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残業代計算の仕方をわかりやすく解説!正しく残業代をもらってますか?

残業代計算を自分で行うことで、残業代で損をしていないか、会社は公正に給料を支払っているかが分かります。残業代をごまかして計算したり、残業代を支払っていなかったりする会社はブラック企業の恐れがあります。

残業代は貴重な収入の一部ですが、意外と会社任せにしている人は多いもの。これまで何気なく給料を受け取っていた人は、ここで一度、自分の残業代を計算してみましょう。

残業代計算を自分でしてみたことはあるかい?

給料明細に書いてある時間や金額が正しいから、自分でしなくてもいいのでは?

いい会社なら正確な時間数や金額を出してくれるけど、残業代をごまかしているブラック企業などもあるから、自分で計算することも大切だよ…。

計算の仕方、分からない!どうしよう…。

残業代計算の基本ルール

お金の計算
一般的に、会社員の給料は基本給、諸手当が含まれています。あらかじめ決められた労働所定時間を超えた場合には、基本給や諸手当とは別に「残業代」が支払われます。労働の所定時間は労働基準法に則り、法定労働時間の範囲内で決めるものです。

法定労働時間は1日8時間、1週40時間となっています。法定労働時間より短い労働時間で働く人も決められた時間を超えて働いた分は残業となりますが、法定労働時間を超えた残業とは違うルールで計算されます。

法定労働時間から残業時間を計算

残業代計算のためには、まず残業時間が何時間だったかを決める必要があります。基本的には1日8時間、1週40時間を超えた分が残業時間です。例えば、1日10時間働いたら2時間の残業、1週間で50時間働いたら10時間の残業となります。

変形労働時間制の残業時間

変形労働時間制は、ある時期には短時間だけ働き、他の時期には長時間働くといった、労働時間が変化する働き方です。この場合にもルールに則った残業時間の計算が行われます。変形労働時間制では、短時間だけ働く期間と長時間働く期間で1セットとして計算し、それが法定労働時間を超えたら残業代が出ることになっています。例えば、7時間勤務と10時間勤務があっても、その期間中において週40時間を超えなければ残業にはなりません。

ただし、就業規則で7時間勤務と決まっている日に長時間働いたからといって10時間の日にその分を減らして相殺することはできず、オーバーした分は残業になります。

参考 1年単位の変形労働時間制厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

基本給から時間あたりの残業代を計算

残業時間が明らかになったら、残業代を計算します。残業代は、一カ月の給料を労働時間で割って時間給を出し、そこに割増として1.25倍したものが基本となります。たとえば時間給が1,000円の場合、1時間あたりの残業代は1,250円です。

■法定時間内残業の残業代計算ルール

労働時間が法定労働時間より短い人も、所定労働時間を超えたら残業代が出ますが、法定労働時間を超えない部分は1.25倍されません。この場合、法定時間内残業として、時間給がそのまま残業代となります。ただし、さらに法定労働時間を超えて残業したら、その部分だけ1.25倍されます。つまり、7時間労働の人が、2時間残業したら、1時間は割増なしの残業代、1時間は1.25倍の残業代が出る計算です。

■月給から引いて計算される手当

給料として支給される金額のうち、以下の手当に関しては残業代の計算に含まれません

  • 家族手当(扶養手当・子女教育手当)
  • 通勤手当
  • 別居手当(単身赴任手当)
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金

残業代計算の注意点

忙しい仕事

残業代計算で注意したいのは、基本ルールとは少し違った割り増しや計算方法が適用となるケースです。特別ルールも把握したうえで、正しい金額を算出しましょう。

深夜や休日出勤でも割増が

残業が夜の時間帯になる人は多いものですが、深夜と定められた時間帯に残業すると深夜手当の割増もプラスして計算します。22時~早朝5時が深夜手当の時間帯です。この間に残業した場合には、深夜割増分0.25を足して1.5(1.25+0.25)倍で残業代計算します。この深夜手当は残業ではなく深夜勤務であっても出ます。残業ではない深夜勤務(夜勤の日など)は、通常の給料に1.25倍した金額が支払われます。

法定休日出勤では1.35倍の割増が適用となり、休日出勤の場合には残業をしても全ての時間が1.35倍のまま計算されます。

バイトやパートの残業代計算ルール

バイトやパートで働く人も、正社員と同じように残業代を請求できます。バイトやパートの場合には、残業代を分単位で請求可能です。たかが10分などと見逃すと、チリも積もれば…で大きく損をすることもあります。ただし、一般的にバイトは短時間労働が多いため、法定時間内残業が多くなり、正社員のように割増で残業代をもらうことは少なくなるかもしれません。

