「佇まい」の意味は?「雰囲気」との違いや使い方、語源、英語まで徹底解説

佇まいには2つの意味がある

先輩

今度、うちの部署に配属になった新入社員、まるで10年前からいるような落ち着いた佇まいをしているわね。
じゃあボクと一緒ですね。

新人

先輩

キミの場合はいつまでたっても、昨日配属になったばかりみたいな落ち着きのない佇まいをしているわ。
えー!そんな!ところで佇まいってどういう意味ですか?

新人

 

佇まいの意味を知っていますか?佇まいには2つの意味があるのでそれぞれ使い方まで見てみましょう。

佇まいとは『立っている様子』

『佇まい』の1つ目の意味は『立っている様子』で、そこに存在しているもののありようを表す言葉です。人物に対して使うほかに建築物、造形物、植物などに対しても使います

佇まいとは『暮らし方』

佇まいの2つ目の意味は『暮らし方』です。『暮らし方』『身を置くところ』といった意味から転じて、『生業』という意味も持つようになりました。『生業』の読み方は「なりわい」で、職業のことです。最初に説明した『立っている様子』という意味ほど多くは使われませんが、せっかくなので2つの意味を一緒に覚えておきましょう。

佇まいの意味をチェック

『立っている様子』と『暮らし方』という2つの意味のある『佇まい』、読み方はわかりますか? 漢字としてはシンプルな作りですが、そんなにたくさん登場する言葉ではないので、間違えて覚えている人もいるのではないでしょうか。

佇まいの読み方はたたずまい

『佇まい』の読み方は「たたずまい」です。読み間違いとして多いのは「いずまい」。意味が似ていることから間違えるケースが多いようですが、「いずまい」の漢字は「居住まい」です。

佇まいの語源は?

『佇まい』という言葉の語源はなんなのでしょうか。実はかなり古くからこの言葉は使われていました。「源氏物語」の「若紫」には「霞(かすみ)のたたずまひもをかしう見ゆれば」という言葉があります。「あたりに霞がかかっている様子も趣があるものだなあ」という意味です。「枕草子」「蜻蛉日記」でも「たたずまひ」という言葉は数多く登場しており、もともと日本的な感性にしっくりくる言葉なのでしょう。

「源氏物語」が書かれたのは11世紀初頭ですが、この言葉、もっと古くから登場しています。9世紀に東大寺の僧侶が書かれたとされている「東大寺諷誦文」(とうだいじふじゅもん)の中にこんな一節があります。

経行(たたずまひ)も吉く遠見も怜(おもしろし)

この「経行(たたずまひ)」が「佇まい」の語源とされているのです。「経」という文字には「たて」などの意味があり、その場所にまっすぐ立っているもののありよう、というところから「佇まい」という言葉が定着したといわれています。

佇まいの英語表記

佇まいは日本的な感性から生まれた言葉であるだけに、完全にイコールの英語訳はありません。しかしある程度意味の重なる英語表記がいくつかあります。それらを紹介しましょう。

例文

【appearance(佇まい、印象)】
The appearance in this building is nice.
この建物の佇まいは素敵だ。

【shape(様子、姿、佇まい)】
She is in love with the shape of you.
彼女は君のその姿に恋をしている。

【atmosphere(佇まい、雰囲気)】
Kyoto still has the atmosphere of the good old days.
京都は古き良き時代の雰囲気を残している。

佇まいと雰囲気の違い

『佇まい』と似た言葉に「雰囲気」があります。どちらもはっきりとした形というよりも醸し出すもの、はっきりした形のないものを表しているという点では共通しているといっていいでしょう。

ただし違いもあります。『佇まい』はそこに立っているものを形容する時に使う言葉であるのに対して、「雰囲気」はそこはかとなく醸し出している空気、印象を表す言葉なのです。

『佇まい』が人、建造物、動植物など、そこにあるものに限定された使い方であるのに対して、「雰囲気」はより広範囲で使われます。

佇まいの使い方・例文

佇まいという言葉、ビジネスにも日常会話にも登場します。どんな場面で使われるのか、具体例をみていきましょう。

例文

新人

行きつけだった会社の向かいにある喫茶店、閉店するらしいんですよ。あの歴史を感じさせる佇まいが好きだったのに、残念だなあ。
キミの場合は、ただ単に仕事をさぼれる場所がなくなるのが残念なだけなんじゃないか?

上司

例文2

新人

会社の向かいに新しくできた喫茶店、近未来的な佇まいをしていて、かっこいい建物なんですよ。ワクワクするなあ。今度偵察に行ってきますね。
さぼれる場所ができたのがうれしいだけなんじゃないの?

先輩

佇まいという言葉を正しく使いこなそう

佇まいという言葉に『立っている様子』と『暮らし方』という2つの意味があることを覚えましたか?よく使われるのは『立っている様子』です。この言葉を使うには対象となるものをよく観察して、ふさわしい形容詞とセットで使うことがポイントとなります。意識して使うようにすると、きっと日本語の語彙も広がりますよ。