字の書き方まですべて理解している人は少数です。どうせ使うのであれば、言葉の成り立ちから理解し、正しく「ばつが悪い」を使うのが好ましいです。「ばつが悪い」の意味・語源・漢字をここでしっかり覚えていきましょう。
「ばつが悪い」の意味
「ばつが悪い」は”都合が悪い状況・状態”を指す意味の言葉です。様子をあらわす表現の「~が悪い」とは、「ばつが悪い」に言い換えることが可能です。言わば”辛い状況”や”苦しい気持ち”を指し、心が休まらないシチュエーションで使用できます。「ばつの悪い」とする表現も可能です。
「ばつが悪い」の語源・漢字
「ばつが悪い」を漢字で「罰が悪い」と書くのは誤りです。そもそも「ばつが悪い」の「ばつ」には諸説があり、漢字で表記できる明確な言葉がありません。「その場の都合」が「場都合」となり、“場都合が悪い”=”ばつが悪い”に変化した説が一般的です。
「場」と「都」をあわせた意味をもつ言葉がなく、「ば-つ」と平仮名にしているのも、「場都合が悪い」の省略系だと有力視されている一因です。
そのため、書き言葉に直すときも漢字では書かずに、「ばつが悪い」と平仮名のままにするのが正解です。
上司
「ばつが悪い」の使い方・例文
文字に起こすときは平仮名表記が正しい「ばつが悪い」。では、どのようなシチュエーションで使えるかを解説します。
「ばつが悪い」とは、”現在の状況・心境”をあらわしている表現です。過去の失敗や恥ずかしい体験を、”ばつが悪かった”と振り返るケースもあります。また、「ばつが悪そう」と他人の様子をあらわすときにも使用できます。
ただし、これから起こる未来に対しての使用はできず、現在進行形か過去の出来事に対してのみ「ばつが悪い」は使えます。
まずは一般的な「ばつが悪い」の使い方です。
部下
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部下
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また、”場の都合”の意味として「ばつ(場の都合)をあわせる」の使い方もあります。古くは落語の一節として、相手との調子やタイミング、状態がよい様子を「ばつがいい」と表現していました。現在ではまれな使い方ですが、一例として例文をご紹介します。
部下
課長
課長
部下
課長
一般的には”気まずい”や”間が悪い”のネガティブな表現として「ばつ」を使いますが、”調子”や”タイミング”をあわせる意味での「ばつ」の使い方もできると覚えておきましょう。
「ばつが悪い」の類語(言い換え表現)
現在では「ばつが悪い」は類語、言い換え表現のほうが使われています。普段使っている表現のうち、なにが「ばつが悪い」の類語に該当するかご存知でしょうか?ここでは「ばつが悪い」の類語・言い換え表現をご紹介します。
間が悪い
「まがわるい」と読み、“タイミングが悪い”との表現で幅広く使われている言葉です。リズムやタイミングを隙間や空間に例え、日本語独特の表現として使われています。
「間」は「ばつ」と同じ意味をもち、「ばつが悪い」を「間が悪い」や「タイミングが悪い」のいずれにも置き換えが可能です。
課長
部下
課長
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居心地が悪い
ポジションや体勢が悪いとの文字通りの意味ではなく、その場にいるのがいたたまれない、気が引ける状況・状態を「居心地」に例えてあらわした言葉です。現在の心理状態を「居心地が悪い」と表現しています。
上司
部下
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課長
気まずい
心が落ち着かず、気分の状態がよくない心境をあらわす言葉です。健康状態をあらわす”気分がすぐれない”や”具合が悪い”の意味ではなく、心境の様子をあらわしています。
課長
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針のむしろ
むしろ(莚)とは、イグサやワラで編んだ敷物を指し、針を敷き詰めたむしろを表現しています。つまり、敷き詰められた針の上に座っているかのような心理状態をあらわします。”針のむしろ”との表現は、切迫した居心地の悪い状態をいいあらわしています。
先輩
後輩
「ばつが悪い」と同じニュアンスで使える英語表現
「ばつが悪い」はビジネスシーンにおいて使われる可能性のある表現です。英語での表現方法も事前に確認し、身につけておきましょう。
bad
と表現できます。
「ばつが悪い」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒ばつが悪い体験をした。
・It is bad because it is late.
⇒遅刻したのでばつが悪い。
・In the past, things were just as bad.
⇒過去にも同じようにばつが悪いことがあった。
・I made such a mistake … This is bad.
⇒こんなミスをしてたなんて…これはばつが悪いですね。
「ばつが悪い」の意味や使い方を学んで語彙力を高めよう
相手とのタイミングや気まずい状況を表現する「ばつが悪い」には、さまざまな言い換え表現が存在します。そもそも”場の都合”を省略形にして「ばつ」とした言葉とされ、文字通り都合が悪い状況を指し示しています。
ビジネスシーンでは自分に都合のよいシチュエーションばかりではありません。時には「ばつが悪い」状況でも、適切な立ち振る舞いが求められます。「ばつが悪い」の意味や使い方を正しく理解し、ビジネスパーソンとしての語彙を高めて臨機応変に立ち振る舞いましょう!