管理職は残業代が出ない

基本的に、管理職は残業という観念がないため、残業代は出ません。ただし、会社が残業代を払いたくないからと肩書だけを管理職にしていた場合には、請求できることがあります。管理職としての権限や職務内容、手当がない場合には、該当する可能性が高くなります。

大企業の残業代計算では追加割増も

大企業に関しては、残業時間60時間以上の場合に特別ルールが適用されます。残業時間60時間以上で、超えた分に関しては1.5倍にするのが大企業の残業代ルールです。つまり、大企業の残業では、深夜手当も適用になると最大で1.75倍まで支払われることになります。このルールは、当面中小企業では猶予されています。

端数のルール

残業代計算で、1時間あたりの金額に1円未満の端数が出た場合、50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げとしてもよいことになっています。1か月間における割増賃金の総額で1円未満の端数が出たときも同様です。

参考 3.残業手当等の端数処理はどうしたらよいか東京労働局

残業代計算してみよう!

残業代のルールが分かったところで、具体的に残業代を計算、検証してみましょう。ここでは、サラリーマンで24万円給料、家族手当と住宅手当で3万円もらっているケースを検証します。

まずは、24万から手当3万円を引き、21万円が残業代計算のベースとなります。

9時~18時勤務で10日間2時間残業の場合

残業代計算では、まず給料を時間給に直すことが必要です。

月給÷(1ヶ月の所定労働時間×21日)で、21万円÷168時間(8時間勤務×21日)=1,250円がこの人の1時間あたりの給料となります。

1,250円×1.25×20時間=31,250円が、このケースの残業代です。

※21日は1ヶ月の勤務日数

10時~19時勤務で5日間4時間残業の場合

前述通り、1時間あたりの給料は1,250円です。ただし、この場合、22時以降にも働いている状況になります。22時~翌5時までは深夜割増で1.5倍にする必要があるため、

1,250円×15時間(通常残業分3時間×5日)×1.25倍=23,437.5円←通常の残業代

1,250円×5時間(深夜割増1時間×5日)×1.5倍=9,375円←深夜時間帯の残業代

23437.5円+9,375円=32,812.5円

50銭切り上げで32,813円が、このケースの残業代です。

大企業で月70時間残業の場合

こちらは、大企業の追加割増で計算します。60時間までは1.25倍、それを超えた10時間については1.5倍となり、

1,250×60時間×1.25=93,750円

1,250円×10時間×1.5=18,750円

=93,750円+18,750円=112,500円が、このケースの残業代です。

大企業で月70時間残業(深夜勤務)

深夜割増と大企業の追加割増で計算します。60時間までは1.5(1.25+0.25)倍、超えた10時間については1.75(1.5+0.25)倍となり、

1,250×60時間×1.5=112,500円

1,250円×10時間×1.75=21,875円

112,500+21,875=134,375円が、このケースの残業代です。

残業代計算ソフトやアプリを使うと簡単

残業代計算も、法廷内残業や深夜手当などが関わると計算が非常に面倒になります。また、自分でやった計算内容が合っているかどうか、不安になることもあるでしょう。その場合には、残業代計算ソフトや残業代計算アプリなどを使用すると手軽で安心です。簡単に残業代計算ができ、中には訴訟資料として使えるものまであります。

keisanサービス CASIOは、電卓のような簡単な入力が魅力だね。休日や深夜労働の残業代まで計算できるよ!

残業計算ソフト「給与第一」はエクセルシートをダウンロードして使えるんだ!より正確な金額が出せて、訴訟資料としても使えるんだって!

しっかりと残業代計算して損しない働き方

残業中
残業代は、本来支払われるべきものであり、正確に働いた分だけもらわなければ損をしてしまいます。残業代計算を自分ですることによって、未払いなどの見逃しをなくしましょう。おかしな点があったら社内の専門部署に指摘するのもよいですが、ブラック企業の場合にはきちんと対応してもらえないこともあります。指摘に対しての返答によっては外部の専門機関に相談することも考えましょう。

労働関連の相談ができる窓口を知りたい人は、下の記事を見てみるといいよ!

ブラック企業の相談をしたい!無料・メール・匿名でできる窓口を紹介