「案件」は問題になっていることや訴訟に関する言葉
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「案件」とは、“問題になっている事柄”や”現在対応している事柄”のほか、”訴訟事件”を示す言葉です。
「案件」は広い意味で「問題」を表現する言葉として使われていますが、弁護士や警察といった法律に関わる特定の職業や分野に関わる人によっては受け取り方が異なります。ビジネスシーンでの「案件」は”今取り組んでいる事柄”を指すケースが一般的です。
ビジネスパーソンにとって案件とは「直面している事柄」ですが、法律関係者にとっては「訴訟事件」という形で言葉の具体性が変わってきます。
職業によって意味が異なる「案件」を正しく伝えるには、別の言葉で表現することで誤解なくスムーズに話を進めることができます。「案件」の類語や似ている言葉もチェックしておきましょう。
・課題/議題/宿題
・事案
仕事で使える「案件」の使い方・例文
一般的な”仕事”や”問題”といった事柄を総じて「案件」の一言でまとめることもできます。ビジネスシーンではこの「案件」という単語が頻繁に使われており、仕事の場では「案件」がどのようなケースで用いられているのかを例文で確認していきましょう。
「案件」を使った例文
ビジネスシーンでの「案件」は単純に”問題”を指しているケースが多いです。例えば、取引先との交渉ごとや現在の業務の進捗状況、発生したトラブル全般を「案件」と表現します。
現在取り組んでいる仕事や問題を「案件」と表現した使い方です。
一般的な会社企業では仕事、問題、トラブル全般を「案件」の一言で察してもらえる場合がほとんどですが、先の項で説明したように法律関係者の口から出る「案件」は”訴訟事件”として受け取られます。
状況に応じて「案件」の内容を考慮し、「業務」や「課題」、「トラブル」、「プロジェクト」の単語を使い分けて使用するのがベターです。
「案件」の類語
「案件」とは現在進行中の事柄や目の前の問題を示す表現です。法律用語での「案件」に比べて曖昧な表現になるので、”どのような事柄・問題”かを詳しく伝えたいなら別の表現を使用しましょう。別の表現に言い換えた「案件」の類語をご紹介します。
問題/設問
案件の類語として最も使われている表現が「問題」です。「案件」は厳密に言えば「問題/事柄」、「訴訟事件」に分けられますが、「問題」はそのすべてをひとまとめに表現できる言葉です。
ひとつの事柄だけでなく、複数の事柄を「問題」として一言で片付けることもできる曖昧な表現です。相手に内容を正しく伝えるときは、「問題」のあとに詳細報告をするのが適切です。
報告するときに使用する場合は「問題」を前置きし、解決が必要な場合は「何が」「どのように」「問題なのか」の詳細説明をする必要があります。
ちなみに「問題」の類語である「設問」とは、”「問題」を作って質問することを示す表現”です。
・”問題を作らない側の質問は「質問」”
テストを出す先生が設問する側。テストをする側の生徒が質問側と覚えましょう。
「問題」はビジネスシーンではとにかく使われる言葉です。「設問」やこれ以降に紹介する類語との違いと使い分けも、ビジネスシーンの基礎知識として覚えておいて損はありません。
課題/議題/宿題
3つとも「問題」を意味する言葉ですが、それぞれが示す「問題」はシチュエーションが異なります。
学習において与えられた問題。課題。
「問題」で共通している3つの言葉を並べてみると、どのように違いがあるのか確認できます。
“問題を与えられる”という意味で共通する「課題」と「宿題」は同じ意味でも使用でき、「宿題」は”学生の勉学”というニュアンスが強く、ビジネスシーンでは「課題」のほうが言葉の度合いが強い表現です。
一方の「議題」は会議で討論する問題を示します。問題に対しての解決策、模索案の会議・話し合いのテーマ=「議題」として使われるのが一般的です。
「案件」と「事案」の違い・使い分け
「案件」の類語にもうひとつ「事案」という言葉があります。問題や事柄を「事案」と表現されることが多く、ニュースや事件でも耳にする機会が多いフレーズです。最近ではネットスラング化もされている「事案」について「案件」との違いや使い分けを解説します。
