ジョイントベンチャーとは「複数の企業で会社を立ち上げること」
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先輩が説明してくれた『合弁会社』という言葉なら聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。しかし、企業の仕組みは「なんとなく…」ではないですか?
ジョイントベンチャーという言葉を調べようとしたこの機会に、 合弁会社の意味を理解するとともに、メリットなども一緒にチェックしておきましょう。
ジョイントベンチャーの意味をチェック
まずは言葉の意味がわからないと、何についての会話をしているのか理解できません。それでは、ジョイントベンチャーとは何を意味するのでしょうか。また、英語ではどのように説明すればいいかも気になるところ。基本的な意味からチェックしてみましょう!
ジョイントベンチャーって何?
ジョイントベンチャーとは、 2つ以上の企業が共同出資して新しい事業を立ち上げることをいい、日本語では『合弁会社』『合弁企業』と呼ばれている事業形態を指します。
しかし、ジョイントベンチャーには、すでに運営している企業の株式の一部、もしくは株式のほとんどを買収し、買収した企業とされた企業の株主・経営者と共同で経営していく形式もあります。
ほとんどの場合は前者の形式が選ばれますが、まれに後者で運営する場合もあります。ジョイントベンチャーには、2通りあることを覚えておいてください。
ジョイントベンチャーの英語表現は?
ジョイントベンチャーは、英語では『joint venture』と書き、日本語とほぼ同じ『合弁事業』もしくは『共同事業』という意味合いで使われています。『joint venture』は『joint』『venture』の2つの単語から成り立つ熟語なので、それぞれの頭文字をとって『JV』と略語が使われることもあります。
英語の『joint』と『venture』には、それぞれどんな意味があるのでしょうか?
・関節
・共同の
・~を接続する など
・思惑
・冒険的事業
・思い切って~する など
[ビジネス版]ジョイントベンチャーの使い方・例文
ジョイントベンチャーの意味を理解したところで、次に実際の会話での使い方をチェックしておきましょう。
ジョイントベンチャーのメリット・デメリット
他の企業と共同で事業を行うとき、当然メリットがあると考えるわけですが、デメリットの存在も否定できません。それでは、ジョイントベンチャーにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
ジョイントベンチャーを行うにあたって、大きなメリットといえばこの2点があげられます。
■100%の出資をしなくてもいい。
■共同出資企業がもっている技術や人材を利用できる。
また、既存の顧客が相手企業と重なっていなければ、ジョイントベンチャーを行うことで、新規開拓をせずに顧客を増やせます。結果的に売り上げアップの点でもメリットがあるといえるでしょう。
デメリット
業務提携をする場合には、自社がどんな技術をもっているのか、どのような顧客がいるのかなど、ある程度の情報を開示しなければなりません。つまり、社内の機密事項にあたる部分も開示する必要がある、ということですね。
そのため、相手によっては情報が流出する可能性がある点が大きなデメリットです。ジョイントベンチャーを検討する際、相手の調査は慎重に行いましょう。
ジョイントベンチャーの設立方法や出資比率とは?
経営に関わることがない限りは知らなくてもいいかもしれませんが、どのように設立されているのかは気になりますよね?そこで、簡単に設立方法や出資比率などをまとめてみました。
設立方法
ジョイントベンチャーにはメリットもデメリットもあります。そのため、設立には十分な調査と準備が必要です。手順を簡単にまとめてみましたので、あなたの企業でジョイントベンチャーを検討しているようであれば参考にしてみてください。
①自社の強み、どの部分を強化したいかなど、しっかり分析をする。
②提携することでお互いにメリットになりそうな企業を探す。
③詳細な資料を作成し、候補企業に持ちかける。
④再度しっかり検討し、契約書を交わす。
出資比率
出資比率は、2社の場合でも必ずしも50%ずつでないといけないということはありません。40%と60%の場合もありますし、30%と70%の場合もあります。また、ジョイントベンチャーを設立したのちに割合を変更することもあります。
ちなみに、ジョイントベンチャーを設立したものの、事業がうまくいかず、やむを得ず解消するという事態に陥ることもあります。その場合、どのくらいの割合で損失を吸収するかは、解消を検討するときに改めて議論するのが一般的です。
ジョイントベンチャーの事例2つ
ジョイントベンチャーがどのようなものかがわかると、どんな企業が存在するのか知りたいですよね?そこで有名なジョイントベンチャーをピックアップしてみました。
事例①:Apple
IT業界大手のAppleも、実はジョイントベンチャーに関与していることを知っていましたか?
アルミ素材を製品に多く使っているAppleは、アルミニウム事業大手である『アルコア・コーポレーション』と『リオ・ティント・アルミニウム』が設立したジョイントベンチャー企業に投資しています。アルミニウムを精錬する過程で、温室効果ガスの直接的な排出をなくす技術があり、これを前進させる事業を展開しています。
Appleはこのジョイントベンチャー企業、カナダ政府、ケベック州政府とパートナーシップを結んでおり、総額1億4,400万ドルを投資しているのです[efn_note]参考:Apple、先進のカーボンフリーなアルミニウム 製錬法の実現に向けて道を開く|Apple[/efn_note]。
事例 ②:航空会社(JAL)
航空会社同士でジョイントベンチャーを行うと、お互いのチケットを自由に販売でき、路線を増やせるというメリットが生まれます。コードシェア便の範囲を超えて、共同事業を展開する航空会社もあります。
JALは、アメリカン航空とジョイントベンチャーを行い、北米線の強化を行っています[efn_note]参考:空は、もっとつながる。日本航空とアメリカン航空の共同事業|日本航空[/efn_note]。加えて、ブリティッシュエアウェイズ、フィンエアー、イベリア航空の3社とジョイントベンチャーを行い、欧州線も強化しています[efn_note]参考:JAL、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、イベリア航空4社での欧州線共同事業を開始|日本航空[/efn_note]。
ジョイントベンチャーの類語
ジョイントベンチャーという言葉を理解するうえで、一緒に覚えておきたい言葉がいくつかあります。代表的なものをまとめましたのでチェックしてみましょう。
コンソーシアム
コンソーシアムを簡単に説明すると『同じ目的を持つ仲間』になります。ジョイントベンチャーはお互いにお金を出し合って弱い部分を補ったり、強い部分をさらに強化したりしますが、コンソーシアムはただ同好の士で集まるというところで違いがあります。
コンソーシアムの詳しい内容は次の記事で紹介していますので、あわせて読んでみてください。
コンソーシアムの意味は?ビジネスにおける具体例やJVとの違いを徹底解説
パートナー
私生活では、配偶者のことをパートナーと言いますが、ビジネスシーンにおけるパートナーとは、主に仕事をするうえで協力し合う相手や企業のことを指します。また、パートナーの関連語として、『協力関係』を意味する『パートナーシップ』があります。これについては次の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
パートナーシップの意味とは?ビジネスで会社同士に使う?英語・使い方・例文をご紹介
アライアンス
アライアンスは、事業成長させるための企業間提携を意味するカタカナ用語です。個人対企業でも企業対企業でもビジネスパートナーになればアライアンスになりますが、資本をどのようにするか、どのような形態で協力するかなど具体的な決まりはありません。
詳しい内容については次の記事で解説しているので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。
アライアンスの意味を正しく理解する上で知っておくべきこと全て
ビジネスマンなら知っておきたいジョイントベンチャー
企業に勤めていれば、どこかでジョイントベンチャーに関わることがあるかもしれません。そのときに慌てて調べなくてもいいよう、この機会にしっかりと概要を覚えておきましょう。