流布とはどんな言葉?
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上司
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残念ながら、流布は流れる布そのものを表す言葉ではありません。
流れる布のイメージから、日常生活でもよく接するとある事柄を表しています。もちろん、ビジネスでも流布は重要な意味をもつ語。
流布は、悪いイメージを持たれやすいワードでもあるので、正しく使えるようになりましょう。
ちなみに、こいのぼりの布飾りは吹き流しといいます。流布とは関係ないですが、豆知識として頭に入れておくとどこかで役に立つかもしれませんよ。
流布の意味とは「世に広まること」
流布は、主に情報が広まるときに用いる言葉です。
・世間に知れ渡ること
流布は、外に出た情報が自然と世間に広まっていくというニュアンスをもっています。
流布の語源・由来
流布の「流」は「ながれる」の意味で用いるのが一般的。しかし、流布の場合のニュアンスは「広まる」や「行き渡る」になります。
「布」は、織物の「ぬの」を表す漢字ですが、「広く行き渡らせる」という意味合いもあります。「配布」や「公布」などの言葉に含まれていることからも想像できます。
流布は、同じニュアンスの漢字を重ねて「広く伝える」を強調した言葉です。
流布という言葉は、鎌倉時代にはすでに仏教で用いる熟語「広宣流布(こうせんるふ)」の形で使用されていたといわれています。「広宣流布」は「法華経(ほけきょう)の教えを広める」という意味です。
流布の読み方は「るふ」
流布の読み方は「るふ」です。「りゅうふ」と読んでしまう人もいますがこれは間違い。
人気コミック「るろうに剣心」は、漢字表記すると「流浪人」。この「るろうに」という読み方は作者の造語で「流浪人」は一般的に「るろうにん」と読みます。
「流浪人(るろうにん)」の「流(る)」と配布(はいふ)の「布(ふ)」を組み合わせて「るふ」と読むと覚えましょう。
流布の使い方・例文
意図して外に出した情報が期待通り世間に広まるという流布なら歓迎されます。
しかし、外部には出したくない情報が流出して広まった場合の流布であれば、それはよろしくない事態です。
流布そのものは、良い意味、悪い意味、そのどちらに限定されるわけではありません。文脈から意味をとらえるようにしましょう。
先輩
上司
新人
流布本とは、同じ原本をもとに作られた写本・刊本の中で、最も広く世間に普及している本のこと。
言い換えに使える流布の類語
流布の類語は「放散」「普及」「浸透」「遍満」など。これらの言葉には、広がるという共通のニュアンスがあります。
普及:広く行き渡らせること
浸透:考え方や雰囲気などがだんだんと広範囲に行き渡ること
遍満(へんまん):広くすみずみまで行き渡ること
ちなみに、情報が自然に広まるのを待つのではなく積極的に伝えていくときには、流布ではなく喧伝(けんでん)を使います。喧伝は「盛んにはやし立てて、世間に情報を伝えること」という意味。
「流布する」の英語表現
流布を英語で表現するときには「circulation」を使います。「circulation」は循環や流通、流布という意味。
日本語にも、空気を循環させる「サーキュレーター」がありますが、これもこの単語から派生しているものです。
「流布する」を英訳したいときには「circulate」を用いればOK。循環する、あちこち歩き回る、流布するなどの意味合いがあります。
「circulation」は「circulate」に動詞を名詞に変える働きをする「tion」をつけた単語です。
情報の流布は止めるのが難しい
インターネット社会の現代では、情報が流布するスピードは尋常じゃなく速くなっています。
また、一度流布された情報は、削除してもネット上にずっと残ってしまうため注意が必要。面白半分にSNSに書き込んだ情報が、大きなトラブルに発展してしまう場合もあります。
情報の管理や開示は慎重に行うようにしましょう。