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涅槃とはどんな意味?読み方や使い方は?教養として知っておきたい涅槃寂静や涅槃会も解説

涅槃とは?ビジネスで使うことはあるの?

新人

涅槃って仏教の言葉ですよね。僕あんまり宗教に興味はないんですが・・・。
確かに仏教関係の用語ではあるけど、ビジネス会話に登場する場合もあるんだよ。

上司

新人

どういうことですか?解説お願いします。

涅槃は仏教で重要な意味をもつ言葉のひとつ。

ビジネスとは一見関係なさそうに思えますが、実は使えるシーンが結構あり、知っていると便利なワードです。

季節の挨拶などでも役立つので、教養として覚えておいて損はありません。涅槃について学び、ビジネスマンとしてレベルアップしましょう。

涅槃の意味とは「悟りの境地」

涅槃は仏教以外の宗教でも使われる言葉なのですが、日本では主に仏語として用いられています。

仏教での涅槃の意味を確認しておきましょう。

涅槃
①すべての煩悩(ぼんのう)を吹き消し、一切の悩みや苦しみ、束縛から離れることができたものだけがたどり着ける安らぎの境地。仏の悟りを得た境地
②お釈迦様の死
③涅槃会(ねはんえ)の略

仏教では、①の意味の涅槃に到達することが修行者達の望む究極のゴール。至福体験であるとされています。

お釈迦様とは、釈迦族(しゃかぞく)の王子でありながらその地位と家族を捨てて出家し、仏教の教祖になった人物。

また、涅槃会は、釈迦の入滅の日(にゅうめつのひ:お釈迦様が亡くなった日)に行う仏教儀式です。2月15日に実施されます。

寺院によっては旧暦にあわせて、今の暦の3月15日に涅槃会を行う場合も。

涅槃の語源・由来

涅槃の語源は、サンスクリット語の「nirvāṇa(ニルヴァーナ)」。

「ニルヴァーナ」は、吹き消すことや吹き消した状態という意味になります。涅槃は「nirvāṇa」に中国の漢字の音をあてはめて訳した言葉です。

音を写しただけの語句なので、使われている「涅」と「槃」の字の意味は「涅槃」という言葉のニュアンスとは関係ありません。

涅槃の読み方は「ねはん」

涅槃の一般的な読み方は「ねはん」です。

しかし、書物などでは、涅槃に作者がルビを振って「さとり」「ニルワナ」「ニルヴアナ」「ニルバーナ」などと読ませる場合があります。

「涅槃会」の使い方・例文

涅槃は、生死を超えた世界というニュアンスがあり、お釈迦様の死という意味ももつ言葉。

そのため、遺書などで死後の世界を表すために「涅槃で待つ」などの文言が使われるケースもあります。

しかし、ビジネスの場合はあまりこの意味では使用されません。ビジネスシーンでは、季節を表す言葉として涅槃(涅槃会の略語)を用いるのが一般的です。

涅槃の使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文1

新人

コロナ禍で、うちの会社も大打撃。こんなに仕事がなくて僕達大丈夫でしょうか?
寒さの果ても涅槃までというように、大変な時期はいつまでも続くわけではないよ。力を合わせてこの危機を乗り切ろう!

上司

「寒さの果ても涅槃まで」は、陰暦2月15日の涅槃会がくる頃には冬の寒さも終わるという意味。陰暦の2月は、今の暦だとだいたい3月頃になります。

例文2

先輩

涅槃西風が吹きようやく春めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしですか。

涅槃を使った挨拶文の一例です。涅槃西風(ねはんにし)とは涅槃会の前後に吹く風。3月の季語になります。

例文3

上司

涅槃雪の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

涅槃雪(ねはんゆき)とは涅槃会の前後に降る雪。涅槃雪も3月の季語です。

ビジネス文書の挨拶文について、くわしくは下記の記事で紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
「ご多幸」とは?読み方や意味・例文・「ご多幸をお祈り申し上げます」の英語表現も解説

涅槃寂静とは?涅槃の類義語・対義語

涅槃のように「悟りの境地」を意味する言葉はほかにもあります。どれも仏教用語で日常会話にはめったに登場することがありません。

でも、社会人の雑学としておさえておくと、どこかで役に立つときがきますよ。

涅槃の類語
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):煩悩が完全に吹き消された悟りの世界は、絶対の静けさをもつ安らぎの境地であるということ
滅度(めつど):完全な悟りの境地。仏や菩薩、高僧などの死
灰身滅智(けしんめっち):煩悩を断ち肉体も滅ぼして、心身を完全なる無の状態にすることで悟りの境地に入ること

涅槃の対義語には「肉界(にくかい)」「娑婆(しゃば)」「現し世(うつしよ)」があります。これらはすべて、霊的な世界と対になる現実世界というニュアンスをもつ言葉です。

涅槃像・涅槃経・涅槃図・涅槃仏とは?

涅槃像・涅槃経・涅槃図・涅槃仏はどれも、お釈迦様の死に関連しているものです。涅槃とセットにして、ここで一緒に覚えてしまいましょう。

言葉 意味
涅槃像(ねはんぞう) お釈迦様が亡くなり生死を超越した悟りの世界に入る姿を仏像にしたもの。横たわる仏像は日本では珍しいが、タイや中国など海外ではポピュラー
涅槃経(ねはんぎょう) お釈迦様の晩年から亡くなる前後の出来事を伝記のようにまとめた経典
涅槃図(ねはんず) お釈迦様が亡くなるときの様子を描いた絵。お釈迦さまの生母や弟子たちを含むたくさんの人間、いろいろな種類の動物、虫などが描かれている
涅槃仏(ねはんぶつ) 涅槃像の別の呼び方

仕事に直接役立つケースは少ないかもしれませんが、知識があるとお寺観光がより楽しくなりますよ。

涅槃の英語表現は「nirvana」

涅槃を英語で表現するときには「nirvana」を使えばOK。

nirvanaは、涅槃だけでなく「生の炎の消滅」や「至福の境地」とも訳されます。

涅槃とは季節を表現できる言葉

仏教用語の涅槃は、葬儀や法要くらいでしか耳にした経験がないという人も珍しくありません。

しかし、涅槃は3月の季語としても使える言葉です。ビジネスでは、季節の挨拶を入れた丁寧な手紙を書く機会がよくありますよね。

なぜ、涅槃が3月の言葉になるのか頭に入れておきましょう。挨拶文の意味がよくわかるようになりますよ。