呆然には3つの意味がある
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この会話のように『呆然』とは驚いたときに使用されます。しかし、詳しく調べてみると、実は3つの意味があることをご存知でしょうか。
この記事では呆然の正しい意味や使い方、類義語などについてわかりやすく解説します。日常会話でもよく使われる『呆然』について正しく理解しておきましょう。
呆然とは『予想外の出来事であっけにとられるさま』
『呆然』とは「ぼうぜん」と読みます。1つ目は『思いがけないの出来事であっけにとられるさま』です。
これは先の会話のような、急な出来事によって言葉を失うような状態を指します。
呆然とは『あきれて何も言えないさま』
2つ目は『あきれて何も言えないさま』です。
例えば「あまりにもバカバカしい光景に、彼は呆然とした」などと使われます。この場合はバカバカしい光景を目にして、あきれて言葉も出ない様子を表しているのです。
呆然とは『気が抜けてぼんやりするさま』
そして3つ目の意味は『集中力がなくなりボーッとしているさま』です。これは前述の意味とは少しニュアンスが異なります。上記2つは『言葉を失ったような状態』を表していますが、3つ目は『気が抜けてボーッとしている様子』となるので、ニュアンスの違いを覚えておきましょう。
「彼はしばらくの間、呆然と立ち尽くした」という例文を見ればわかるように、これは彼がしばらくの間、気の抜けたようにぼんやりしている様子を指しています。
呆然の意味をチェック
前述のとおり、呆然には微妙に異なる3つの意味がありました。呆然とは『予想外の出来事で驚き、あっけにとられるさま』などを意味します。それでは、この呆然についてもう少し深く解説しましょう。
呆然の語源とは?
呆然の「呆」とは「あっけにとられる」や「あきれる」、「ぼんやりとした」という意味があります。また「然」は「その様子」や「状態を表す」言葉で、2つの漢字が組み合わさり、呆然という熟語になるわけです。
呆然をほかの言葉に言い換えると?
呆然を別の表現にすると、次のような言葉があります。
開いた口が塞がらない
放心状態
肝をつぶす
言葉を失う
ポカンとする
例文を挙げると「突然の出来事に放心状態となる」や「予想外な出来事が起こりポカンとする」などです。これらはすべて呆然と同じ意味で使える言葉のため、日常会話のなかで使ってみてくださいね。
新人
呆然の英語表記
呆然を意味する英語表記は4つあります。それぞれに例文を当てはめてご説明しましょう。
【dumbfounded】
The people were dumbfounded at his words.
民衆たちは、彼の言葉を聞いて呆然とした。
【overcome with surprise】
overcome with surprise the terrible sight.
その恐ろしい光景に呆然としている。
【in blank amazement】
Everybody looked at her face in blank amazement.
みんなあっけに取られて彼女の顔を見た。
呆然と茫然の違い
似た言葉で「茫然」があります。これは呆然と読み方は同じです。しかし両者の意味を比較してみるとその違いがわかるでしょう。
茫然とは「何をすればいいのかわからない様子」「何もする気が起きないさま」を意味しています。例えば「茫然たる未来だから、何の予測もつかない」などと使われます。
一方、呆然は『予想外の出来事によりあっけにとられたり、あきれて何もいえないさま』や『気が抜けてぼんやりしているさま』という意味です。何をしたらいいのかわからないのではなく、驚いて行動できない状態をさします。
口頭で会話するときにはどちらも「ぼうぜん」ですが、文字で書く場合には両者の使い方を間違えないようにしましょう。
呆然の使い方・例文
次に呆然という言葉を会話に取り入れるとどうなるのか、具体例でご紹介します。
新人
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上司
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呆然のニュアンスを理解して会話に取り入れよう
呆然と茫然、読み方はまったく同じですが、意味が違うため使うシーンも異なります。予想外の出来事で驚いてしまった結果、何も言葉にできないときには『呆然とした』を使ってください。また自分が何をしたらいいのかわからない状態に陥っている場合には「茫然とした」を使いましょう。ニュアンスを理解して正しく会話に取り入れてくださいね。