「微力ながら」とは「大した力ではありませんが」という意味
微力ながらお力になれれば幸いです
謙遜しつつもやる気を見せたいとき、できるよアピールしたいときに使ったことがあるかもしれません。
「微力(びりょく)ながら」は「大した力ではありませんが」と謙遜して使う表現です。「びりき」ではないので注意。
どんなシーンで「微力ながら」は使われるのでしょうか。
「微力ながら」が使えるシーン
・協力するとき ・自分の協力をアピールするとき ・新年の挨拶
「微力ながら」は相手に協力を頼まれたときや協力を申し出たときに使用します。「大した力にはなれないけど協力します」という謙遜の表現。
また事後にも「微力ながら」を使うことがあります。「微力ながらお手伝いさせていただきました」というと、謙遜しつつもアピールすることができます。
新年の挨拶として抱負を語るときにも「微力ながら」は使うことができます。
「微力ながら」の使い方・例文
具体的な「微力ながら」の使い方を例文で確認していきましょう。
・微力ながら尽力させていただきます ・微力ながらお役に立てれば幸いです ・微力ながらお力になれるよう尽力する所存です ・微力ながらお役に立てて光栄です ・本年も微力ながらお役に立てるよう努めますので、よろしくお願いいたします
協力を頼まれた側は意図せずとも上から目線で発言しがち。「協力しますよ」の一言だけでも上から目線に聞こえます。そんな時に便利なのが「微力ながら」。上から目線を打ち消すことができます。
協力後も「まあやってやりましたよ」とは言えませんよね。「微力ながら」でささやかにアピールできます。
「微力ながら」を使う際の注意点
「微力ながら」は謙遜しつつアピールできる使い勝手のいい表現です。ビジネス=謙遜文化といっても過言ではないほど、ビジネスシーンでは謙遜が何かと奨励されています。
「微力ながら」を使ったからといって本当に「微力なんだ、じゃあ役には立たないかもな」と思う人はいないでしょう。
とはいえ、言い方やその人のキャラクターによっては頼りない印象を与えてしまうことも。また、ピンチで相手が不安に思っているときなどは少しばかり大げさに大丈夫アピールすることも必要です。
相手に不安感を与えるくらいであれば使わない方がベター。
また言うまでもなく、逆に協力してほしいときに「微力だと思うけど協力してください」とはいえません。こんなときは「お力添え」を使いましょう。詳しい使い方は以下で解説しています。
「お力添え」とはどんな意味を持つ敬語?知っておくべき類語や英語表現もチェック!
「微力ながら」の類語
・及(およ)ばずながら ・力不足(ちからぶそく)ですが
「微力ながら」は「及ばずながら」や「力不足ですが」に言い換えることができます。
「役不足」は
「力不足」と似た言葉に「役不足」がありますが、これは同じ意味ではありません。
「役不足」は演劇に例えた表現です。「自分がこの役を演じるのは力不足だ」だと思っている人が多いですがこれは間違い。正しくは「自分がこの役を演じるのは物足りない、不満だ」と逆の意味になります。
主語を自分以外にして、役割や仕事がその人にとって小さすぎる、軽すぎると相手を立てて使うことが多いです。
誤:この任務は経験が足りない自分には役不足です 正:経験豊富なあなたに私の代役をお願いするのは役不足で恐縮です
誤用の例は「役不足」を「力不足」に置き換えれば問題ありません。
「微力ながら」を英語で
I’ll do all I can for you ⇒微力ながらお手伝いさせていただきます(あなたのためにできることは全てやります)
「微力ながら」を直訳すると「I have little ability, but~」となり、不自然です。
少々意訳になりますが、「I’ll do all I can for you」で「微力ながらお手伝いさせていただきます」を表現しています。
他にも「I’ll do my best」も同様のニュアンスの表現として使えます。
「微力ながら」と言いつつも
「微力ながら」は謙遜しつつアピールできるため、ビジネスシーンでは重宝する表現。「微力ながら」と言いつつも、主力級の活躍ができるビジネスパーソンを目指しましょう。