「事案」の意味と例文
「事案」とは”問題になっている事柄”を示し、「案件」のもつ「問題」という意味合いでは同じ単語です。本来はトラブルに発展しそうな恐れのある「案件(問題)」を示し、政府や報道局が注意喚起として「事案」を使用することが多いです。
近年では警察や自治体からの不審者情報に「事案」が使われるケースが増え、これに注目したネット住民によるネットスラング化が進み、”事件を匂わせる事柄”や”不審者”を指すシチュエーションでの「事案」の使用化が増加しています。
いずれにせよ、事件やトラブルになりかねない出来事に対して「事案」を使用し、既に発生して取り組んでいる問題に対して「案件」と使い分けるのが適切です。
ビジネスパーソン必須?!「案件」の関連語
ビジネスシーンや法律関連における用語の「案件」は、意外にも日常生活に溶け込んでいる単語です。身の回りで目についた「案件」の関連語を見て行きましょう。
関連語①「案件管理ツール」
PCやスマホを使い、オンラインでプロジェクトを効率化するアプリツールです。アプリを立ち上げ、設定したプロジェクトの作業人数、工数、進捗状況をタスクごとに管理し、グラフや表で可視化することで一括管理からデータ出力が容易に行えます。
クラウド化することでどの端末からでも、時間と場所を選ばず一目で現在の案件を確認することが可能です。多機能なビジネス用は月額~年額制での有料アプリがほとんどですが、制限つきやお試し期間での無料提供も行われています。
関連語②「求人案件」
文字通り人材募集を掲げて転職サイトや求人誌で紹介されている「案件」。この場合の「案件」とは”人を募集している告知・広告”を示します。
“バイト募集”や”求人案内”も広義的には「求人案件」に含まれますが、メールマガジンや転職エージェントによって極秘で行なわれる非公開の求人募集を指す場合が多いです。
通常のバイト求人募集と違い、専門性や経歴を重要視するケースが多く、募集人数も少ないことから企業側で人材を絞っていることがうかがえます。転職組のセカンドキャリア案件も多く、一般の求人広告には載っていない案件が多いのも特徴。
人材の年代ごとに求人を分けているエージェント案件もあり、当CHEWYサイト内でも20代、30代の転職向け求人案件記事について詳しく紹介しています。「求人案件」に興味のある人は、どのようなものか見ておくことをおすすめします。
※CHEWYおすすめの求人案件記事はこちらからご覧ください!↓↓
20代の転職を成功させるには?求人事情と注意ポイントをチェック30代の転職は厳しい?有利に進めるための注意点
ビジネスで使える「案件」の英語表現・例文
「案件」はビジネスシーンでも使われる言葉であるため、英語で表現しなければならないシーンが出てくることも考えられます。いざという時のために、会話やメールでの使い方を確認しておきましょう。
case
と表現できます。
「案件」を使用した例文はこちらです。
⇒今度の案件は先方との折り合いがなかなかつきません。
「案件を進める」を使用した英語表現
move forward with the case
と表現できます。
「案件を進める」を使用した例文はこちらです。
⇒プロジェクトの案件を進めることにしましょう。
・Are there any problems with the progress of this case?
⇒こちらの案件を進めるのは問題があるのではないでしょうか?
「案件を見送る」の英語表現
let the case pass
と表現できます。
「案件を見送る」を使用した例文はこちらです。
⇒予算がないのでこちらの案件を見送ることにしました。
・It is not a good idea to let the case pass.
⇒案件を見送ることは、よい考えではありません。
「案件」の使い方をマスターしよう!
ビジネスシーンでは似たような言葉が多く、「案件」と「問題」も一括りで使われることが少なくありません。あらゆる職種のビジネスパーソンと関わっても対応できるよう、よく使われる「案件」だからこそ正しい使い方をマスターしておきましょう!