ブラック企業とは、もともとは若者の間で使われ始めた言葉です。しかし、広く知れ渡るようになり、一般的には以下のような企業をブラック企業と呼ぶようになっています。
- 極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金や残業代の不払い、パワハラが横行
- 労働者の使い捨てや不当な選別
こうした状況が見られたら、ブラック企業の疑いがあります。自分の会社もブラック企業ではないか、労働環境が辛くて働きにくいなどの不安を感じたら、まずは誰かに相談してみましょう。
ブラック企業の悩みを相談しよう
ブラック企業の悩みは、専門機関の相談窓口に相談することで、解決を早めることが大切です。相談したことがバレたら困る、お金がかかるのも困るといった不安がありますか?そんな人でも安心のサービスがあります。
ブラック企業は心身ともに悪影響
ブラック企業は労働者を大切にしないどころか、心身ともに疲れさせます。体調を壊したり洗脳されて心を病んだりと取り返しがつかなくなることもあるため、その前に相談しましょう。誰かに話すことで解決できることはたくさんあるはずです。
■相談することで気持ちが楽に
相談することは、それだけでも気持ちを楽にすることがあります。誰か他の人に自分の話を聞いて認めてもらうことで、ストレスが緩和し、心が晴れます。根本的な解決も必要ですが、会社に追い詰められているような気持になったら、まずは誰かに話を聞いてもらいましょう。
第三者の意見で解決を目指せる
他の人に会社のことを話すことで、自分には見えなかったことに気づいてもらえることがあります。相談相手から第三者として冷静に判断してもらうことで、具体的な解決策を見つけやすくなるでしょう。
■専門家の意見で合理的に
専門的な相談窓口などの意見は法律に基づいたものであり、合理的な解決方法となります。労働関係の法に詳しい機関や弁護士、社労士などに相談すれば、解決も合法的でスムーズに進むでしょう。場合によっては、そのまま法律のプロに代理人として解決までの対策をお願いすることもできます。
メールや電話・匿名でできる
さまざまな相談機関がありますが、中にはメール相談や電話相談できるところもあります。相談しに出かける暇もない、誰にもバレたくないといったときも遠方からメールや電話を介して相談できます。また、匿名でできる相談窓口もあるので、名乗りたくない、会社名をとりあえずいいたくないという人も安心です。
無料で相談できる機関も多い
公的な専門機関を中心に、NPO法人、弁護士相談など、無料で相談できるところも多いです。中には時間や回数が制限されている場合もありますが、無料相談で解決できるケースや方向性を見出して自分で解決を目指せるケースもあります。
ブラック企業の相談ができる公的機関
ブラック企業の相談ができる公的な専門機関を紹介します。公的機関は基本的に無料で相談可能ですが、専門分野や法的拘束力に物足りなさを感じることもあります。
労働基準監督署
労働基準監督署では、賃金未払いなど、労働基準法で罰則が定められた範囲がメインの相談ができます。相談は匿名でも可能です。トラブルの解決のために是正勧告などの行政指導を行うことができます。ただし、パワハラなどのトラブルには対応できません。
総合労働相談コーナー(都道府県の労働局)
ブラック企業の相談ができる公的機関の相談窓口としては、各都道府県の労働局の総合労働相談コーナーもあります。ここでは、労使の間に入って話し合いの場を設定する「あっせん」という制度が利用できます。
労働条件や募集、採用、男女均等など、あらゆる相談に対応可能です。ただし、法的拘束力はないため、会社側が話し合いに応じない場合には解決が難しくなります。
こころホットライン(厚生労働省)
こころホットラインは、厚生労働省のメンタルヘルス系の電話相談窓口です。人間関係や長時間労働、ストレスなどについて相談できます。ストレスチェックもでき、その結果に応じて医師の指導も受けられます。
都道府県の労働に関する機関
賃金・退職金等の労働条件や労使関係など労働問題全般にわたって相談できる機関です。各地で名称は違いますが、同じような施設・機関が各地方自治体に設置されています。
↓↓各地の労働相談センターを一部ですがご紹介します。
ブラック企業の相談ができる民間の窓口
民間の窓口でも、ブラック企業の相談ができます。民間とはいえ、無料で相談できる場所もあります。
日本労働組合総連合会
労働組合の中央組織で、「なんでも労働相談ダイヤル」という誰でも相談できる電話窓口を持っています。労働条件からパワハラなどの問題まで幅広く対応可能です。
NPO法人POSSE(ポッセ)
NPO法人で、社会人や学生のボランティアによる年間400件以上の労働相談解決のアドバイスの実績を持っています。若者の相談窓口として、労働条件や職場環境など、働くことに関する相談を受け付けています。
弁護士事務所や法テラスで無料相談
弁護士事務所を利用する場合、最終的には有料となりますが、初回のみ無料で相談を受け付けていることもあります。依頼するかどうかはともかく、まずは無料相談などを利用して問題解決の糸口を探ってみてもよさそうです。
また、「法テラス」という国の機関で弁護士への無料相談を行っているところもあります。
↓↓残業代請求に強い弁護士事務所も。
相談内容ごとのおすすめの相談先
ブラック企業の相談ができる窓口はいろいろありますが、それぞれの窓口には強みや特徴があります。相談内容ごとに適した窓口に相談すれば、強みを活かして、より効率的に解決が目指せるでしょう。
給料・勤務条件の問題
給料や残業代、勤務条件などで労働基準法に関連した問題には、労働基準監督署が有効です。労働基準法にある内容のみですが、逮捕する権限まであるためブラック企業も下手に逆らうことができません。
パワハラ・セクハラの問題
パワハラ・セクハラなどのデリケートな問題は、弁護士やNPO法人に相談するのがよさそうです。慰謝料請求なら弁護士、辞めないで勤務を続けたいならNPOでアドバイスをもらうことで、解決を目指せるかも知れません。
メンタルヘルスの問題
ストレスやメンタルヘルスの悩みなら、こころホットライン(厚生労働省)が効果的です。メンタルヘルスチェックで自分の精神的な疲れを確認することもできます。
↓↓メンタルヘルスチェックを希望する人はこちらから。
軽微で話し合いができそうな問題
各都道府県の労働局の「総合労働相談コーナー」では、話し合いによる解決を目指すサービスがあります。話し合いの場に着かせる法的な拘束力や強制力はありませんが、幅広い労働の相談に対応してくれます。話し合いで解決できそう、歩み寄りの余地のある問題なら、こちらが便利です。
情報があれば自分で対応できる問題
NPO法人の労働相談なら、無料で有益な情報が得られます。弁護士のような法的な対応や労働基準監督署のような逮捕権はありませんが、情報だけあれば自分で動けるという人には活用できる組織です。
深刻で高額な請求を行うべき問題
ハラスメントの慰謝料請求や解雇の撤回などを求める場合には弁護士が有効です。労働基準監督署ができない範囲も法にしたがって解決が目指せます。個別に時間をかけて対応してくれる労働関連に強い弁護士を選ぶとより安心です。ただし、無料で解決までの利用はできません。
ブラック企業の辛さは相談で解決して
ブラック企業に勤務していて辛いときには、専門の相談機関に連絡してみましょう。悩みの種類によって相談窓口を選ぶことでスピード解決も夢ではありません。まずは無料の相談サービスを利用して、悩みを吐き出し、客観的な意見を求めることから始めましょう。
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